第4回 - 季節のなかで星を親しむ その1 -
安達めぐみ講師(鉄人会レギュラープロ家庭教師)
夏至も過ぎて七夕の時期となりました。学校や民間の施設でつくった七夕飾りを見ると、とても楽しくなってきます。
最近は、笹が手に入る機会も限られてきましたが、七夕飾りつくりは、子どもたちにとって素敵な経験であることは今も変わらないでしょう。
七夕伝説を聞いて夜空を見上げ、織姫(こと座の1等星ベガ)と彦星(わし座の1等星アルタイル)を探すことは、一番効果的な星の勉強の第1歩になります。
中学受験理科の天体のうち、夏の星座が確認できます。
特に、南の空を中心に、さそり座(1等星の赤い星アンタレス)、いて座、てんびん座(以上黄道にある、星占いでおなじみの星座)、りゅう座、ヘルクレス座、へび座、へびつかい座、たて座、こと座、わし座、はくちょう座(1等星デネブが、ベガとアルタイルとともに夏の大三角形をつくることはよく問われます)、や座、こぎつね座、いるか座、みなみのかんむり座、そして天の川が存在します。
星は(金星やすい星などを除いて)夜見えるものなので、授業中では星座早見、写真あるいはビデオを頼りにします。しかし、実物を見れば格段に実感がわくでしょう。
宿題で、星の観察が出ることもあります。
たとえプラネタリウムや空気の澄んだ地域の空のように、星が沢山見えなくても、実際に見る機会をもつことは貴重です。例えば、方角に関する間隔を磨く大切なチャンスでもあるのです。
天空が図示される場合、平面に書かれることもあれば球面に書かれることもあります。また、北が上になって書かれているとは限りません。地点を変えて、東西が左右のどちらなのかを確認していれば、いろんな表現図に対応できるでしょう。
小学生理科では、図表(グラフを含む)を読み取る訓練を重視しますから、その読み取りが必ず1つは入試で出されるといえます。
天文分野の主なねらいは次の通りです。
- 1)北と南の夜空の星の動きの違い:北は、ほぼ不動の北極星(小熊座の一部)の周りを星が東から西周りに日周運動をすること、重要な星座である北斗七星(大熊座の一部)とカシオペア座(Wの形と北極星との距離)についての知識、南は、(日本では)東から西へ移動すること、星の動く方向と時速などを含む。
- 2)季節の代表的な星と星座、
- 3) 地球上の観測点の違いによる星の動きの違い:北緯35度付近の東京と、南半球の都市(南緯35度付近など)の違いなど
- 4)基礎的な天文用語:太陽系、惑星(特に金星(宵の明星、明けの明星という呼び名も含む)、火星(赤い星)、木星(最も大きい惑星)、など各惑星の特徴をとらえること)
筆者は、小学生高学年の時、かなりの天文マニアでした。望遠鏡を買ってもらって天文観測をし、天文写真や天文関係の本を沢山読みました。
小学生は、興味があれば大人向けに書いた本でも、かなり吸収し記憶することができます。
他の分野(生物、化学、物理)でもそうですが、私は、生徒が好奇心を見極めて、小学生用に限らない詳細な本を見せることがあります。
適性のある分野は、できるだけ早めにどんどん伸ばして欲しいと思います。