2016.12.27配信
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四谷大塚・早稲田アカデミー4・5年生 予習シリーズ算数下 第18回攻略ポイント
<算数 5年下 第18回>
第18回は『図形の移動(2)』です。ここでは、図形の回転移動・転がり移動を学習します。第17回と同様、自分で図をかいて確かめながら進めましょう。
【攻略ポイント1】
「必修例題1」は、図形の回転移動の問題です。回転移動では、どの点も同じ点を中心として同じ角度だけ回転しますから、動いたあとの線は中心角が等しいおうぎ形の弧になります。また、回転の中心の点、回転の角度、半径の長さ、を確認することが重要です。
直角三角形ABCが、頂点Cを中心に90度回転した図形を三角形A´B´Cとします。
- 頂点Aが動いた長さは、回転の中心C、回転の角度90度、半径(CA)10cmの弧 (AからA´まで) の長さですから、10×2×3.14×90/360=15.7より、15.7cmです。
- 辺BCが動いたあとの図形はおうぎ形になります。半径は辺BCの長さである8cm、中心角は90度、つまり四分円です。よって、8×8×3.14÷4=16×3.14=50.24より、面積は、50.24平方cmです。
- 図をかいて確かめましょう。予習シリーズ171ページの解き方にある図を参照してください。頂点Aが動いた線(A〜A´)と、頂点Bが動いた線(B〜B´)と、三角形ABCの辺ABと、三角形A´B´Cの辺A´B´によって囲まれた部分の面積を求めることになります。ここで、全体の図形の成り立ちを考えますと、(三角形ABC+おうぎ形ACA´)の面積から、(三角形A´B´C+おうぎ形BCB´)の面積を引いた部分になります。三角形ABCと三角形A´B´Cはもともと同じ面積ですので、結果として、おうぎ形ACA´の面積から、おうぎ形BCB´の面積を引いた面積が答えとなります。よって、10×10×3.14÷4−8×8×3.14÷4=(10×10−8×8)×3.14÷4=36×3.14÷4=9×3.14=28.26より、辺ABが動いたあとの図形の面積は、28.26平方cmです。式の最後の部分に注目してください。円に関係した計算では、3.14の計算は最後に1回だけですむように式をまとめるようにしましょう。
「必修例題2」は、2本の直線が直角に交わってできた図形(文字Tの形)を回転させる問題です。
- 点Bが、点Dを中心に1回転した時の線の長さを求める問題です。DBの長さ5cmを半径とする円周を求めることになります。5×2×3.14=31.4より、長さは31.4cmです。
- 回転の中心から最も遠い点、最も近い点の動きを考えます。最も遠い点は、(1)で考えた点B(点Aも同様)で1回転する円です。また、最も近い点は、点Cで1回転すると、半径4cm(DCの長さ)の円になります。よって、点Bが動いたことによってできる円の面積から、点Cが動いたことによってできる円の面積を引いて求めます。5×5×3.14−4×4×3.14=(25―16)×3.14=9×3.14=28.26より、直線ABが通ったあとの図形の面積は、28.26平方cmです。
【攻略ポイント2】
「必修例題3」は長方形の転がり移動の問題です。長方形の頂点が、順に回転の中心となることに注目して考えます。移動の仕方を作図することが大切です。予習シリーズ173ページの解き方にある図を参照してください。
- 直線 L 上には、左から順に長方形の頂点が、B、C、D、A、Bと並びます。1番目の動きは、点Cを中心にBCの長さ4cmを半径として90度回転します。2番目の動きは、点Dを中心にBD(=AC)の長さ5cmを半径として90度回転します。3番目の動きは、点Aを中心にBAの長さ3cmを半径として90度回転します。ここまでの弧の長さの合計を求めます。4×2×3.14÷4+5×2×3.14÷4+3×2×3.14÷4=(4+5+3)×2×3.14÷4=6×3.14=18.84より、頂点Bが動いたあとの線の長さは、18.84cmです。
- (1)の線と直線 L で囲まれた図形は、半径4cm(=BC)の四分円、半径5cm(=BD)の四分円、半径3cm(=BA)の四分円、および長方形(の半分である直角三角形が2つ)でできています。これらの面積の合計を求めます。(4×4+5×5+3×3)×3.14÷4+3×4=50×3.14÷4+12=39.25+12=51.25より、面積は51.25平方cmです。
【攻略ポイント3】
「必修例題4」は円が線上を転がる問題です。直線が曲がるときの円の動きがポイントとなります。予習シリーズ174ページの解き方にある図を参照してください。
- 長方形の外側を円Oが転がる場合の、円の中心の動いた長さを求める問題です。長方形の辺上を転がる場合は、円Oの中心は、半径の長さの分だけ離れたところを平行に動きますので、直線となります。カドのところでは、円Oの中心がカドを中心に円の半径の長さを半径として、弧をえがきます。弧の中心角は、常に360度−(カドの角の大きさ+90度×2)で求まります。この問題では中心角が90度となります。よって、円Oの中心が動いたあとの線の長さは、直線部分は長方形のまわりの長さと等しく、(5+6)×2=22、また、カドの部分の線の長さは4つ合わせると半径1cmの円周になりますので、1×2×3.14=6.28です。合計して、22+6.28=28.28より、28.28cmです。
