2015.11.19配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
予想問題付き!サピックス5年生 12月21日(月)マンスリーテスト算数攻略ポイント
5年生12月のマンスリーテスト対策をお伝えします。今回も攻略ポイントだけでなく予想問題付きです。マンスリー過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。解説も準備しますので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違えをしないように注意してください。
問題は12/11(金)のお昼ごろ 鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたらフェイスブック、ツイッターでお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターをフォローしておいてください。予想問題は12/17(木)の17時ごろまで約7日間だけの公開となります。その後は公開致しませんので入手忘れがないようにツイッターかフェイスブックのフォローをお勧め致します。 ※今回の予想問題はベータ版ですので無料です。
今回の範囲は、「還元算」「仕事算・倍数算・相当算の復習」「平面図形(1)(2)(3)」となることが予想されます。「還元算」については、前回メルマガで説明しましたので、その内容を改めて紹介するようにします。
「仕事算・倍数算・相当算の復習」については、前回のマンスリーの見直しをして、特にあと少しで正解できたのに間違えてしまった問題などは、その原因をしっかりと確認するようにしてください。
単元別の説明の前に、今回の範囲の大半を占める平面図形で注意すべきことについて先に触れます。
【攻略ポイント1 図をかき直すことの重要性】
平面図形の問題で見直しをする際に、間違えた問題や正解はしたけれど理解が曖昧な問題については、「図を自分でかき直す」という手法をぜひ取り入れてください。問題で出された図を自分でかき直して、そのうえで解説を見てポイントを確認する、という流れです。かき直すという作業がはたして有益なのか、時間の無駄ではないか、と思われるかもしれませんが、5年生の今だからこそ大きなメリットがあるのです。
今回の平面図形では「相似」が大きなテーマのひとつになります。後でも説明しますが、相似ではどの部分が対応し合っているのかが大きなポイントになります。自分で図をかき直す過程で、その図をより細かに見ることになりますので、どことどこが対応しているのかに気づくことができる可能性が大きくなるのです。
また、今の段階での図は、6年生の問題に比べて非常にシンプルなケースが多く、かき直しもしやすいです。この段階でしっかり図をかく練習をしていれば、6年生になって、例えば立体図形の切断といった難しい問題にあたった際にも、苦がなく図がかけるようになることにつながるのです。
実際の入試問題でも、例えば早稲田中の算数では、自分で図がかけなければ解けないような問題が出されます。しかも「コンパス・定規は持ち込み不可」です。そうした問題にあたって焦らないように、フリーハンドで図をかける練習を早めにしておくようにしましょう。
それでは各論へと入っていきます。
【攻略ポイント1 平面図形・縮尺】
「縮尺1/25000の地図上で24cmの距離は、実際には何kmですか」といった問題です。このタイプの問題では数が大きくなりますので、分数式をうまく活用しましょう。上記の問題では、24cmを25000倍して、単位をkmにするために100(cm→m)、さらに1000(m→km)で割ることになります。24×25000÷100÷1000という式になるのですが、式のままで解くよりも、分子に24×25000、分母に100×1000をおくと、0(ゼロ)を一気に消すことができます。結果、24×25を100で割るという式だけにできるのです。ここで4×25=100となるため、24×25÷100=6×(4×25)÷100から、答えが6kmと導き出せます。分数式にすること、さらに計算の工夫をして、できるだけ0(ゼロ)を消すことに気をつけましょう。
また面積での縮尺問題では、縮尺を2度かけ合わせることに注意するのはもちろんですが、面積の単位にも気をつけてください。a(アール)やha(ヘクタール)が何平方センチメートルになるのかがテストの際にすぐに出せるように、改めて確認しておきましょう。
【攻略ポイント2 平面図形・相似】
