第13回 - 環境問題関連の出題に備えて 地球温暖化と二酸化炭素 -
安達めぐみ講師(鉄人会レギュラープロ家庭教師)
2004年の夏は本当に猛暑でした。地球温暖化の影響を考えたくなります。
地球温暖化の原因は、化石燃料(石油や石炭)を大量に燃焼させて消費したために、大気中の二酸化炭素が増加したからです。二酸化炭素、メタン、フロンとよばれる気体は、大気圏外への赤外線の熱放射を妨げるために、気温を上昇させます。この効果を温室効果といい、二酸化炭素、メタン、フロンなどを温室効果ガスと呼びます。
二酸化炭素は、もともと大気中に含まれており、私達と密接な関連がある物質なので、小学理科でもよく学習します。中学受験理科入試問題では、化学分野と生物分野で頻出です。小学理科の中で、二酸化炭素についての基礎事項を確実にし、さらに地球温暖化問題との関連をにらみつつ勉強を進めると、考察力がついて応用問題にも備えられるでしょう。環境問題は社会や国語の中学入試問題でも頻出なので、他科目にもいい効果が期待されます。
- 化学分野での出題されやすい二酸化炭素基礎事項は次の通りです。 1) 大気中に含まれる割合:約0.04% (窒素は78%(約80%)、酸素21%(約20%)とアルゴン0.9%についで、4番目に空気中で多い成分)
- 2) 水に溶けやすいので、下方置換で気体を収集する。二酸化炭素が水に溶けた溶液を炭酸(炭酸水)と呼ぶ。炭酸は弱酸性なので、BTB溶液を指示薬として使用すると黄色になる(中性で緑色、アルカリ性で青色)。
- 3) 実験室で二酸化炭素を発生させる実験方法:ふたまた試験管を使用。
石灰石(炭酸カルシウム)に塩化水素(塩酸)を作用させる。
石灰石:白色の固体。大理石や貝殻、真珠の成分。鍾乳洞は、石灰石に水と二酸化炭素が溶けて、再度水が抜けて固まったもの。
塩化水素:中学以後は塩酸という名称を使用する。強酸性で、常温で気体であるが、水溶液に溶かして希塩酸としている。 - 4) 固体はドライアイスとして冷却剤に使用。昇華してすぐ気体となる性質がある。 二酸化炭素の分子式CO2は、中学以降で習うことですが、小学生でもしばしば覚えているようです。無理をして覚える必要はないですが、覚えられれば親しみがわくのかも知れませんね。