2015.9.19配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
予想問題付き!10月9日(金)SAPIX5年生算数マンスリーテスト攻略ポイント
今回はいつもよりさらにパワーアップして、攻略ポイントだけでなくマンスリーの予想問題付きです。マンスリー過去問を分析し最も出題される可能性が高い問題を揃えてあります。しかも、2パターン用意し、マンスリーテスト前の総仕上げを念入りにできるようにしてあります。解説も準備しましたので、間違えた箇所はとくに読み込んで本番で同じ間違えをしないように注意してください。
問題はすでに出来上がっているのですが、総仕上げに使って頂きたいので、9/30(水)のお昼ごろ
鉄人会のHPにアップ致します。アップが完了しましたらフェイスブック、ツイッターでお知らせ致しますので、ぜひ鉄人会のフェイスブック、ツイッターをフォローしておいてください。予想問題は10/6(火)の17時ごろまで約7日間だけの公開となります。その後は公開致しませんので入手忘れがないようにツイッターかフェイスブックのフォローをお勧め致します。
※今回の予想問題はベータ版ですので無料です。
今回は、5年生10月のマンスリーテスト対策をお伝えします。連休中にぜひこのメルマガをご覧頂いて、時間をじっくりかけて、いま覚えるべき解法を習得してください。
今回の範囲にあたる「和と差に関する問題」「旅人算」「流水算」「時計算」「通過算」について順に説明をしていきますが、どの単元にも共通する重要事項について、まず触れることにします。
【攻略ポイント1 図のかき方を徹底演習する】
和と差に関する問題、速さの問題のいずれにも共通するのが、「図の活用が大きなポイントになる」ということです。これまでも何度か触れてきましたが、大人が思う以上に小学生の受験生にとって、図による視覚的なイメージの効果は大きいものです。式で覚えようとして曖昧になってしまいそうな内容でも、図を活用することでより理解が確実になります。何より図の使い方をマスターできるかどうかで、6年生になってからの問題対応力に大きな差が生まれます。この連休中にぜひ図のかき方を徹底演習してください。
具体的な図のかき方は、この後の各論でお伝えしていきます。
【攻略ポイント2 和と差に関する問題・過不足算】
過不足算とは、例えば「子どもたちにバナナを1人5本ずつ配ると10本余り、1人に8本ずつ配るには3本足りなくなります。このとき、バナナは全部で何本ありますか。」といったタイプの問題です。上記のような問題であれば、基本的な考え方で対応できるのですが、難しいのが「長いす型」の問題です。例えば「1脚に5人ずつ座ると32人が座れなくなり、8人ずつ座ると、3人座る長いすが1脚と誰も座らない長いすが1脚できる」といった問題です。この長いすのパターンになると、「余る」「座らない」という言葉の意味が急にわからなくなってしまうことが多いのです。そんな時に、図をかくことで状況が的確にイメージすることができます。
図のかき方ですが、まずお子さんには綿密な図ではなく、ラフでもよいので見やすくかくことを伝えてください。長いすも、いすのかたちを詳しくかく必要も時間もありません。簡単な長方形で構いません。長方形を並べて、横に5人とかきます。その下に同じく長方形を並べて8人とかきます。いすの数がわかりませんので、途中に「…」をはさんで、8人ずつの方の最後の2脚について、3人と0人とかきます。これで、長いすの数は同じにして座る人数を変えることで、何人の差が生まれたのかが視覚的にわかるようになり、式を立てられるようになります。式や言葉ではなかなかイメージができない問題が、図をかくことで一気に状況が把握できるようになる例のひとつです。
【攻略ポイント3 和と差に関する問題・個数を逆に買う】
「1個120円のりんごと、1個80円のみかんを合わせて22個買うつもりが、りんごとみかんの個数を逆にして買ってしまったので、予定していた金額よりも240円高くなってしまいました。はじめに予定していた金額は何円ですか」というタイプの問題です。大人の感覚であれば、逆にした結果高くなったので、予定では安いみかんの方を多く買うつもりであったことがすぐにわかりますが、小学生にとっては、その点がなかなかイメージしづらいのです。そこで図を活用します。ここでは面積図を応用したパターンで説明します。
まず縦の長さが120(円)、横の長さがA(個)の長方形と、縦が80(円)、横の長さがB(個)の長方形を並べます(面積図のように)。横の長さは合計して22(個)になります。この図形全体の面積が、はじめに予定していた金額になります。次に、縦の長さが80(円)、横の長さがA(個)の長方形と、縦の長さが120(円)、横の長さがB(個)の長方形を横に並べます。この図形全体の面積が、個数を逆にした場合の金額になります。
そこで後にできた図形をはじめの図形の上にくっつけます。すると縦の長さが120+80=200(円)、横の長さがA+B=22(個)の大きな長方形ができあがります。ここから和差算の考え方を使って、はじめの図形の面積を出します。合計が200×22=4400(円)で差が240(円)、はじめの面積の方が小さいので、(4400−240)÷2=2080(円)として答えを出すことができるのです。問題がはじめに予定していた個数を問うものであれば、そこからつるかめ算を使って解くことができます。一見難しそうですが、慣れると非常に効用の高い方法です。ぜひ一度試してみてください。
【攻略ポイント4 和と差に関する問題・その他】
この単元でその他に気をつけるポイントは以下の通りです。
[消去算]
2つのうちの1つに合わせるというパターンをしっかり覚えましょう。
[プラスとマイナスのつるかめ算]
「卵を無事に運ぶと4円もらえ、割ってしまうと4円はもらえずに20円を弁償する」というタイプの問題では、1個割ってしまうごとに「4円がもらえないだけでなく20円も払うので合計24円の損になる」となることに注意しましょう。数学的に「−(マイナス)」の考え方を使ってしまうと、小学生にはかえってわかりづらくなります。
【攻略ポイント5 旅人算】
今回のテストに限らず、今後の速さの応用問題を解くときにも、ここで習得した解き方が大きなポイントになる重要な単元です。しっかり演習を重ねてください。
ここでは3つのポイントを説明します。
[予定の時間よりも早く着く、遅く着く]
「分速60mで歩くと予定の時間に8分遅れて到着し、分速105mで歩くと予定の時間の4分前に到着する」というタイプの問題です。過不足算での「余る」「足りない」と同じく、この「遅れる」「〜分前に到着する」からどのように「差」を見つけるかを難しく感じる受験生が多いのです。そこで図を活用するのですが、その前に言葉の使い方を変えてみましょう。図は距離の観点でかきますので、「遅れる」「〜分前」という時間の言葉を距離に置き換えます。つまり、「遅れる」=「目的地にまだ着いていない」、「〜分前に到着する」=「目的地より遠くまで進む」と置き換えます。これで2つのケースそれぞれを、進む距離を表す線分図にすることができます。分速60mで予定していた時間を進むと目的地の60×8=480(m)手前に、分速105mの場合は目的地よりも105×4=420(m)先まで進むことになります。この480+420=900(m)の差を、速さの差(105−60)で割ることで予定していた時間を出すことができるのです。視覚的効果に持ち込む前に、必要に応じて言葉を置き換えて、お子さんに説明してあげてください。
[2人が向かい合って進み、往復して2回目に出会う]
今回の旅人算の中でも特に多くの受験生が苦手としているタイプの問題です。図のかき方が難しいため、より混乱してしまうのです。このタイプの問題で図が活用できるようになると、6年生になってからとても有利になります。頑張りましょう。
「AさんはP地点から分速64m、BさんはQ地点から分速96mで、向かい合って同時に出発し、2人とも休むことなくP地点とQ地点を往復します。2人は出発してから15分後にはじめて出会い、さらに歩いてR地点で2回目に出会いました。Q地点とR地点の距離は何mですか」という問題で考えてみます。
