2017.10.25配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
元日能研講師が教える、5年生の国語の成績がこの時期下降する5つの理由とその対策
今回は5年生を対象に9月以降、国語の成績が伸び悩んでいる方、以前に比べ成績が大きく下降して
いる方に向けてのお話です。
お子さんそれぞれに成績下降の理由は異なると思いますが、よく見られる理由を5つのパターンにま
とめました。さらに、それぞれの理由への対策をご説明していきます。
【理由1:お子さんの潜在的能力がテスト内容の難度に追いつかなくなってきた】
これは、今までは塾の学習内容を自宅であまり復習しなくても、お子さんの潜在的能力が高いことでカ リテである程度点数が取れていたという場合です。学習内容の難度が上がったことで、潜在能力だけで は対応できなくなってきたということです。
《対策》
潜在的能力だけでは対応できていない状況ですので、対策としては、まずしっかりと本科テキストの解 き直しをすることです。その際には、答えの根拠を必ず振り返って下さい。解説をよく読んで、答えに根拠があることを認識し、その根拠が文章中のどこにあるか、といった作業を重ねましょう。 その後に、『栄冠』、漢字のテキストへと進みます。こうした振り返りと言葉の蓄積によって、国語の力 が高められると考えて下さい。
【理由2:家庭学習の習慣がしっかりと身についていない】
これは、好きな単元だけをやる、周囲の大人から「やりなさい」と言われた時にだけやるといった家庭 学習にムラがある場合です。
《対策》
学習習慣のムラは早期に解消しなくてはなりません。まず、しっかりと一週間の学習計画を立てること
です。また、それを実行できるように、机の整理、教材の整理を行い、計画通り机に向かえるようにするための環境設定をすることが重要です。
計画を立てる際に大切なことは、本科テキストの振り返りと『栄冠』、漢字のテキストの演習を、計画
の軸とすることです。全てを行うことが難しい場合は、漢字だけ、読解1だけでも最低限は行うなど、ルールを決めて下さい。
また、決められた一冊のノートに演習を行い、保護者の方が必ずチェックするという体勢を築くことも
大切です。決まった時間に自ら机に向かえるようになることを目標にしていきましょう。
【理由3:家庭学習で何をすればよいのかがわからない】
これは塾の教室側にも問題がありうるケースです。教室から明確な家庭学習の指示がなく、講師の家庭学習のチェックもなく、単に教室に来て、授業だけ受けていれば良い、というかたちになってしまっている場合です。
《対策》
家庭学習で最低限行っておくべき内容は、毎週の漢字の暗記、読解1、『栄冠』の演習です。これだけ は塾の講師の指示がなくとも、行っておくべき課題です。カリテに直接関わる内容ですので必ず自宅で 行って下さい。
【理由4:他の教科の家庭学習が大半を占めてしまい、国語まで手が回らない】
これは算数が苦手の方に多いようです。5年生の後期になって、算数の学習内容が難しくなり、また、 特に2学期の内容は重要なこともあり、算数の学習に追われてしまうことで国語の学習が滞っている場 合です。
《対策》
各教科にかける時間のバランスは、算数6割、国語2割、理科社会それぞれ1割でよいでしょう。も ちろん、それぞれの得意な教科より苦手な教科に比重を置くことも大切です。難しいですがカリテの成 績が4教科バランス良く取れるように、その都度家庭学習のバランスを変えることも考慮してみましょ う。ただ、国語にかける時間がゼロにならないようには気をつけるようにしてください。
【理由5.授業に取り組むモチベーションが低下している】
これは様々な原因があります。4年生の時は楽しい授業だったのが、段々と集中力を求められて来て、 授業がつまらなく感じたり、クラスの状況(私語が多い)などの原因で、モチベーションが低下している 場合です。
《対策》
お子さんの授業に取り組むモチベーションがどの程度であるかは、保護者の方々には確認しづらいと
思います。また、この時期はお子さんの自我が目覚め、保護者の問いかけに素直に話してくれない時期か
とも思います。
そこでまず、ノートやテキストを確認してみましょう。ノートが雑に書かれている、テキストには読解
の際のチェックがされていない、などから、授業の様子が判断できます。また、教室スタッフの先生や担当の講師の方にもお話は聞くことができます。授業中の様子を問い合わせすることも大切です。
そうしたことから授業に取り組むモチベーションを確認し、もし芳しくない場合は、原因を確認するこ
とがポイントです。原因を特定し、どうしたら解消できるか、お子さんと話すことが近道と言えます。
【最後に】
この時期、塾慣れという言葉があるように、お子さんはなんとなく塾に通っているという状態になり、保護者の方々は塾に行かせていれば安心という状態になってしまいがちです。もう一度通塾の目的を家族で話し合うことも必要な時期になっています。