- 図をかいてみると、円Oが動いたあとの図形は、長方形の辺にそった部分はそれぞれの辺の長さと直径の長さをもつ長方形が4つと、カドの部分は、円の直径を半径として、中心角が90度の四分円が4つでできています。よって、4つの長方形の面積の合計は、長方形のまわりの長さに直径をかけて、22×2=44より、44平方cmです。また、四分円4つは円1つですから、2×2×3.14=12.56となります。したがって、円Oが動いたあとの図形の面積は、44+12.56=56.56 より、56.56平方cmです。
別解を説明します。平面図形の「外側」を円が動いたあとの図形の面積は、[円の中心が動いた長さ×直径]で求められます。この問題の解答を求める式 22×2+2×2×3.14=(22+6.28)×2 は、(1)の解答を求める式 22+6.28 に2(円の直径)をかけたものです。ただし、円が平面図形の「内側」を動くときには、この別解を使うことができませんので、注意してください。 - 長方形の内側にそって、円Pが動いたあとの図形の面積は、円Pが通らない部分の面積を、長方形の面積から引くことで求めます。円Pが通らない部分として、長方形の中央に、たて(5−2×2=)1cm、横(6−2×2=)2cmの長方形があり、カドに1辺1cmの正方形から、四分円をひいた部分が4つあります。このカドの部分の4つを合計すると、1辺2cmの正方形の面積から円Pの面積を引いた面積になることを理解しましょう。よって、円Pが通らない部分の面積の合計は、1×2+(2×2−1×1×3.14)=2+0.86=2.86より、2.86平方cmです。したがって、円Pが通った部分の面積は、5×6−2.86=27.14より、27.14平方cmです。
なお、予習シリーズ175ページにある別解の説明はできるだけ理解しておきましょう。
<算数 4年下 第18回>
第18回は『場合の数(2)』です。第14回は並べ方を学習しましたが、今回は選び方を考えます。選び方(=組み合わせ)とは,並べる順番は異なっていても、組の中の数字や記号が同じ組み合わせならば、1通りとするものです。例えば、(A-B)と(B-A)は、並べ方としては2通りですが、選び方としては1通りとするものです。選ぶ順番の基準を作っておくことが大切になります。
【攻略ポイント1】
「必修例題1」は、A、B、C、Dの4人の中から、2人の組を作る選び方の問題です。まず、2人を並べる場合を考えます。Aからの並べ方として、A-B、A-C、A-Dの3通り、次にBからの並べ方として、B-A、B-C、B-Dの3通り、次にCからの並べ方として、C-A、C-B、C-Dの3通り、次にDからの並べ方として、D-A、D-B、D-Cの3通りがあります。よって、3×4=12 より、12通りあります。選び方としては、A-BとB-Aは同じ1通りです。同様に、B-CとC-B、C-DとD-Cもそれぞれ1通りです。つまり、並べ方としては2通りにしているものを、選び方としては、1通りに数え直します。よって、全体を2で割ったものが、選び方の場合の数になります。書き出してみますと、A-B、A-C、A-D、B-C、B-D、C-Dとなるので、答えは6通りです。ここで、書き出したものを見てみますと、すべて、A→B→C→Dの方向になっています。B-AやD-Cという逆方向にもどることはありません。選び方の問題では、このルール(Uターン禁止)が重要です。
「必修例題2」でも、このルールに従って、数の小さい方から大きい方へ考えます。また、それぞれの数字が何個まで使えるかを確認しながら進めます。1-1-1、1-1-2、1-1-3、1-2-2、1-2-3、2-2-3の6通りです。
「必修例題3」は、選び方の問題であるとともに、三角形の辺の長さの性質を学ぶ問題です。三角形の3つの辺の長さには、[最大の辺の長さは、残りの2辺の長さの和よりも短い]という性質があります。ぜひ、覚えておいてください。 最長の6cmを必ず使うことにして、6<5+4、6<5+3、6<5+2、6<4+3の4通り。次に長い5cmを最長の辺として、5<4+3、5<4+2、の2通り。次は4cmを最長の辺として、4<3+2の1通り。以上、4+2+1=7より、7通りできます。ここでは、最長の長さ、および残りの2つ辺の長さの選び方は、長い辺から短い辺へと順に考えています。逆の長さへ進むことは考えていません。Uターン禁止のルールです。
【攻略ポイント2】
「必修例題4」は、A+B+C=15 となるA、B、Cにあてはまる数を、1から9までの中から選ぶ問題です。3つの数の和の問題ですが、1つの数Aを決めて、残りのBとCの和の組み合わせ(B+C)を考えていきます。 まず、A=1とします。B+C=14となる組み合わせは、(5+9)、(6+8) の2通りです。同様に、A=2とすると、B+C=13ですから、(4+9)、(5+8)、(6+7) の3通りです。A=3とすると、B+C=12ですが、3+9は3が入っていて使えません。そのほかに (4+8)、(5+7) の2通りです。A=4とすると、B+C=11ですから、(5+6) の1通りです。以上、2+3+2+1=8 より、8通りです。なお、ここでも、Uターン禁止のルールに従っています。
場合の数の問題は、奥の深い問題が多く、また並べ方と組み合わせて考える問題が中学入試でも頻出されますので、基本をしっかり身につけるようにしましょう。
われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。