2017.4.30配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
元日能研講師が教える、日能研4年生のための国語記述対策
3年生のマイファテストに比べ4年生のカリテでは記述力が少しずつ問われてきます。また、4年生から入塾の方はどのように記述式解答を作成すれば良いか戸惑う時期かと思います。
さらに、塾にいるとわからないことですが、日能研の記述対策は、他塾と比べるとどうしても薄いと感じられてしまいます。入試では記述問題は頻出であり、他塾の生徒さんとの他流試合である入試本番で成果を出すために、日能研生はカリキュラムの演習だけでなく、自宅で記述対策を、より早い時期から進める必要があるのです。そこで今回は日能研4年生のために、物語文における記述式解答の作り方をお伝えしたいと思います。
記述式解答というと算数と違い、毎回設問に対して個別に解法を見つけないといけないと考えがちです。しかし、普遍的な解法を身につけるとどのように問われても解答が書けるようになります。ぜひこの機会にそうした解法を身につけて役立てて下さい。
(1) 設問のパターン
大まかに設問を分類すると以下の2つになります。
- ・傍線部の気持ちの理由として出来事のみを説明する。
- ・傍線部の気持ちと理由にあたる出来事も説明する。
(2) 解答作成の手順
設問が前述のどちらのパターンかを判断する。
気持ちの理由にあたる出来事のみを説明する場合の書き方
この場合はすでに傍線部分やその前後に心情が書かれています。したがって理由にあたる出来事は傍線部分の前にありますので、制限字数内でまとめます。出来事とは会話、行動、事象など目に見えたり聞こえたりしたことです。これをいつ、どこで、誰が(何が)、どうしたという視点でまとめます。この要素全てを含めて解答にする必要はありません。制限字数に合わせて、どの要素が必要かを選び、制限字数内で主語述語を整えて文にしてください。気持ちと理由にあたる出来事も説明する場合
まず最初に傍線部分の気持ちを表す言葉を考えます。この心情語が解答の最後の部分(○とします)になります。次に考えた心情の理由にあたる出来事(△とします)をUで説明した方法でまとめます。最後にこの2つを字数内で整えて解答とします。2つをまとめるときに、「○なので(ので)、△」というかたちでまとめることを覚えておくと、解答がよりつくりやすくなるでしょう。
(3) では、具体的に実践して手順を確認してみましょう。
《本文》
※中学2年のタカシは水泳部に所属しています。以下はタカシの試合風景を描いた場面です。
―大丈夫、ゆっくり…
タカシは静かにスタート台に立った。 待ち受ける水面はいつものように、静かに、わずかに波打っている。
―集中して、水だけを見て…
すっと息を吸い、スタートの合図を待つ。 スタートを告げる、ピストルの音が響く。 バンッ!
―また、この音だ。
勢いよくスタート台を踏み出そうとしたタカシの足は、またもやすくみ、【周りに一歩遅れて水に飛び込んだ。】
《設問》
問1【 】部の「周りに一歩遅れて水に飛び込んだ。」とありますが、なぜタカシは一歩遅れて水に飛び込んだのですか。40字以内で説明しなさい。
解答
タカシはスタートのピストルの音が苦手で、その音を聞くと足がすくんでしまうから。(39字)
解答解説
この設問は「出来事」を説明する問題です。心情は、直前の「すくみ」や「また、この音だ。」からタ カシがスタートの音が苦手であることがわかります。ここでポイントは因果関係を表現することです。 苦手であるから足がすくんだという原因と結果を答えの中心におき、主語述語を整えます。
問2【 】部の「周りに一歩遅れて水に飛び込んだ。」とありますがこの時のタカシの気持ちを70字以内で説明しなさい。
解答
タカシはピストルの音が苦手で、その音を聞くと毎回足がすくみスタートが遅れ失敗してしまうので、うまくできないことがもどかしく後悔する気持ち。(70字)
解答解説
解答の前半が傍線部分の直前の出来事です。後半が心情の説明です。ポイントは問1でのべたように 因果関係を説明することと心情語を2つ用意することです。
(4) 最後に
今回お伝えした方法は解答の手順です。習得には練習が必要です。また、今回の問題であれば、「もどかしい」であるような、心情語の語彙も増やす必要があります。そのためには文章を読み、解答を作るという練習がどれだけ出来るのかにかかっています。頑張ってやっていきましょう。
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