鉄人の一通入魂

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2016.2.29配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
入試で狙われそうな今月の理科トピックス

今月は、記事の数が多かった宇宙のお話の特集です。
“アインシュタインの最後の宿題”と“H2Aロケット30号機で6世代目のX線天文衛星「ひとみ」を打ち上げ”それに“太陽系第9番目の惑星発見か?”について取り上げます。

< アインシュタインの最後の宿題>

今月11日、米国重力波観測所LIGOのリーダーであるデビッド・ライツ氏は、重力波の観測に成功したと発表しました。この発見は100年にアインシュタインによって存在が予言されていた重力波が確認されたものです。これはノーベル賞級の快挙です。

『重力波ってなに?』

皆さんはセルロイドの下敷きを髪の毛でこすると髪の毛や軽い紙やほこりが下敷きに引き寄せられてくっつく遊びをしたこと有りますよね。これは電気(静電気)の力ですが、砂場で遊んだ磁石が砂鉄や他の磁石とくっつくのは磁気の力(磁力)です。他に物体が引き寄せあう力には重力があります。 リンゴが地面に落ちるのを見てアイザック・ニュートンが発見したと言われる万有引力の法則がありますが、これは物体同士の引き合う力(引力)は重力(重さ)に比例していることを言っています。
引力は物体同士が引き合う力なのですが非常に弱いので地球のように重い星の表面に居ないと感じることはできませんが、地球の回りを回っている月が離れて行かないのは、地球と月のように重い星同士が持っている重力によって生じる引力によって引き合っているからです。 私達人間同士のように軽くても、重さ(重力)はわずかでもありますから、他の星などの重力の影響が十分少ない離れた空間に浮いていれば、お互いの重力で引き合って近づくことができます。時間はすごく掛かりますけどね。
この重力による力は太陽と惑星、銀河の中の星の動き、銀河と銀河の動きにも広く及んでいます。通常は凪(な)いだ水面のように変化が無いのですが、太陽の数十倍の重さのブラックホール同士が衝突した様な場合、巨大な重力が空間内を激しく変動するので時間と空間が歪められてしまいます。その影響は水面に石を投げた時の波紋のように宇宙へ光の速度で広がっていきます。それが重力波です。
重力波は物体が重いほど、早く動くほど大きくなります。

『アインシュタインの予言』

超天才物理学者アルバート・アインシュタインが約100年前に提唱した一般相対性理論では、数々の不思議なことが数式の理論から予言されていました。その中の代表的なものをあげてみましょう。

  • (1) 重力で光が曲がる
  • (2) 膨張宇宙(ビッグバン)
  • (3) ブラックホール(大きな質量で空間が閉じ、光さえ脱出できない重力のみしか現れない星)
  • (4) 重力レンズ(遠い星の光が手前の銀河団などの強い重力で曲げられるレンズのような効果)
  • (5) 時間の遅れ(強い重力の中では時間がゆっくり流れる)
  • (6) 重量波(重力のゆらぎが光速で伝播する現象)

これらの予言が次々と観測で証明され、最後まで残ったのが重力波の証明だったので、最後の宿題と言われてきました。

『 なぜ重力波の発見が困難なのでしょうか?』

重力波による空間の伸び縮みは3~4kmの長さに対し1兆分の1の更に1万分の1mm(1京分の1)が変化するのを観測しようと科学者は頑張ってきたのです。 つまり陽子の大きさの1万分の1の長さが変化する程度といえば、その変化の小ささがお判りになるでしょうか。そのため、観測技術が追いつかなかったのです。

どうやって測るのでしょうか?

L型の同じ長さのトンネルに真空にしたパイプの両端に鏡を向かい合わせ、そこに光を何度も反射させ時間を図ります。重力波が来ると空間が歪み、トンネルの片方が伸び片方が縮みます。光の速さは約秒速30万kmと一定なので、到達時間に差が生じます。時間差が起ったら重力波が観測できたことになります。 日本では1999年東京都三鷹市の国立天文台構内にTAMA300という観測装置を建設しましたが、近くの調布のサッカー場で観戦者の飛び跳ねる振動が観測に影響したそうです。観測装置はそんなに敏感にできているのですね。
その様な経験から現在は岐阜県飛騨市山中にパイプ長3kmの観測装置「かぐら」を建設中で、来年度から本格運用に入る予定です。

『これからの天文学』

今までの天体の観測は、光、電波、赤外線、X線で行ってきましたが、重力波による観測が行われるようになると従来の望遠鏡では見えなかったブラックホールの直接観測、宇宙誕生時の急膨張(インフレーション)の観測ができるようになると期待されています。 イタリアにも観測装置VIRGOがあり、日米欧の観測体制が整うと、方角や距離が正確に分かるようになるでしょう。

< H2Aロケット30号機6世代目のX線天文衛星「ひとみ」を打ち上げ >

今月12日、日本が得意とするX線天文衛星が打ち上げられました。この衛星によって、遥か遠方の銀河の集団や巨大ブラックホールを観測することで、宇宙の成り立ちを解明する手掛かりが見付けられることが期待されています。
 H2Aロケットによる衛星打ち上げは30回中29回成功し、日本のロケットの信頼性は高く評価されています。

『なぜ、X線なのでしょうか?』

普通、レントゲンでしか馴染みのないX線ですが、宇宙では極めて温度の高い数百万度から数億度の天体から放出されています。それは巨大ブラックホールや寿命を迎えた星が爆発する「超新星爆発」が発生場所なので、宇宙の中でも特に活動が激しい天体現象を調べるのに有効な手段なのです。
初代1979年打ち上げの「はくちょう」の重量は 96kg、2代目1983年の「てんま」は 216kg、3代目1987年「ぎんが」は420kg、4代目1993年「あすか」は420kg、5代目2005年「すざく」は1700kg、今回の6代目「ひとみ」は2700kgで高さは14mと格段に大きくなりました。この衛星によってブラックホールに吸い込まれるガスの量など、今まで観測できなかった天文現象を調べられると期待されています。

< 太陽系第9番目の惑星発見か? >

冥王星プルートが2006年に準惑星となり、太陽系は8惑星となってディズニーファンだけでなく寂しく思われた方も多かったのではないでしょうか。そんな方に朗報です。また9惑星体制になるかも知れませんよ。
 米カリフォルニア工科大学のチームが先月20日、太陽系外縁部を周回する6つの小天体の軌道がいずれも同じ方向に偏った楕円軌道を回っていることから、計算上その反対側を1~2万年の周期の楕円軌道を周回する地球の10倍の質量の惑星があるのではないかと、その可能性を発表しました。
 この天体は平均すると太陽と海王星間の20倍の距離になると見られています。 観測技術の向上で太陽系外縁部の様子が判ってきた成果なのですが、それでも発見には、ハワイ島にある日本のすばる望遠鏡など最高性能の望遠鏡を使っても、まだ5年はかかるそうです。

われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。

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