ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

塾の課題が消化不良になっていませんか?

中学受験生の新学期は2月で、進級してから早二ヶ月が過ぎてしまいました。4月は学校でもクラス替えがあって環境が変わることもあり、その上で塾通いする子どもには何かとストレスがかかる時期でもあります。

こうした時期に、私自身の子どもの中学受験やご相談を受けた他の受験生に多く共通していた悩みが、塾の課題がやり切れずに消化不良となっていたことです。

■小5、小6のカリキュラムは難易度が高い

進学塾のカリキュラムでは5年生から難しくなりボリュームも増えます。しかも学校では学習していない内容がどんどん出てきます。学習指導要領では、中学受験でよく使われる重要単元は5,6年に集中していて、これから学習するのです。しかし5,6年で学習しても入試には間に合いませんから、進学塾では前倒しで教えます。小学生には未知の領域の学習となるのです。

さらに6年生ではこれに入試レベルの問題が加わります。漢字の知識問題も日常的にこなさなくてはならないし、計算力を養う計算問題も練習が必要。その漢字と計算にしたって、学校では習わない難しい熟語や四則混合計算と逆算が中心です。

あれもこれも課題が山盛りで「結局塾の宿題で絶対出さなくてはならないものしかやれなかった」という日、いえそれさえもできない日が続きました。現役の受験生ではこんな場合に顔を見ると「疲れているな」と感じます。また大量のパターン学習による弊害も感じます。(正解を急いだり、よく考えずに機械的に解こうとしたりする)

難関校を目指す生徒は、こうした課題をそつなくこなせる処理能力の高い生徒が多いのですが、中堅校を志望する受験生のボリュームゾーンに属する生徒では、応用問題になると時間がかかり、どうしても消化不良になりがちです。中にはプレッシャーによるストレスでイライラしたり、チック症状が出たりする子もいます。

進学塾のカリキュラムは、過去に入試に出た問題に全て対応できるように作られますので、入試問題の進歩に応じて、年々少しずつ増えていくものです。それに全て対応するのは普通の子どもにはかなり難しいことはご理解いただけるでしょう。

塾の言いなりになっていると、たちまちこの消化不良に陥ってしまいます。全教科オールラウンドに学力を上げられれば良いのですが、実際は出っ張り引込みが出てきます。得意科目と不得意科目、得意分野と不得意分野によっても違ってきます。

積極的に塾に相談を持ちかけ、課題の取捨選択による絞込を行うようにするようにしましょう。苦手分野でも最低限ここまではできるようにしたいという課題と、得意分野でさらに得点力UPできる課題を設定できれば、入試合格点突破の見込みが立ちやすいです。

また、早めに志望校の過去問を入手して出題傾向を見てみます。すると色々なことが見えてきます。例えば女子校によくある、算数は基本問題中心で難易度の高い問題は出ないとか、国語の物語文の読解には相当な長文が出るなど。

難易度の高い問題が出ないのに、塾の宿題で難易度の高い問題まで毎回解いていく必要性に疑問がわきます。歴史でも明治維新前後が頻繁に出題されているとしたら、そこを重点的に学習しておくことが重要です。

できれば、こうした取捨選択は塾と相談の上で行うようにしたいもの。そうすれば勝手に宿題をやらないのではなく、先生の了承を得た上で絞込ができるからです。こちらがはっきりした要望を持っていれば、塾の先生も耳を貸してくれます。「なんとなく勉強がうまく行っていない」という相談では、なかなか問題点が浮かび上がりません。

できるだけ具体的な相談を保護者の方から持ちかけないと、子どもが抱えている課題の解決はできません。子どもの状況や志望校についてある程度の分析と情報武装をして、塾に投げかけてみてはいかがでしょうか。消化不良のまま塾通いするのは、お子さんの精神的な健康にもあまりよくありませんので。

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