心のビタミン
〜国語で悩んだら読んでください〜

第3回

吉田講師(中学受験鉄人会スーパープロ家庭教師)

 これまで国語の概論的な内容を進めてきましたが、この辺りで早くも実際に中学受験の国語の問題を扱ってみたいと思います。過去問に取りかかる時期には個人差があると思いますので、必要に応じて読むことをおすすめします。

  初回は今や受験者がのべ4千名にも達する市川中(平成14年度(第2回))

 この時の受験者平均点は46.3点ということなので、話の内容がよくわからなかった、設問が難しかったという受験生がほとんどだったと思われます。20名の募集で219名の受験者という倍率もあって、緊張して頭の中が真っ白になって実力を発揮できなかったとしても不思議ではありません。もっとも、女子より男子の方がこの傾向は強いようですが。

 まず初めに明確にしておきたいのですが、今回は実戦的解説ということで、ご両親でなく、子ども(小6生)向けに綴っていきたいと思います。
また初回ということで、物語の読み方(考え方)を中心に、国語の不得意な人向けにできるだけ丁寧に解説していくことにします。
それからスペースの問題で本文を載せることがムリなので、是非お手元に過去問をご用意の上読まれることをおすすめします。

 では早速始めましょう。

 本文を読んでいくとすぐに「盛りそばをカウンターに出した」とあるので、場面は「そば屋さん」であるとわかります。ところで「ざるそば」と「盛りそば」の違いってわかりますか。
海苔(のり)がのってるのが「ざる」で、のってないのが「盛り」ということですね。これで30円〜50円ぐらいの差がつくようです。

 客の老夫婦のおじいちゃんの方は、以前にもきたことがわかるね。
ただカヨちゃん(アルバイト?)が、そのおじいちゃんに怒っている様子ですが、一体なぜ怒っているのかがわからないまま話が進みます。
「岩崎さん」は調理をしている人ですが、店主ですね。

 どんどん読んでいくと、「三週間前のてんまつ」とあるので、この前おじいちゃんが店にやってきたのが三週間前であることがわかります。
でも、まだその時何があったかは不明です。
ただ、お店の人が怒るようなことをしたことだけはまちがいない。

 そして、店主の岩崎さんが老人をカウンターごしに見ていたら、老人と目が合ってしまった。これはキマズイね。お互いに。老人の方は、以前店に迷惑をかけたのだから、かなり気まずいはずだ。ところが「老人は悪びれずに満足そうに笑みを送ってよこした。」とある。
ここで絶対に、「えっ、なんで?」と思わなければいけないな。
なぜ、老人が悪びれずにいられるのか。「悪びれずに」というのは、「自分の行為を恥じることなく、反省することなく」という意味です。

 さらにわからないのは、なぜ岩崎さんはそんな老人に腹を立てずにいられるのか。

 いよいよ後半で、事件の真相が明らかになります。「すみませぇーん。先日の分も入ってまぁす。」というカヨちゃんの大胆な言葉で、やっとおじいちゃんが三週間前にお金を払わずに帰ったのだとわかりますね。
その時、おじいちゃんが食べたのは、もちろん「天ぷらそば」ですよ。
でも、それならば岩崎さんがおじいちゃんに対して怒っていないのがますます不思議になってきませんか?

 その後、老婦人(おばあさん)のセリフから、おじいちゃんは物忘れがひどくなって平たく言えば、ボケてしまって、天ぷらそばの代金を払うのを忘れて帰ってしまったのだということが判明します。
でも、岩崎さんが怒らないのはなぜかはハッキリとはわかりません。

 そこで最後の場面、岩崎さんは、自分の父親もボケてしまったこと、そしてこの老婦人と同様に、母親が謝って歩いていたことをカヨちゃんに話します。そんな岩崎さんだから、この老婦人のつらさ、悲しさがよくわかるんだね。
だからこそ、おじいちゃんのことを怒らなかったんです。この老夫婦のことを他人事でなく、わが事のようにとらえることが出来、思いやることができる。本当に素晴らしいことだと思います。苦しいこと、つらいことが人を優しくするということですね。

 では、設問を2つほど見ていきましょう。
まず問3ですが、これはうまく答えられなかったという人、多いのでは?「文章全体をふまえて」とは、これより後の内容もちゃんと答えに入れなさいということです。
傍線部1の前で、岩崎さんが老人にほほえんでいますが、ここでは岩崎さんの父親のことはまだ出て来ていない。
そこで傍線部3の直前の「岩崎さんは、さっき胸の底に寄せてきた波を、もう一度感じていた。」という部分に注目!

 この後、父親(先代)の話になっている。ここで「胸の底に寄せてきた波」と「父親」が接点をもったということだ。

 答え
【この老人と同様に、物忘れがひどくなってほうぼうに迷惑を かけていた父親の姿】
 ちなみに、
【父親が、この老人と同様に物忘れがひどくなってほうぼう に迷惑をかけていたこと。】
というのはダメですよ。「正体」はどのようなものか?ときかれているので、「正体」に「父親の姿」が成り立つので「父親の姿」という言葉が最後にこなければなりません。

 次に問9にいきましょう。これは難しく考えすぎた人が多かったのではないかと思います。
問3から、傍線部3も9も父親のことを思い出しているところであることがわかります。もちろん、「カヨちゃんは岩崎さんの目じりに涙がたまっているのに気づいていた。」とあることも見逃してはいけませんよ。

 (答え)
亡くなった父親のことを思い出し、急に悲しさがこみあげてきた状態。

 今回はここまでとします。

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