第22回 - 人体4 排出器官のはなし -
安達めぐみ講師(鉄人会レギュラープロ家庭教師)
セキツイ動物は、腎臓からいらなくなった老廃物を外へ排出します。ヒトでは、場所:背中側のろっ骨のすぐ下、数:両脇に1対(2つ)、大きさ:握りこぶしより大きめ(130g、長さ11cm厚さ5cm)です。
腎臓は、1)ろ過と2)再吸収という重要なはたらきがあります。
1) は、ボーマンのうでおこなわれ、原尿がつくられます。
2) は、腎細管でおこなわれ、ブドウ糖、タンパク質のほぼ全てと、水と無機塩類の一部が血しょうへ再吸収されます。
全体として、
腎動脈(糸球体)→ボーマンのう→腎細管→腎静脈(再吸収)
(ろ過)(原尿) ↓
集合管→腎う→輸尿管→ぼうこう
(尿)
の流れから外へ尿が排出されます。
特に、中学入試では、人体を循環する、動脈と静脈の血液の流れと関連した、総合問題の一部として出題されることも多いです。
ヒト以外の動物の排出器官と重要な用語も整理しておきます。
ゾウリムシ | 収縮胞(太陽のようなかたち(?)をしている) 収縮したり拡大したりして、いらないものを外へ排出します。 |
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プラナリア | 原腎管(ほのお細胞から排出口へ) たくさんのほのお細胞がみられます。 |
ミミズ、アサリ | 腎管(体節ごとにろうとのような腎口が空いています) 血管や消化管、排出口とつながっています。 |
ザリガニ | 触覚腺(腎管、ぼうこうがあります) 触覚のつけ根にあります。 |
昆虫類 | マルピーギ管(腹部にあり、腸とつながっている数本の管) 消化管を通して、排出します。多いときには、100対(200本)もあります。 |
魚類、 オタマジャクシ |
腎臓とえら 腎臓のほかに、えらが塩類を排出したり吸収するはたらきをしています。 |
淡水魚と海水魚の比較は大学入試でも頻出ですが、中学入試でも関連したことが質問されることがあります。特に、メダカやフナは小学校で詳しく習うので、淡水魚のしくみに注意して覚えておきましょう。
海水魚 (マダイ、 マグロなど) |
海水にすむ魚 |
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口 | 水をたくさん飲む(塩分が多い水)。 (水は生きるためにたくさん必要なので、塩分濃度が高くても飲みます。) |
えら | 余分な塩類を排出する。 |
腎臓 | 余分な塩類を排出する。 |
尿 | 塩分の高い尿を排出する。 |
皮膚 | 水が出て行く。(外の塩分濃度が高いため) |
腸 | 水を吸収する。 |
淡水魚(アユ、フナ、メダカ、キンギョなど):湖、川など淡水にすむ魚 | |
口 | 水をあまり飲まない。 (皮膚から水が入ってくるので) |
えら | 足りない塩類を吸収する。 |
腎臓 | 足りない塩類を吸収する。 |
尿 | 塩分の低い尿をたくさん排出する。 |
皮膚 | 水が入ってくる。 |