2009.10.16 配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
秋の無料公開テストは曲者です
今年も秋の無料公開テストの時期がやってきました。様々な塾が、来年度の塾生確保を見据えて、無料の公開テストやそれに続く無料体験授業などのキャンペーンを組んでいます。しかし、こういったテストは、塾生も受けるし、これから入塾を考える生徒さんも受けるので、テスト結果をどう受け止めるか、なかなか厄介です。いろいろな意味で結果やデータの捉え方に慎重さが求められます。
今回は、こういった無料公開テストを受ける際の留意点についてまとめてみます。
【問題のレベルを知りましょう】
無料の公開テストというものは、一般的な中学入試向けの模試に比べると、やや易しめの問題が多く並ぶ傾向があります。なぜなら、このテストをきっかけに受験勉強を始める人たちを取り込みたいという目的も含まれているからです。そのため、既に受験勉強を始めている人たちにとっては、テスト結果の評価が難しくなります。
例えばトップレベルの生徒たちにとっては、普段受けている週例や月例のテストと比べ、難問がほとんどなく、はっきり言ってしまえば「ミスをいくつしてしまったかの勝負」になる可能性が高いです。受験本番に向けてミスを減らす努力は重要なのですが、しかしこのテスト結果を見て一喜一憂するほどの意義のあるデータかどうかというと、疑問符をつけざるを得ません。
反対に、既に塾に通っていながら、基本的なところで躓いてしまっている生徒さんにとっては、偏差値がいつも以上に出にくくなってしまう可能性があります。というのも、普段のテストでは「中学受験向けの、比較的難しい問題が出題されているので、平均点もそれほど高くはない。しかし、このテストは基本的な問題が多いため平均点が高くなり、下手をすると周りとの差がますます開いてしまう。」ということになりかねないのです。
実際に私が大手進学塾で指導をしていた頃には、こういった無料公開テストの結果を塾生の保護者に示す時には苦労しました。トップレベルの生徒たちは思ったほど高い偏差値にならず、かといって基本がぐらついている生徒にとっては、問題が易しいはずなのに普段以上に低い偏差値になってしまうということがよくありました。
すでに受験勉強を始めている人たちの中で、偏差値の面でこのテストで一番得をするのは、たいていの場合は「中間層」だということを留意しておいてください。
【学年による受験者構成・問題構成の違い】
当然のことですが、小2や小3に比べて、小4や小5ともなれば、「これから受験勉強を始めようと考えている人」の割合は減ってきます。それに合わせて、無料公開テストも学年によって問題構成を少しずつ変えてきているのです。大雑把に言えば、小2や小3のテストは、初心者向けの、中学受験の勉強としては基礎の基礎に当たる様な内容の問題が非常に多く出題されます。例えば、私が以前勤めていた塾が参加していた、首都圏最大規模の無料公開テストの場合、小3の算数の平均点は80点くらいありました。これに対して小4でだいたい70点くらい、小5だと50点台といったところでした。
テスト受験後には、お子さんの偏差値や順位が書かれた成績帳票を受け取ることになりますが、その際にはぜひこういった事情も考慮してください。小3で90点台が取れたからと言って、それをそのまま鵜呑みにして「うちの子はできる!」ととらえてしまっていいのかどうか、ここは冷静に考える必要があるのではないでしょうか。
反対に、小2や小3でまだ受験勉強を始めておらず、塾のテストを受けるのもほとんど初めてに近いような状態のお子さんが、中学受験とはあまり関係ないようなレベルの(易しい)問題で平均点を下回ってしまったとしてもて、それが中学受験の結果にどうつながるというのでしょうか。「今はこのくらいの点数だが、これから受験勉強をやっていけばどう変わってくれるのかな?」ということを考える材料くらいにとらえ、あまり深刻には考えない方がよろしいと思います。
反対に、小5くらいになると中学受験向けの問題の中で基本的な問題が多く出題されます。ここで平均点を大きく下回ってしまうようでしたら、これまでの学習がどこかで空回りしてしまい、基本が身についていない可能性が大きいです。このテストをきっかけに、これまでの学習習慣や学習法を今一度じっくりと見つめ、これから先の指針としなければなりません。
【まとめ】
秋の公開テストは、普段の塾でのテストでもなく、純粋に中学受験向けに作られたものでもありません。かといって小学校での基本的な学習の成果を測るテストであるとも言い切れず、さらには受験者層という意味においてもいろいろな方が受けに来ます。要するに、いま一つピントの絞れていない感じがぬぐえないのです。
極論してしまえば、このテストの結果が良かったからと言って中学受験での成功が約束されるわけでもありませんし、悪かったからと言ってお子さんの受験に暗雲が立ち込めるわけでもありません。「こういう問題ではこういう結果になったか。」という程度にとらえ、一喜一憂するのではなくあくまで一つのデータとして参考にしていただければと思います。
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