第8回 - 環境問題の出題 その1 -
安達めぐみ講師(鉄人会レギュラープロ家庭教師)
最近は、自然環境や環境問題に関する社会的関心が高まっています。学校でも環境教育が強調されつつありますから、環境問題と生態学の出題は、国語、理科、社会、算数の全科目で出題される可能性が高いでしょう。
算数については、植木算、農産物収穫量などが身近な材料として取り上げることがあるかもしれませんが、環境問題を題材にしないといけないというほどではないので、ここでは詳細をチェックする必要はないと思います。
国語については、環境問題関係の文章が出題され、文章の趣旨だけでなく、漢字の書き取りや用語の意味(例:環境、汚染、被害者、法律、農薬、植林、資源、分解、改善、異常、有毒、原因)を問われることが予想されます。
教科書や問題集、模擬試験などで、必ず一度は解答したことがあると思われますので、一度復習して見直しておくといいと思います。
文学的には、アメリカ女性による著書が重要な役割を果たしています。
例えば、1962年に出版されたレイチェル・カーソンによる「沈黙の春」は有名で、狂った自然のリズムを警告しました。
また、1996年に出版された、シーア・コルボーンらによる「奪われし未来」では、環境ホルモンの影響を述べています。
社会については、産業革命、近代化に関連した公害、近年の環境汚染に関連して、出題されることが考えられます。
欧米の産業革命、日本史における主な公害(足尾銅山の公害問題、イタイイタイ病など)の年代、場所、公害物質、重要な人物、法律など、必ず重要な用語に含まれています。
理科の中では、どの項目でも、環境問題の機構に深い関係があります。その主な内容は次の通りです。
- 1) 生物分野:
生態系の破壊、食物連鎖のしくみ、有害物質の生物濃縮、 地球温暖化の植物(植生および農産物)への影響、 環境ホルモンの機構、環境汚染の動物と人体への影響、 自然環境保全 - 2) 化学分野:
地球温暖化のしくみ
(気温の変化、海水面の上昇、温室効果ガス)、 オゾン層の破壊(オゾンや紫外線による化学的変化)、 酸性雨、砂漠化、大気汚染、土壌汚染、水質汚濁、 - 3) 地学分野:
地球温暖化による気候帯の変化、 砂漠化(土壌、降水量と雲の関係)、土壌汚染、 環境保全、酸性雨の影響(岩石への影響) - 4) 物理分野:
オゾン層の破壊(紫外線とオゾンによる物理化学的変化)、 地球温暖化のしくみ(光エネルギー、熱エネルギーのしくみ)
今後、理科については、上の4つの分野毎に、重要項目のまとめと、予想される環境問題関係の総合問題を、詳しく取り挙げていきます。