ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

中学受験、親の役割

 今回は中学受験における「親の役割」について考えてみようと思います。小学校受験は親の受験と言われています。高校・大学受験は子供主体で臨むでしょう。
では中学受験はどうでしょうか。

ちょうどその中間で親の関わり方は40%〜60%くらいというのが感覚的には合います。放っておいても勉強する子は少なく、親がレールを引いてやり子供がその上を走るという具合です。
進学塾にほうり込んで「はい、おしまい。」と済ませられるような簡単なものではありません。2〜4年の間、勉強するわけですから。

【方針を立てる】

中学受験させるということは、中高一貫校の選択を通じて大学進学の方法を選択するということです。したがって、どんな大学進学をお子さんに望んでいるのかを、はっきりさせる必要があります。

  • ・国公立大学へ進学して欲しい。
  • ・中学の系列大学に進学して欲しい。
  • ・有名私立大学なら良い。
  • ・中堅私立大でも良い。
  • ・大学受験になってから考える。

というようなポイントです。国公立大学への進学を希望するなら、そのような進学実績を上げている学校を選ぶべきですし、大学受験になって考えればいい(今は中高の教育環境重視)であれば、幅広い学校が選択肢に入ってきます。

要するに大学進学をどの程度重視するかによって、塾選びにしても勉強方法にしても異なってきます。まず、その点をしっかり決めることが大切です。

【学習量のコントロール】

進学塾のカリキュラムや教材はトップ校にも通じるように作られています.それが全ての子供にこなせるわけではありません。上で決めた大学進学重視度によって、取り組み方が違ってきます。

私自身、オールアバウトのガイドという立場でなく、受験生の親として見ていると、今の中学受験勉強させすぎではないかと感じます。それはたくさんの学校の入試問題をカバーしようとするからです。

家庭の方針に従って志望校が絞られていれば、基礎基本をしっかりやることで対応できる場合も、難易度の高い問題に取り組む時間が取られます。
そして問題が難しいために時間がかかります。場合によっては無駄な時間ともいえるわけです。

娘が通っている塾では、家庭学習のプリントで子供のレベルに合った問題を解いて行くことになっています。
そうであれば難問に費やす時間を、他の問題や教科に当てることができるので助かっています。

塾でそのような指導を受けられない場合には、家庭学習で取捨選択しなくてはなりません。家庭教師という専門家がいればそちらに任せられますが、そうでなかったら親が見てやる必要があります。解き方を教えても小学生向きの解き方ではないかも知れません。
それよりも、時間をかけてできない問題があるようならば、飛ばすなり解答を見てもう一度解くなりの方法をアドバイスしてやります。

その代わりできなかった問題については、先生に質問してくるように指導します。できない問題で、もんもんとしているのはモチベーションにも影響するものです。
また、得意な科目がある場合に、その科目では多少手を抜いて苦手教科の復習に回すなどの柔軟さも欲しいのです。子供はそこまで気が回りません。真面目な子ほど全てやっていかなくてはと考えがちです。

要は限られた時間を効率的に使って受験勉強する体制を作ってやります。

【やる気を出させる】

受験勉強を教えるのは専門家に任せて、モチベーションを上げる声掛けを親はすべきです。
どうしてもテストの結果に一喜一憂しがちですが、結果が思わしくなくてもプロセスが良かったら誉めてやるべきです。

子供に「前は計算問題でミスが多かったけれど、この頃減ってきたね。」などと言ってやると、とても嬉しそうな顔をします。本人は結果を見て「あんまり点数が良くなかった。」としょげていたのです。部分的にでも良くなった点を誉めて、やったら報われるという気持ちが、長い受験勉強に向かわせるのだと思います。

塾などで先生に誉められるのも大いに効果がありますが、そんな機会が頻繁にあるわけではないので、その分家庭で良いところを見つけてプッシュしてやりたいと考えています。

【子供の変化を見逃さない】

塾や家庭教師の先生が子供のことをしっかり見てくれれば、スランプであったり、やる気を無くしていたりすることに気づいてくれます。
しかし、そうでない場合は一番身近にいる親が気づいてやらなくてはなりません。

クラス落ちしてしまったり、テストの結果があまり良くない状態が続くと落ち込むのは当然です。そんな時に気分転換のきっかけを作ってやるとか、塾の先生に相談するとか親も一生懸命だよというサインを送ってやりましょう。

こんな時につい、「ちゃんと授業聞いてるの?」とか「机に向かっているだけで、ぼうっとしてるんじゃない。」などと愚痴の一つも出てしまいがちです。
でも、考えてみれば分かるように、これは逆効果です。子供の神経を逆なですること間違いなしです。

【フィジカルとメンタルの管理】

親の最大の役割は子供のコンディション管理です。4年間受験勉強するのならばオリンピックのアスリートと同じです。コーチやスタッフが必要です。コーチは塾や家庭教師の先生で、スタッフが家族です。

食事や睡眠をきちんと取れるようにして、フィジカル(身体)の健康管理をしっかりします。
宿題が終わらないからといって睡眠時間を削るのは考えものです。小学生はしっかり睡眠をとらなくてはいけません。

また、メンタル(精神)面の健康管理も必要です。「小学生の仕事は勉強することだ。」としても、受験勉強は残業のようなものです。
だから時には「夜遅くまで頑張ってるね。偉いな。」とねぎらいの声をかけてやるだけで違ってきます。娘も「そう大変なの。疲れるよ。」なんて愚痴をこぼします。でもそれで多少はストレスを発散できるようです。

それから塾であったことなどを話して聞かせてくれたら、是非「ふーん、それから?」と熱心に聞いてやって欲しいのです。
自分の話を一生懸命聞いてくれていると感じることで、子供は自分が受け入れられていると安心するのですから。 時間がないのでどうしても「はいはい、後でね。先にお風呂に入ってしまいなさい。」といなしてしまいがち。

元来おしゃべりな子供が、学校から帰って塾へ行き帰宅するまで我慢していたのですから、話したいことが沢山たまっているはずです。
これが受験生らしくなってくると、あまり話もしなくなるものです。
話しかけて来る内はできる限り、聞いてやりたいと思うのです。

こうしてコンディションを維持して入試までつなげていきたいものです

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