2007.10.12配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
『偏差値15アップの「読解筋肉増強法」』
入試本番まで約3か月、4教科の中でも国語に関しては「いくら力を入れても伸びる保証はない。」などの理由で敬遠される傾向にあるかもしれません。でも、もし「国語が努力に比例して短期間で確実に伸びる科目」だとしたらいかがでしょうか。入試の展望は一気に開けてきます。
昨年度私ども鉄人会の生徒さんの中で、秋からの指導により、3ヶ月間で偏差値が15アップした生徒さんがいらっしゃいました。(9月の第一回合不合判定テスト偏差値50→12月の第4回合不合判定テスト偏差値65でした。)いったいどの様な学習方法だったのでしょうか。その内容はズバリ「筋力鍛錬」です。と、言いましても、肉体ではなく、頭脳のほうの筋肉です。しかも読解記述で使う筋肉と、読解分析問題(書き抜き、選択式など記述以外の設問)で使う筋肉を両面から同時並行で鍛えあげたのです。筋肉は、「思考回路」とも言い換えられますが、訓練によってパワーアップできることを勘案して『読解筋肉増強法』と名付けております。
では、昨年度の私たちの生徒さんの例を引用しながら、具体的な方法をご紹介したいと思います。 まずは記述式筋肉の訓練からです。昨年10月から毎週1回、麻布、武蔵、駒場東邦などの長文記述の過去問を時間を計って解いてもらい、1問ずつ添削しつつ、丁寧に解説を行いました。正解であっても、解答に至るプロセスは徹底確認します。逆に不正解であっても、自分の頭で徹底的に考え抜いた解答に対しては、たとえ点数がつかなくても、不正解の原因を明らかにしてあげた上で一定の評価を与えてあげます。「正しい答えをひねり出すのではなく、正しい思考回路を徹底確立させる。」という方式を繰り返すうちに、知らず知らずのうちに記述式問題に対する苦手意識がうそのように消え、むしろ記述式問題に取り組むのがワクワクするようにさえなっていました。まさに筋肉が増強され、パワーアップされたのです。
そして、「読解分析問題で使う筋肉」も「同時並行で」(ここが肝心です。)鍛錬しました。やはり週1回ペースですが、豊島岡、早実、渋幕など分析型問題(書き抜き、選択式など記述式以外の問題)の比重が高い学校の過去問1年分を時間を計って解いてもらいました。そして、選択式や書き抜きのテクニック(消去法や印つけ)を列挙しながら、間違えた問題については「あてはめ」の作業(「この問題を解くには〜のテクニックを使えばよかった。」と検討することです。)を指示します。もちろん時間がかかりそうな時はヒントを与えながら正しい解釈に導いてゆきます。この流れを繰り返していくうちに、まるで算数を解くかのように、問題を正確に分析し、正しいテクニックで取り組む回路ができ、まさに分析型回路を解く筋肉が力強く増強されていたのです。
同時並行で鍛錬を受けた二種類の筋肉はまるで手を取り合うように着実に発達してゆき、ついに3ヶ月間で偏差値15アップという快挙を成し遂げるにいたったのです。
少し余談になってしまいますが、今回、ご紹介した生徒さんだけでなく、国語の偏差値がグーンと伸びたお子さんの特徴として、共通した要素がありました。それは一見勉強面とは関係ないことですが、「趣味を持ち、興味が高じて大人向きの本でも自ら好んで読破しようとするタイプ」のお子さんです。ちなみに、先ほどの生徒さんの趣味は囲碁で、大人が普通に読むにも「アー難しいなあ。」というような文体の囲碁雑誌を難なく読んでいました。考えてみると、趣味の本というのは、その内容のほとんどが、論理的な説明文ですので、楽しみながら高度な説明文を読んでいたことが、国語力の下地を作ったのかもしれません。お子さんの趣味、特技の分野の本で「大人向け」のものをプレゼントしてあげてみてはどうでしょうか。
さて、話は戻りますが、「読解筋肉増強法」のポイントをまとめたいと思います。
@記述中心の過去問を週1回ペースで時間を計って解き、復習は思考プロセスを重視して、丁寧に行う。
A分析型(選択式、書き抜きなど)中心の過去問を週1回ペースで時間を計って解き、復習は読解テクニックにあてはめることを中心に行う。
B上記@、Aの学習を同時並行的に、つまり両者の間隔をできるだけあけずに行う。(可能であれば、同じ日に学習するのが好ましい。)
最後に、「読解筋肉増強法」との相乗効果をもたらす方法がありますので、ご紹介したいと思います。 それは今まで受けたテストの「誤答分析」を行うことです。半年間の主要なテスト(たとえば日能研の生徒さんでしたら『カリテ』、『センター模試』になります。)とノート1冊をご用意ください。そして、ノートの中央にラインを引き、上段に誤答(テストのときに間違えて書いた答えです。)を、下段に正解と、ここからが重要ですが、「間違えた理由、原因」あるいは「今後の対策」を書いてゆきます。「どうして間違えたのか、ミスを防ぐにはどうすればよいのか。」を書き出すためには、「ただ単に問題を解く以上の集中力と徹底思考」が必要となります。そして、「誤答分析」を進めるうちに「間違える自分の癖」が見えてきます。そうなるとテストに対しても漫然と受けるのではなく、「よーし、傍線部の前後をよく読もう。」、「つなぎ言葉に注意しよう。」など明確な戦略を持って臨む姿勢が自然と身に付いているはずです。ぜひ、お試しください!
私ども鉄人会は数多くの生徒さん達のご指導を通して、貴重なノウハウを日日積み重ねてまいりました。ぜひとも、受験のヤマ場のこの時期に私どもを活用いただければと思います。いつでもご遠慮なく、お声をかけて下さい!