ここでのポイントは「2人が2回目に出会うまでに、2人合計してP地点とQ地点の間の距離の3倍を歩いた」ことがわかるかどうかです。このポイントを理解するために、図が不可欠になります。
まずAさんとBさんのはじめの位置を「ずらす」ことが必要です。向かい合って進むからといって同じ直線上に2人を置いてしまうと、往復した時点で図がグシャグシャになってしまいます。上下にずらして2人をスタートさせれば、とても見やすい図になるのです。2人が1回目(15分後)に出会う地点については、同一直線上でぶつかるようにはかけませんので、上下にずらしたまま、出会う地点に同じ印をつけてわかるようにします。そこから2人がさらに進み、往復して向かい合ってからは1本の直線にします。こうすることで、2人が2回目に出会うまでの図は、アルファベットの「S」のような線になります。この図を見れば2人が動いた距離の合計が、P地点とQ地点の間の距離の3倍になることがわかるでしょう。このプロセスはどんなに時間がかかっても構いません。ゆっくりお子さんの理解を確かめてください。ここで急ぐことは禁物です。
P地点とQ地点の間の距離は、(64+96)×15=2400(m)、2回目に出会うまでにA君が進む距離は64×15×3=2880(m)となることから、Q地点とR地点の距離は、2880−2400=480(m)となります。
この往復するという問題は、応用問題でも頻出パターンのひとつです。とにかく時間をかけて構いません。折り返しの図のかき方を、しっかりマスターしてください。
[2人と1人が向かい合って進む]
人数が増えることでよりわかりづらくなってしまう問題です。この問題でも上記の折り返しと同じように、3人の進む状況を同じ直線にそろえるのではなく、上下にずらして3本の直線でかくようにしましょう。2人ずつが出会う地点が同じ直線上にならなくなりますが、上記の問題と同じように出会う地点を同じ印で記して、ずらしたままでかくようにします。状況を正確に図にして、与えられた距離などをかきこめば、決して難しい問題ではありません。
【攻略ポイント6 流水算】
上りの速さ=静水時の速さ−流速、下りの速さ=静水時の速さ+流速、という内容を言葉だけで覚えてはいないでしょうか。基本問題であれば、覚えているだけで解くことはできますが、少しでも応用の要素が入ると、たちまち対応できなくなってしまいます。
まずは、速さの関係を一度図にしてみましょう。静水時の速さをかき、そこに流速をかき加えたものが下りの速さ、流速分を引いたものが上りの速さです。当たり前のようでも、まず図にしてみてください。それがこの後説明する、注意すべき問題の解法につながります。
[流速が変化する]
「ある船が川を32km下ったところ、2時間かかりました。同じところを上るのに、流速が1.5倍になったため、4時間かかりました。この船の静水時の速さは時速何kmですか」といったタイプの問題です。下りの速さは時速16km、上りの速さは時速8kmとなります。ここから図を活用します。
まず下りの速さは静水時の速さの流速を足しますが、この流速を丸2とします。上りの速さは静水時の速さから流速を引きますが、この流速を丸3とします。この2つの速さを表す線分を上下に並べます。すると、速さの差(16−8)が流速の丸5にあたりますので、丸1が8÷5=1.6より、下りのときの流速が1.6×2=3.2から、静水時の速さが16−3.2=12.8(km/時)と求められます。
[静水時の速さが変化する]
図をかくにあたっての基本的な考え方は、上記の流速の変化パターンと同じです。静水時の速さが2倍になるのであれば、一方の静水時の速さを丸1、もう一方を丸2として図をかきます。このタイプで気をつけるのは、そこから消去算の考え方を使うことです。
例えば、下りの静水時の速さが上りの静水時の速さの2倍で、上りの速さが時速6km、下りの速さが時速21kmとすると、「丸1−流速=6、丸2+流速=21」より2つの式を足して、丸3=27より丸1=9から流速が時速3kmと求められます。消去算を使う前段階でしっかり図がかけていれば、決して難しい問題ではなくなります。