今回マンスリーの大きなテーマです。まだシンプルな問題が多い段階ですので、この機会にしっかり基本を固めておきましょう。6年生になると図形以外の単元でも、この相似の考え方が様々なところ(速さとグラフなど)で活用されます。
三角形を底辺に平行な直線で分割するようなかたちや、大きさの異なる相似な三角形を、逆さの状態にして頂点でつなげる砂時計のようなかたちがまず初めに扱われます。相似の解き方の基本である「対応する辺を見つける作業」を、このかたちで練習しましょう。辺の長さが与えられている方の三角形から辺の長さの比を出して、それをもう一方の辺に書き込むことで解きやすくなります。このシンプルなかたちで相似の基本をまず徹底的に固めてください。
間違いやすいパターンは直角三角形の中に垂線を引いて、相似の直角三角形をつくるような問題です。実際に問題を挙げてみましょう。メルマガでは図がかけませんので、この後の文章をもとに、ぜひ図をかいてみてください。
「三角形ABCは角Aが90度で、辺ABの長さが15cm、辺BCの長さが25cm、辺CAの長さが20cmの直角三角形です。点Aから向かい合う辺BCに垂直な線を引き、辺BCとの交点を点Dとします。このときCDの長さは何cmになるでしょうか。」
図はかけましたでしょうか。まずCDの長さを求めるにはCDを含む三角形DACを使うことが大前提となります。あとは三角形DACの辺の長さの比がわかれば一気に解決です。この問題のように、三角形の中に、向きが異なる相似な三角形が含まれるような場合、対応する辺を間違えてしまうことがよくあります。視点の切り替えが難しいこともあるのでしょう。そんなときには、角度を活用すると効果的です。
今回の問題であれば、まず角ABCを○、角ACBを●とします。すると各BADは90−○より●となります。ここで隣り合う角CADは90−●より○となり、これで三角形DACを構成する角度がすべてわかります。それを三角形ABCと比べてみましょう。角度の位置関係を使うと、三角形ABCと三角形DACにおいてAB:BC:CA=DA:AC:CD=3:5:4とわかります。そこからCDの長さを20×4/5=16(cm)と導くことができます。ぜひ角度を活用する方法を覚えておいてください。
【攻略ポイント3 平面図形・相似を使った面積比】
まず、相似の関係にある図形において、相似比(対応する辺の長さの比)がa:bであれば、面積比はa×a:b×bとなることは必須ですので、忘れないようにしてください。ここでも例題を挙げますので、実際に図をかいてみてください。
「三角形ABCに、辺BCと平行な直線DEとFGを、AD:DF:FB=3:2:4となるようにひきます。このとき、三角形ADEと台形FBCGの面積の比を最も簡単な整数の比で答えなさい。」
三角形の内部に2本の直線が引かれた、ピラミッドのような図がかけましたでしょうか。ポイントがいくつかあります。まずAD:DF:FB=3:2:4だからといって、三角形ADEの面積:台形DEGFの面積:台形FBCGの面積=3×3:2×2:4×4と早とちりしないことです。相似比をかけ合せて面積比になるのは相似の関係にある図形に限られます。
次に、三角形ADEの面積:三角形AFGの面積:三角形ABCの面積=(3×3):(5×5):(9×9)と、3+2=5と3+2+4=9といった比の和を用いることができるかどうか、ということにも注意してください。
そして最後に、面積を出すのは公式だけではなく、大きさのわかっている図形どうしをひき算するという方法も使えるということです。今回の問題であれば台形FBCGの面積、と見た瞬間に、(上底+下底)×高さ÷2、といった面積の公式にあてはめようとしないこと、という意味です。上底も下底も比はわかりますが長さまでは分かっていません。
台形FBCGの面積は三角形ABC−三角形AFGより、(9×9)−(5×5)=56とすることができます。よって三角形ADEの面積:台形FBCGの面積=(3×3):56=9:56と出すことができるのです。
面積をひき算から求める、という考え方はこれからも頻出になりますので、しっかり覚えておいてください。
【攻略ポイント4 平面図形・相似の利用(影の問題)】
相似の応用問題の代表格のひとつが、この影の問題です。影を表す図が与えられて、「同じ時刻に地面に垂直に立てた長さ1.2mの棒の影の長さは1.8mでした」という情報をもとに答えを出すパターンです。こうした問題では、まず与えられた情報を簡単な図にして問題用紙の空欄にかいてしまいましょう。今回であれば、直角をはさむ2辺の長さが1.2と1.8の直角三角形になります。この図をかいておくだけで、問題が数段解きやすくなります。図形のサンプルが目の前にあった方が、相似の関係にある図形が見つけやすくなるのです。
