中学受験勉強を通じて学習の基本型を作る
柔道や空手といった武道には「型」があります。基本となる型をマスターして、応用である組手ができるのです。勉強も同じで基本型を習得して、自学自習できることが、伸びる秘訣です。中学受験する生徒は小学生。自学自習できるほどの型を持っている生徒は多くありません。けれども、周囲に助けられながらでも型に従うことで、中学高校と自学自習できる基礎が固まるのです。
過去に小学生だった中高生で、中学受験していない生徒では、勉強の仕方を教わったことがなく、効率的な学習方法を知らない生徒が大多数です。また中高一貫校に通っていても、自分で学習する際に、中学受験のノウハウを使っていない生徒も多く見られます。おかげで勉強の仕方が解らないと困っているのです。
勉強の基本型は、下の記事に書いていますが、学習のサイクルに慣れるということです。やらされて始めたことでも、習慣になってしまえば食後の歯磨きのように、済ませないと居心地が悪くなるもの。
学習サイクルを確立するさいに、毎日の生活と組み合わせて、できれば学習の時間帯も固定するとなお良いでしょう。毎日同じにできなければ、ウィークリーで同じにすれば良いのです。習慣化するのに効果的なのは、実施するスケジュールも定例にしてしまうこと。中学受験のために塾に行っているのであれば、スケジュールの定例化は容易なはず。必要なら予習、塾の授業、復習とサイクルが組めます。
さて、定例化した家庭学習時間に何をするかです。それは、できる問題とできない問題を区別して、できない問題をできるようにすることです。塾の宿題が精一杯で、過去のできない問題の復習まで手が回らないという生徒は少なくありません。できることからはじめましょう。
例えば、どの塾にも一行計算と漢字の読み書き問題が課題に取り入れられています。小テストがあったりもしますね。まずは、その問題を全部できるにしていくのです。初回に自力で正解した問題には丸をつけます。次に復習タイムに過去の、この問題を引っ張りだしてきて解きます。2度目は丸印のない問題だけ。2度目になれば問題数も減っているので、短時間で終わります。3度目ともなれば全復習も短期間にできるでしょう。こうすればごく基本の問題は、できる問題に変わっていることになります。
計算ミスや漢字の失点がなくなり、テストの結果にも良い方向に反映されるはず。これがきっかけとなり、勉強が良い方向へ回り出すかも知れません。中高生になった時に、英単語のチェックや歴史年号のチェックなどに、この方法が使えます。忙しくてもスキマ時間にできる課題を見つけて、小さい目標を達成する術を身につけるのです。
ところで、プロジェクトマネージメントの世界では、振り返りをして対策を講じなければ、改善は望めないという鉄則があります。学習も同じ。「できない問題を集めたノートを作っていました」と答える生徒が、出来る生徒には多く見られます。自分だけの参考書を作るつもりでノートを使っている。
参考書的に使えるノートにするには、問題を移さずに解法だけを書いたのではいけません。後で見てやり直すことができませんから。問題も必ず写しておきましょう。書き写すのが面倒ならば、コピーを切り貼りしても構いません。ノート作りに時間をかけるのはもったいないです。
でも、勉強に気分が乗らない時にノート作りをして、時間を有効活用するという手もあります。手作業に集中して気分転換になるかも知れません。ノートは贅沢に使って、後で解答を見ながら書き込めるようにします。疑問点があればカラーペンで書き込んでおき、後で先生に質問します。疑問は必ず解決する姿勢が必要です。
受験勉強が終わって、中学生になった時に、普段の予習復習でこのノートを作って勉強すれば、内申点をきっちりキープでき、将来推薦入試の道も開けます。ちょっとした手間を惜しまないことです。時間がなければ、できない問題を集めたノートを作るところまでは、保護者が手伝っても良いでしょう。問題を解くのは受験生本人。
- ・デイリーまたはウィークリーで学習時間を習慣に組み込む
- ・できる問題とできない問題を仕分け、できない問題をできるようにする
- ・ノートを自分だけの参考書にする
- ・わからないことをわからないままにしない
こうして身につけた勉強の型は将来必ず役に立ちます。The sooner, the better.です！