その他、静水時の速さが異なる2つの船が上りと下りで出会う問題では、「上りの速さ+下りの速さ=2つの船の静水時の速さの和」となることは、しっかり覚えておきましょう。式をかくことで、その理由はすぐに理解できます。
【攻略ポイント7 時計算】
この単元でまず注意することは、「長針が1分間に6度、短針が1分間に0.5度進む」
ということを、すぐに覚えさせないということです。暗記させるのではなく、「長針は60分で360度進むから1分間に6度、短針は60分で30度進むから1分間に0.5度進む」と、単位量あたりの考え方で理解するようにさせてください。
というのも、時計算の応用問題で時計の文字盤が24等分され、長針が1時間で1周、短針が1日で1周するという問題が出されることがあります。このような問題にあたった際に、単位量あたりの考え方ができていれば、長針は1分間に6度、短針は1分間に0.25度とすることができます。それさえできていれば、問題は決して難しくなくなるのです。
また、時計算を苦手とするお子さんの多くが、時計の針の動きをイメージできないことがあります。例えば「7時から8時までの間で、長針と短針のつくる角が2度目に90度になるのは7時何分ですか」といったタイプの問題になると、長針・短針の位置関係がわからなくなってしまうことがあります。その場合には、時計の動きを段階的にかいて示すとよいでしょう。7時ちょうどから始まって、少しずつ針が進む状況を、その都度、時計の図を分けてかき進めます。少し手間がかかりますが、はじめにこうした動きのプロセスを見せることで、お子さんのイメージする力が一気に養成されていきます。
【攻略ポイント8 通過算】
この単元では、動く主体に長さがあることで問題が難しくなってしまう、と感じている受験生が多くいます。その点を克服するためには、動く列車や電車の先頭に人がいる、あるいはランプがある、としてその点(人も点とみなします)の動きで考えることが効果的です。点の動きとして見れば、鉄橋やトンネルを通過する場合でも、動く列車を追い抜く場合でも、動く距離の合計をより簡単に導き出すことができます。
気をつけるのは、通過するものの長さが変化するようなパターンです。「ある電車が、長さ1500mのトンネルを通過するのに50秒かかりました。同じ速さで、長さ2850mのトンネルを通過するのに1分44秒かかりました。この電車の長さは何mですか」といったタイプの問題です。
やはり図をかくことで動きをイメージしたいところですが、ここで注意すべきことがあります。まず親御さんが何も言わずにお子さんにこの問題を解くための図をかかせてみてください。おそらく多くのお子さんがトンネルに電車が入る始点をそろえてかくと思われます。電車がトンネルを通過し終わった時点で電車の先頭の位置が異なる図になります。もちろんその図でも、同じ電車の長さを削除して、トンネルの長さの差が時間の差にあたる、と考えることもできますが、よりわかりやすい図のかき方があります。
それは動きの終点である、電車がトンネルを通過したときの電車の先頭を上下そろえてかく、という方法です。このかき方をすると、トンネルに電車が入る時点の方に差が生まれます。同じ電車の長さを削除するのでも、このかき方の方が、視覚的に差がわかりやすくなります。言葉にするとあまり大きな違いがなく感じられるかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。
今回のマンスリー対策では、図のかき方を強調してきました。連休になりますので、時間をより多く使って、ぜひ各単元の図のかき方を徹底練習してください。その時に、できればまずはお子さんに自分で考えてかかせることから始めてください。間違ったかき方をしても、その間違いがあるからこそ正解をみて気づくことが多くなります。間違えるからこそ理解もより固くなります。親御さんがぜひじっくりと構えて、お子さんが考えたうえでのアドバイスをしてあげる姿勢で臨まれてください。
われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。