このタイプの問題では、シンプルな影のかたちが出されることはまずないでしょう。多くは地面が段になっているようなパターンです。そうした際には、その図に補助線を入れて、相似のかたちを自分で作り出す必要があるのですが、あくまでも切り取った長さがわかるように補助線をひいてください。長さがわからない図形ができあがっても相似を利用できません。長さがわかっていれば少しずつでも相似を使って長さを求めて、答えに行きつくことができるのです。少し時間をかけても構いませんので、どのように補助線をひくべきか、しっかり見極めてください。
【攻略ポイント5 平面図形・相似以外の面積比】
ここでは相似を利用するのではなく「底辺などの辺の比」を利用して面積比を求める問題について説明します。例えば次のような問題です。やはり文章から図をかいてみてください。
「三角形ABCの辺BC上にBD=9cm、CD=12cmとなるような点Dをとります。点Aと点Dを線で結び、AD上にAE=10cm、DE=5cmとなるような点Eをとり、点Bと点Eを線で結びます。このとき、三角形BDEの面積は三角形ABCの面積の何倍ですか」
大きな三角形の中に線を引いて、そこからでき上がる小さな三角形との大小関係を求める問題です。このタイプの問題では「小さい三角形が大きい三角形の何倍か」を聞かれているため、答えは分数(または小数)になります。そのためもあってか、多くの解説で「大きな三角形の面積を1とする」という方法がとられます。もちろんその方法でも構わないのですが、このメルマガで何度も触れていますように、分数計算によって間違いが増えることを何とか避けたいところです。
そこで、すべての面積を整数で表し、分数は最後に使うだけという方法を紹介します。
まず、与えられた長さから、各辺がどのように比例配分されているかを求めます。辺BCにおいて、BD:CD=9:12=3:4、ADにおいてAE:DE=10:5=2:1となります。この3:4、2:1はすぐに図にかき込んでしまいましょう。
ここからがポイントです。三角形BDEの面積を、BDの比の値が3、DEの比の値が1であることから、その積の3×1=3とおきます。この3という数値はあくまで便宜的においていることに注意してください。間違ってもBDを底辺、DEを高さにした公式から算出したものだと勘違いしないようにしてください。
三角形BDEを3とすると、AE:DE=2:1より、三角形ABEの面積は3×2=6となります。求めた数値はその都度、図にかき込んでください。次にBD:CD=3:4より三角形ACDの面積は(6+3)÷3×4=12と導き出せます。これで三角形すべての面積を数値化できたことになります。
三角形ABCの面積は3+6+12=21となりますので、求める値は3÷21=1/7(倍)になります。最後は分数になりますが、それまでのプロセスはすべて整数で進められますし、最後の分数計算もとても楽なかたちになります。
このように、全体を1として小さな三角形へと分数計算を繰り返すのではなく、小さな三角形に便宜的な数値をあてて、そこから拡大していくという方法も、計算間違いを極力減らすためにもとても有効になります。ぜひ試してみてください。
【攻略ポイント6 3.14の扱いに気をつける】
円やおうぎ形に関する問題で出てくる円周率3.14ですが、この数値の扱い方次第で問題の解きやすさに格段の違いが生まれることがあります。
式の中に3.14が何回か出てくるときには、その都度計算するのではなく、( )にまとめて一気に3.14計算をする、という方法は塾などでもよく言われていると思います。その点をまずしっかり確認しておきましょう。
例えば次のような式があるとします。
6×6×3.14×1/4+12×12×3.14×1/4+18×18×3.14×1/4+24×24×3.14×1/4
3.14×1/4が共通していますので、
(6×6+12×12+18×18+24×24)×3.14×1/4とするところまでは、すぐに対応できるでしょう。それでも、( )の中の計算がかなりややこしくなってしまいます。そこで、1/4をこの( )の中にかけていくという方法があります。6×6×1/4=9、12×12×1/4=3×12、18×18×1/4=(2×9)×(2×9)×1/4=9×9、24×24×1/4=6×24、とすべてを簡単にできる効果があります。
3.14以外を( )の中にまとめるだけではなく、そこからさらに工夫ができないか、考えてみましょう。計算間違いを大きく減らすことができるかもしれません。
3.14の計算工夫は上記のようなかたちだけではありません。具体的な問題を挙げてみましょう。少し図がややこしいので、図をかく手順を説明していきます。
