2010.06.25 配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
「てこ」を学習中の6年生の生徒さんへ
予習シリーズ(私国立中受験新演習)を用いて学習されている皆さん、理科の学習は、はかどっているでしょうか。6年理科の最後の単元として登場する「てこ」・「滑車と輪軸」は入試において出題頻度の高い重要な単元です。てこの基礎をきちんと理解して夏を迎えることができれば、夏期講習での学習がグッと楽になります。
そこで今回は、てこの基本について解説していこうと思います。
[1]回そうとするはたらきのつり合い
[時計回りに回そうとするはたらきの合計]=[反時計回りに回そうとするはたらきの合計]
支点を中心にして時計(反時計)回りに回そうとするはたらきで、このはたらきがつり合っていないと、てこは水平になりません。このはたらきは
おもりの重さ×支点からの距離=回そうとするはたらき
で求めることができます。どちら回りのはたらきなのか、を必ず考えながら計算することがポイントです。
[2]上下の力のつりあい
[上向きの力の合計]=[下向きの力の合計]
回そうとするはたらきと違って、こちらは支点からの距離は関係ありません。てこが落ちないように支えているもの(ひもやばねはかりなど)は上向きの力、てこにつるされているもの(おもりなど)は下向きの力です。このはたらきがつり合っていないと、てこは上に持ち上がったり、下に落ちたりしてしまいます。
支点にかかる力を求めるときは「2]、それ以外は[1]を使って計算します。支点にかかる力の大きさは最後に求めるものなので、まずは[1]のつり合いから計算していくのがセオリーです。
■では実際に予習シリーズ小6上P134の例題2を解いてみましょう。
この問題は支点が図に書かれていません。ひもAとひもBの2か所が支点のように見えますが、支点は一か所に決めないと計算できないので、テキスト同様ひもAでつるしている点を支点とします。ひもBはばねはかりのようにてこを上に持ち上げているものと考えます。
セオリー通り、[1]の回そうとするはたらきのつり合いを考えてみます。90gのおもりはどちら回りに回そうとするはたらきを持つでしょうか。図を見ながら考えてみると、左端を支点(回転の中心)にして、右の方におもりをつるしているわけですから、てこの右側が下がる(時計回り)ように回そうとするはたらきがあると考えられます。ですから
時計回りに回そうとするはたらき:90×40=3600
となります。
次に右端のひもBですが、支点は左端、右端をひもでつるして上に持ち上げてわけですから、右側が上がる(反時計回り)ように回すはたらきがあります。ですから
反時計回りに回そうとするはたらき:ひもBにかかる力×50
てこにかかっている力は他にはないので(支点にも力はかかっていますが、支点自体は「支点からの距離=0」なので回そうとするはたらきはありません)時計回りに回そうとするはたらきが3600で、反時計回りに回そうとするはたらきは、ひもBにかかる力×50 ですから
ひもBにかかる力=3600÷50=72g・・・Bの答え
となります。
ここまで計算すればあとは支点(ひもA)の力を求めるだけです。支点にかかる力は[2]の上下の力のつりあいで計算できます。
90gのおもりは下向き、ひもBが上向きに72gなので、今のところ
上向きの力の合計:72g
下向きの力の合計:90g になります。これがつり合っているはずなので支点(ひもA)は
90−72=18g(上向き)・・・Aの答え
ということになります。
ここではひもAを支点として計算してみましたが、次はひもBを支点として計算してみるといいでしょう(同じ答えが出るはずです)。
現段階では、難問に手を出すよりも基本問題を完璧に理解する方がはるかに重要です。回転するはたらきをきちんとイメージしながら問題に取り組むことができれば、これからの問題演習がより意味のあるものになってきます。てこに苦手意識を持たず、積極的に取り組んでいって自分のものにしてください。
われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください!