鉄人の一通入魂

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2015.6.20配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
入試で狙われそうな最近の時事ニュース(大坂夏の陣から400年)

2015年は、1615年に勃発した「大坂夏の陣」での大阪城の落城からちょうど400年にあたります。さらに来年2016年のNHK大河ドラマが、大坂冬の陣・夏の陣で大活躍した真田幸村を主人公とする『真田丸』(脚本は三谷幸喜)に決定しました。豊臣家から徳川家へと日本を担う主役が変わる戦である一方、長き戦国の時代が終わり、日本に平和の世が訪れるきっかけとなったこの「大坂夏の陣」は来年度入試の注目テーマになることが必至です。

そこでこんな問題が考えられます。

  • 「1600年の関ヶ原の戦いに勝利した徳川家康は、1603年に(  )に任命されて江戸に幕府を開きました。(  )に入る語句を答えなさい」
  • 「大坂の夏の陣で落城した大坂城はその後徳川家によって再建されます。この徳川による大坂城の石垣には、100トンを超えるような巨石が含まれています。この巨石は瀬戸内海から運ばれてきたのですが、大坂までどのようにして運ばれてきたのか、考えてみましょう」

今回は400年前に起きた「大坂夏の陣」を題材として、中学受験の社会・理科の観点から分析を進めたいと思います。

【難攻不落の大坂城】

第1問の答えは「征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)」です。易しい問題ですので、確実に答えられるようにしておきましょう。
 征夷大将軍となって江戸幕府を開き、長期安定政権を目指していた徳川家康にとってかつての主君でもあった豊臣家への対応は大きな懸案事項でした。そこで勃発した大坂冬の陣・夏の陣、この戦によって豊臣家は滅亡し、徳川家による長い江戸幕府体制が続いていきます。先に起こったのが「大坂冬の陣」、ついで「大坂夏の陣」の順番ですので、季節の順番にとらわれて間違えることがないようにしましょう。

大坂冬の陣の後の和議で大坂城の外堀のみを埋めるとの約束が交わされたのですが、家康がそれを破って、内堀まですべて埋めてしまい、そのことが豊臣方の力を多いに失わせて、夏の陣での敗北につながったというのは有名な話ですが、堀が城を守るうえでいかに重要であるかということがとてもよくわかるエピソードです。

そもそも城は軍事拠点として築かれ、敵からの攻撃を防ぐことに大きな役割がありました。かつては地形的に防衛しやすいという理由から山の裾に築かれることが多かった(山城と言われます)のですが、時代を経て城が行政の拠点としての役割も担うようになると、より便のよい小高い丘などに築かれるようになります。その地形でも山城に劣らぬ防衛力を持つためには、少しでも城の塀を高くする必要があります。塀を高く積み上げていくのではなく、塀の前を掘ることで、相対的に塀は高くなります。さらに堀った場所に水を流し込んでおけば、敵はさらに侵入しづらくなります。こうしてつくられた堀は城を守るうえで必須の存在になったのです。

さらに大坂城の場合は、城を徹底的に守る独特の仕掛けが堀に施されていたのです。まず、堀の底は地面がデコボコになっていて、まるで障子の桟(さん)のような形をしていました。湧水や雨水が入った堀は水深1メートルほどにもなり、堀の底は見えない状態でした。侵入してきた敵は底がデコボコになっているとは気づかずに、足をとられて倒れこんでしまいます。こうした構造を堀障子と言いますが、そもそもは北条氏が得意としていたつくり方で、北条攻めで苦労した豊臣秀吉がその手法を大坂城に取り入れたと言われています。

また、堀の壁面は石垣ではなく、地面がそのままに出ている素掘りで45度の斜面でした。この45度は、最も上りにくく、また地面が崩れにくい角度だそうです。さらに堀には粘土層が掘り込まれていたので、滑ってしまって一歩も上ることができなかったであろうと言われています。何とか堀障子を渡り終えたとしても、今度は45度の粘土質の壁が立ちふさがっていて、堀から出られなくなるという凄まじい仕掛けが施されていたのです。

家康が和議を反故してまでも堀を埋めることにこだわった理由が理解できますね。

【大坂城の巨石】

第2問の答え、巨石の運搬方法にはいくつもの説があります。ここでは、2013年に同志社大学の調査グループが発表した内容をご紹介しましょう。ポイントは「潮の干満」です。

香川県の小豆島で、大坂城築造の際に石垣の石材を積みだした船着き場の遺構(いこう)が同志社大学文化遺産情報科学センターの調査で見つかりました。同センターによると、大坂城の石材を切り出した採石場の跡に近い島の東岸35〜40メートル沖合に2つの岩が並んでいたとのことです。さらに海底調査をしたところ、それが石を2段重ねに積み上げて置いた人工物であることが判明しました。岩と浜の間の海底には、他にも人工的に置いたとみられる岩や加工石材が約50個散乱していたそうです。

40メートル沖の岩には先端に高さ47センチの石柱が埋め込まれていて、船をつなぐ綱が結びつけられるようになっていたとの言い伝えもあるそうです。こうした状況から同センターが推察した石材運搬の作業手順は以下の通りです。

  • (1)満潮時に2つの岩の間に船を入れて、石柱に綱を結びつけて船を係留
  • (2)干潮時に2つの岩までの区間に桟橋を渡して、石材を船に搬入
  • (3)満潮で船が浮くのを待って出航

海底に散乱していた岩と石材は、桟橋の土台などに使われたとみられています。また、推計では当時の干潮時には岩のまわりがほぼ干上がっていたそうです。

潮の干満を利用して巨石を積みだすというプロジェクトが江戸時代に行われていたと思うと、大坂城の石垣を見る目も変わってきますね。

大坂夏の陣から400年、さらに来年には真田幸村を主人公とする大河ドラマが放映されることから、今後も大坂城に関する様々なニュースが届けられると思われます。ぜひ注意しておいてください。

われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。

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