- 中心角が90度、半径の長さが12cmのおうぎ形を、半径が縦と上部にくるように(弧がカタカナのノになるように)かきます。
- 次におうぎ形の縦部分の半径を高さとするような台形をかきます。上底が上部の半径の一部となるようにします。
- 台形の下底を15cmとして、かいてみてください。上部にある半径よりも少し長くなるようにかけばよいです。
- おうぎ形と台形が重なっている部分には何も記入せず、おうぎ形の重なり以外の部分を(ア)、台形の重なり以外の部分を(イ)とします。(ア)(イ)の部分に異なるかたちで斜線などをかき入れれば、より見やすくなるでしょう。
これで図は完成で、問題は次の通りとなります。
「(ア)と(イ)の部分の面積が等しいとき、台形の上底部分の長さは何cmになるでしょう」
(ア)=(イ)ということは、(ア)+(重なり部分)=(イ)+(重なり部分)となることから、結局、「おうぎ形の面積と台形の面積が等しい」ということと同じになります。ここまでは基本ですので、しっかり自力でたどり着けるようにしてください。
このタイプの問題は式のたて方は難しくありませんが、そこからの進め方でスピードと正確さに大きな差が生まれます。
求める台形の上底部分の長さを□cmとすると、おうぎ形の面積と台形の面積が等しいので、以下のような式が成り立ちます。
12×12×3.14×1/4=(□+15)×12×1/2
ここで、左辺の3.14を含む計算をすぐに仕上げてしまわないことがポイントです。12×12×1/4=36から36×3.14と、計算が少しでも楽になったのでそのまま仕上げてしまいたくなるのですが、ここは我慢が必要です。求める□は右辺にうもれていますから、計算はまだまだ続きます。小数を含んだ大きい数をそれからの計算に持ち込むのは、かなり大変なことになります。
ではどうすればよいでしょうか。36×3.14はそのままにしておいて、右辺の計算を少しでも簡単にしましょう。12×1/2を先に計算して、(□+15)×6と整理します。これで、36×3.14=(□+15)×6というだいぶすっきりした式になりました。ここから両辺を6で割って、6×3.14=□+15となり、ここで初めて3.14計算をすればよいことになります。どんなに3.14計算が得意なお子さんでも×36よりも×6の方が楽なはずです。
3.14の整数倍(4×3.14や6×3.14)は、多くの塾で覚えさせられます。もちろんその値はしっかり覚えておいたうえで、それをより有効に活用できるように、さらなる計算の工夫を考えるようにしましょう。
【攻略ポイント6 平面図形・図形が動いた後の面積】
ある図形の内側や外側を辺にそって別の図形が動くタイプの問題です。内側を動く場合と外側を動く場合で対応の仕方も変わってきます。
まず内側を図形が動く場合、例えば長方形の内側を辺にそって小さい円が1周する、といったタイプの問題です。どのように図形が動いたかを、与えられた図にかき込んで確認するまでは必須なのですが、そこから「円が通らない部分の面積を出す」という方法と「円が通った部分の面積を出す」という方法があって、前者で解説されるケースが多いと思われます。もちろんその方法も覚えておくべきなのですが、ひとつやっかいなのが「隅の部分」です。円と直角の間にできるこの図形は、「正方形の面積−円の面積」で出すことができるのですが、円の面積が小数になることがほとんどですから、少し計算がややこしくなります。
そこで、円が通った部分の面積を出す方のやり方で、ややこしいひき算がない解法を説明します。図形をより細かくわけることで、計算がずっと楽になる方法です。
円が通った後の図形のうち、円の直径を1辺とする長方形が4つできることをまずおさえます。1辺が円の直径で、もう1辺が長方形の辺から直径2つ分をひいた長さの長方形です。この4つの長方形を除くと、残るは長方形の内側の隅にできる図形になります。どれも合同の図形で、正方形から、先ほど説明した「隅の部分」を除いたかたちになります。この図形に、正方形の向かい合う辺の中点どうしを結んだ2本の直線(プラスのかたち)をかき入れます。この2本の直線で、図形は「小さな正方形3つと中心角が90度のおうぎ形」に分けられることを確認してください。小さい正方形の面積は簡単に出ますので、あとはその数が全部で3×4=12(個)あることに注意です。おうぎ形はいずれも中心角が90度ですので、4つすべてを合わせると1つの円になります。つまり求める図形は「長方形4個、小さい正方形12個、円が1個」と整理できます。これでひき算をすることなく、また3.14計算も最小限におさえられるかたちで面積を求めることができるのです。
外側を図形が動く場合は、内側のときの「隅の部分」ような扱いづらい図形は出てきません。そのかわり図形がどのように動いたかを正確に把握する必要があります。多くは四角形や半円の外側を小さな円が1周するタイプです。はじめのうちは多少時間がかかっても外側を周る円の動きをていねいにかき込みましょう。四角形の頂点や、半円の直径の端の部分を周るように移動するところは、移動を始めたところの円と、移動し終えたところの円をしっかりかくようにしてください。それをかいておけば、角度の関係もとてもわかりやすくなります。
最後に「還元算」について、先月のメルマガで説明した内容を改めて紹介します。
【攻略ポイント7 還元算】
還元算というと、特に計算問題での32×□÷4=256の□を求める、というかたちが浮かんできますが、ここでは、「やりとり」を扱う文章題について解説します。与えられている数値から、さかのぼって未知の数値を求めるという意味では計算問題と同じですが、よりややこしいかたちになっているので注意が必要です。
例えば、「A君、Bさん、C君がそれぞれいくらかお金を持っています。まず、A君が自分の所持金から、Bさん、C君にそれぞれの所持金と同じ金額を渡します。次にBさんが自分の所持金からA君、Cさんにそれぞれの所持金と同じ金額を渡します。最後に、C君が自分の所持金からA君、Bさんにそれぞれの所持金と同じ金額を渡します。すると、A君、Bさん、C君の3人はそれぞれ2400円ずつ持つことになります。はじめのA君の所持金は何円でしたか」という問題があるとします。
一見して文章量が多く、お子さんからすると戸惑ってしまうかもしれませんが、やりとりを説明しているから文章が長くなっているだけで、しっかり内容が整理できれば、恐れることはありません。
ここでも図をかくことが重要になりますが、難しい図をかく必要はありません。3回のやりとりの中でA君、Bさん、C君がそれぞれ何円を持っているかがわかるような図であればよいのです。図というよりもむしろ表に近いものです。
まず、縦でも横でも構いませんので、A、B、Cとかき並べます。これが3人のはじめの所持金を表します。そこから少し間隔をあけて、A、B、Cそれぞれの横(あるいは下)に□をかきます。ここには1回目のやりとりの後の金額をかき込むことになります。同じように間隔をあけて、また□をかき並べます。これが2回目のやりとりの後の金額をかき込む欄です。最後に間隔をあけて2400円をかき並べます。最後の3人の所持金を表します。
ここから話をさかのぼって、□に金額をかき込んで行きます。2400円から順にやりとりをさかのぼれば、はじめの3人の所持金がわかるのです。
この問題では「それぞれの所持金と同じ金額」というところが少し難しく感じますが、例えばA君がその時の所持金と同じ金額を受け取った場合、A君の所持金は2倍になります。そのように数値化できれば、決して解きづらくはなくなります。
□をかくのに少し間隔をあけたのは、そこにお金の移動する向きを表す矢印や金額をかき込めるようにするためです。
最後に2400円持っていたということは、最後のやりとりでA君、Bさんの所持金は2倍になったのですから、2回目のやりとりの後(最終のやりとりの前の段階)で、A君は1200円、Bさんも1200円持っていたことになります。2人に1200円ずつ渡した結果C君は2400円になったので、C君は2回目のやりとりの後で4800円持っていたことになります。空欄にそれぞれの数値をかき入れましょう。
同じようにさかのぼって、2回目のやりとりは、BさんからA君、C君へとお金が移動して、A君、C君の所持金が2倍になりましたので、1回目のやりとりの後に、A君は600円、Bさんは4200円、C君は2400円持っていることになります。そして最後に同じようにさかのぼって、はじめの所持金がA君3900円、Bさん2100円、C君1200円と求められます。
このタイプの問題で気をつけるのは、図の空欄に正確に数値を記入すること、そして、全体の量(この問題では3人の所持金の合計)が一定である点に留意することです。全体の量が一定なので、空欄にかき入れた数値の和が一定になっているかどうか、で数値が正しいかどうかの確かめができます。
問題によっては、「自分の所持金の1/5を渡す」といった分数のパターンもありますが、解き方は同じです。図のかき方にしっかり慣れれば、得点できるチャンスが大きく広がる問題ですので、頑張って取り組みましょう。
われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。