第2回
吉田講師(中学受験鉄人会スーパープロ家庭教師)
前回予告した通り、今回は、塾の授業styleと家庭学習について、国語という面から考えてみたいと思います。
ひと口に塾といっても、その授業内容やスタイルは様々です。
50分のところもあれば90分、さらに120分というところもあります。
これはそれぞれの経営方針・運営上の様々な都合により変わってくる様です。
まず50分、60分などの短い時間のところはテキストを宿題としてやってきて、それを授業でひたすら解説していくというパターンが一般的です。
授業中リアルタイムで演習するのではないので、生徒自身でしっかりわからない点を認識し、それらを忘れないようにした状態で、授業に臨まなければならないことになります。
この点で、これはかなり自己管理のしっかりできる比較的上位者に合うようです。
家庭学習としては、生徒がある程度しっかり本文が読めれば良いですが、そうでない場合には、ご両親のいずれかが適切にヘルプしてあげることが必要となるでしょう。
そうしないと、まったく本文の内容を理解しないまま、解説を聞くことになってしまいます。これでは意味がありません。
次に、90分、120分のところはさすがに解説オンリーというわけにはいかず(子どもの集中力ってそんなにもたないので)、演習+解説というパターンが一般的です。
これの良いところは、様々なレベルの生徒にとってやりやすいというところです。というのも、わからないことがあれば、その場で講師に確認しながら進めるからです。
逆にこのスタイルの弱点は、解説を行うタイミングを決めがたいという点です。1クラスの生徒数が増えれば増えるほど解く速さに差ができるので講師にとって悩み所です。
実際一番速い子が全問解き終わった時、まだ1問ぐらいしか解いていない生徒が結構いたりするものです。
生徒数がそれなりに多ければ個人でわがままを言えず、まだ本文全部読んでいないのに解説が始まったりすることがあります。
家庭学習としては、復習メインになります。
再度本文を読んで内容をまとめてみる、論説文であれば、対比関係の確認、内容による段落分けなど、物語であれば主人公の気持ちの変化(心の成長、心の葛藤など)を整理したり、慣用句のチェックなどしてみると良いでしょう。
なお、内容をまとめる時、字数を30字、50字、100字、150字などいろいろ変えてみるとよいでしょう。少しの言葉を付け足したり、削ったりするだけで、全体のバランスが崩れ、再度文章全体の構成を変える必要が生じ、文章構成力が自然とつきます。
塾による拘束が強い(授業時間が多い、副教材などの宿題が多い)と弱いところでも家庭学習に違いが出てきます。
前者ではどうしてもテキストの予習(復習)に追われ、内容も難しいものである場合が多く、ご両親のいずれかが平日、あるいは土日を利用してつきっきりで宿題を教えるというパターンになりがちです。
その結果、「私達が全部教えている!」というのが、ご両親の素直な感想だったりするわけです。
が、しかし、それがなかなかうまくいかない場合、特に国語の教え方がわからないということで、家庭教師に頼まれることが多いわけです。
拘束が強ければ、子どもにとってもかなり精神的にも肉体的にも負担になり、4年生あたりから通塾している場合には5年生の夏ぐらいにとうとう退塾ということに。
何でもかんでもやるのではなく優先順位を考えて各教科バランス良く勉強することが必要でしょう。
後者では、家庭学習に余裕が出てきますが、自主性のない生徒の場合、ムダに過ごしてしまいがちです。
でも、計画的に学習を進めるプランがあればムリなく実力がupします。
ここでは良きアドバイザーとしての家庭教師を求められることが多いのです。
いずれにせよ各ご家庭の方針、子どもの性格と実力に合わせた適切な塾選びは中学受験の重要な一歩であることは間違いありません。
ご両親がいかにしっかり子どもを理解しているかということの重要性もご理解いただけると思います。
今回はここで終了です。