面白くて得点源になる理科のはなし

第16回 - 地球環境問題関連の出題 オゾン層破壊 -

安達めぐみ講師(鉄人会レギュラープロ家庭教師)

 

 地球環境問題への関心が高まっています。教育現場でも環境教育が強化されつつあるので、中学入試で環境問題に向けた出題が増えるでしょう。

 環境問題の1つに、オゾン層破壊があります。中学受験では、理科あるいは社会で必ずしも覚えるべき用語になっていないかもしれません。しかし、オゾン層破壊のしくみを考えると、中学受験理科と以外とつながりがあるので、関連事項として出題が増えそうです。

1)大気についての知識:地学分野(大気、天気)と気温化学分野に関連して

 オゾン層は、地上から高さ10?50kmのオゾンが比較的多い層を指します。大気圏(地上から、対流圏、成層圏、中間圏、熱圏の層があります)の中の成層圏におおよそあたります。

 成層圏は、水蒸気(気体の水)が少なく,オゾンが多いのが特徴です。対流圏の中では、空気の対流が盛んで雲、雨、雪を生じます。また、対流圏では、高度が上がるほど気温が下がります。この対流圏でおこる空気の対流、雲のなりたちは小学理科での重要事項です。

 気温と地温に関連した事項も頻出です。温度計の使用法、百葉箱など詳しく学びます。

2)紫外線のはたらきについて:光の性質(物理分野)と生物への作用(生物分野)に関連して

 成層圏に多いオゾンは、太陽光の中の紫外線を吸収する働きがあります。

 紫外線は光の性質の中で学びます。光は異なる種類の光の集まりですが、プリズムや虹の現象で分離します。七色の目に見える光(可視光)以外に、紫外線と赤外線などがあります。

 また、紫外線が生物に作用する働きを押さえておきます。悪い作用として、皮膚がんや目の病気(白内障)の増加、老化促進、人間の遺伝子の変化(突然変異)があります。従って、オゾン層が破壊されると、地上の紫外線が増えて、人体へ悪い影響がでると心配されています。よい作用として、殺菌や品種改良に使用することがあげられますが、悪い影響のほうが深刻です。

3)オゾンと酸素:化学分野(酸素と塩素に関連して)

 オゾン(O3)が酸素(O2)と同じく酸素原子を材料としています(同素体として高校化学以後詳しく習いますが、中学受験では特に分子式や同素体の用語を覚えなくてもいいです)。酸素は小学理科と中学受験理科でよく扱うことから、少し注意します。

 また、オゾンを破壊する原因が塩素と関係しています。スプレーや冷蔵庫に使用してきたフロンは、紫外線にあたると塩素を出してオゾンを破壊します。フロンは、小学生にとって、マスコミなどで聞いたことがあることばとして感じられるかもしれません。フロンは、小学生課程ではそれぼど詳しく知らなくても大丈夫だと思います。それより、塩素の知識、塩素が水に溶けて塩化水素(塩酸)ができること、塩素が水道水などの殺菌に使われることなどは要注意です。オゾン層やオゾン層破壊に、酸素や塩素が関連していることを一応抑えておきましょう。

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