2009.11.5 配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
3大模試「国語」の特徴と活用法
ここでは、合不合判定テスト、日能研センター模試、首都圏模試の国語について、その特徴と活用法を述べてみたいと思います。基本的には、どのテストも1万人以上の受験生が受験し、その中での相対的な順位を知ることができますから、国語が得意なのか、不得意なのか、合格に必要なレベルに達しているかどうかはどのテストでも十分判定することができます。
しかし、それぞれの模試には、個性があり、その個性をうまく利用すると、より適切な情報を得ることができますし、いらない不安やあせりを感じなくてもすむかもしれません。下記のような模試の特徴をふまえて、成績の判定材料にしていただければ幸いです。
■合不合判定テストの国語の特徴
漢字10問、知識7〜10問、読解25〜30問(うち記述2問)いう構成になっています。最も特徴的なのは、読解問題の文章が、ほかの模試と比べ最も長く、難易度の高いということです。首都圏の中学校の入試問題の平均よりも多めの文章量(6000字超)ですから、中堅校を目標に勉強されているお子様には、すべての問題について「考えて解く」という作業がかなり難しいテストといえます。
もう一つの合不合の特徴は、長くて複雑な選択肢問題にあります。通常、誤答選択肢には、わかりやすい「ウソ」が含まれていますが、合不合の場合は、もう少し複雑です。まぎらわしいものを比べて、より正解に近いニュアンスのものを選べるかどうかが鍵になります。
記述問題は、文章中の語句を使用して答える問題がほとんどですから、自分で言葉をひねり出すよりも、文中表現をどう利用するかがポイントになります。
中堅校を目指す場合、まずは「できる問題」をしっかり解くことが大切です。漢字や知識は8〜10割正解できるはずです。その上で、読解問題の問1、問2などの導入問題や、消去法で解ける選択肢問題をしっかり解けば、十分な成績が戻ってくるはずです。さらに、文中表現を拾いながら記述問題を書けば、より上位をねらえるでしょう。
上位校を目指す場合は、選択肢、書き抜き問題の正答率を上げることが大切です。選択肢を丁寧に読み、迅速に判断していくことの積み重ねが大切です。
■日能研センター模試の国語の特徴
漢字10問、知識15問前後、読解30〜35問(うち記述3〜5問)という構成です。最も特徴的なのは、比較的自由に記述できる記述問題の数が多いことです。「自分のことばで答えなさい」「自分で考えて答えなさい」など、合不合には見られないタイプの記述問題が出題されます。
知識問題は、やや難しく工夫されています。知っていれば解ける問題というよりは、知っている知識を活用する能力が試されています。
読解問題の文章は、意識的に字数差が設けられています。3000字を超える長文と2000字未満の文章を組み合わせた出題になっています。設問内容は比較的素直に答えを見つけられる問題が多くなっています。
中堅校を目指す場合は、「漢字」→「知識」→「短いほうの文章題」→「長いほうの文章題」という順で取り組むとよいでしょう。漢字、知識での失点を最小限に抑え、短いほうの文章をしっかりよみ、理解したうえで問題に取り組めば解ける問題も多いはずです。
上位校を目指す場合には、記述問題の出来に注目してみましょう。文中語句を使う問題は、きちんと要素を網羅できたか確認したいところです。また、自分の言葉で答える問題は、何を根拠に考えればよかったのかを確認しましょう。また、3000字を超える長文を、息切れせずに読めることも大切です。文章全体の流れを頭に入れて解けることが上位校合格の条件です。
■首都圏模試の国語の特徴
漢字5問、知識10〜15問、読解30問前後という構成です。最も特徴的なのは、記述問題がなく、すべて書き抜きと記号選択の問題になっている点です。首都圏模試は、ほかの模試よりも易しいといわれますが、それでも、文章は3000字程度の問題が2問あり、文章の内容もかなり手ごたえがあります。
そのため、書き抜き問題の正答率は非常に低く、50%を超える問題は稀です。選択肢の問題は比較的易しめですが、文章でつまずいてしまうと、すべて「勘」にたよることにもなりかねません。選択肢問題には、傍線部の周辺をよく読めば正解にたどりつける問題が多くあります。その選択肢問題で確実に得点を重ねていくことが大切です。
中堅校を目指す場合は、文章量に圧倒されて、問題を解く時間がなくならないように注意する必要があります。中堅クラスの中学校の入試問題では、6000字を超える文章が出題されることはほぼありません。ですから、時間不足になりそうなときは、とりあえず空欄の前後や、傍線部のまわりだけでも解ける問題を選んで解くことも、ひとつの作戦だろうと思います。
上位校を目指す場合は、文章量に不足はありませんから、全文をきちんと読み通すことができたかどうかは、毎回チェックするようにしましょう。その上で、書き抜き問題(正答率30%前後のもの)を、できるだけ解けるようにがんばりましょう。
■三大模試の「国語」活用方法
<文章だけは読んでおく>
三大模試に出題される文章は、それぞれの塾の先生が、入試に出そうな文章をかなりの時間をかけて選んでいます。実際に、毎年、模試で出題された文章が入試でも出題されています。もしも読んだことのある文章が入試に出たら、有利なことにはちがいありません。逆に、模試で出題された文章は、1〜2万人近くのライバルたちが読んだことがあることになります。2万人のライバルが知っていて、自分が知らない文章があるというのは危険です。ですから、問題を解く時間がなくとも、問題文だけでも目を通しておくことをお勧めします。
<模試間での点数差から得意不得意をあぶりだす>
仮に、ふだん受けている模試とは別の模試を受験することができるならば、その模試の間での点数差に注目しましょう。たとえば、首都圏模試はよく出来たけれども、センター模試は今ひとつだった、という場合、「書き抜きや選択肢は得意だけれども、記述問題は苦手」という傾向にあるかもしれません。その場合、書き抜きが多い学校(青山学院、早稲田実業など)をねらえる可能性があります。
また、センター模試はよくできたけれども、合不合はできなかったという場合、複雑な選択肢が苦手なのかもしれません。そうだとすれば、複雑な選択肢を好む学校(聖光、豊島岡女子など)は、避けたほうが無難かもしれません。このように、模試の特徴と成績をくらべて、得意不得意をあぶりだすことができます。
<3000字以上はベツモノ?>
国語が苦手なお子様の場合、3000字を超える文章を読むと、文章の意味が全く理解できないことがしばしばあります。しかし、そんなお子様でも、2000字くらいの文章ならば、なんとか頭に入れることができ、考えることができる場合があります。
実際の入試では、2000字程度の文章が多く出題されますし、文章内容も、模試よりもずいぶん易しいものが選ばれています。合不合で撃沈し、首都圏を受けてみたけど国語がひどく悪いという場合、センター模試の受験をお勧めします。センターには2000字未満の文章題がありますので、その大問の出来がよければ、2000字程度の入試問題には対応できる力があると言えるでしょう。
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