ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

国際金融恐慌と中学入試

■国際金融恐慌と中学入試

 ニュース等で皆さんご存知のようにアメリカの昨年のサブプライムショックがついにリーマンブラザーズの破綻を引き起こして、その後世界的な株安が起きています。これが中学入試にも影響するのではないかと私は考えています。

 2009年入試では首都圏の小学6年生が昨年より増加するのと、模試に参加する生徒が増加していることから、受験者数も増加すると予測されています。しかしながら、ここへ来て急激な経済状況の悪化を受けて、これまで私立中学を目指して来ていても、諦めざるを得ない家庭が増加する恐れがあります。入試は1月中旬から2月がピークです。年末に向けて景気の悪化に拍車がかかると、受験生の増加にもブレーキがかかるのではないでしょうか。あるいは公立中高一貫校や国立中学が人気となることも考えられます。

■私立高校の学費滞納者数が減っていない

 2007年の全国私立学校教職員組合連合調査では、私立高校での9月末現在の学費滞納者数は、3ヶ月以上の滞納者が254校で3,216人、一校平均12.7人、対象生徒総数の1.54%にのぼります。これは2004年度から状況は変わっていません。おそらく2008年度も同じか微増していると推測されます。

■重くなる教育費の負担

 ここ何年か給与所得は増えずに社会保障の負担が増しています。学費もあまり値上げはされていませんが、相対的に負担の割合が重くなっています。さらに私立の進学校の生徒でも現役生の内に塾通いしている生徒が多い現実があります。学費のほかに塾の費用が必要なのです。

■公立中学から公立高校という選択

 このページは中学受験する方を読者としているのですが、あえて「本当に私立中学を選択しますか?」と問わせていただきます。

 というのは、私立中学進学希望者のかなりの割合が、大学進学実績を重視しているからです。特に男子の保護者の方はその傾向が強く見られます。難関大学への進学を夢見て進学実績の良い高校の附属中学へ入れたいという気持ちは分かります。大量に東大合格者を出す学校でなくても、1人でも2人でも東大合格者がいると、その学校の人気があがります。確かにトップレベルの成績が上がると学校全体が底上げされ、有名私立大学への進学実績も上がります。

 でもちょっと待ってください。最初から私立大学で良いと考えているのなら、公立中学から公立高校という選択もあるのではないでしょうか。その理由をご説明します。

■指定校推薦による大学受験

 最近は一般推薦入試という、推薦なのに試験を受ける入試がありますが、それではなくて、昔ながらの大学から指定を受けて決められた枠の生徒を高校が推薦し、合格したら必ずその大学へ入学するという制度です。もし断ると翌年からその高校は指定を取り消されることがあります。

 指定校推薦を受けられるのは、その高校の中で上位の成績で他に希望者がいない場合です。多くは推薦入試希望者の中から成績順で志望校を選択できるようです。私立高校にも指定校はもちろんありますし、公立高校よりもずっと指定校の幅は広くなっています。しかし私立高校では学業評定で上位を取るのは易しくありません。中学入学時点で高い倍率を突破した生徒が選抜されているからです。

 その点、中学入試で中堅の学校を受験するだけの学力があれば、公立中学へ進んでも勉強を続ければ、高校での学力評定を高くすることは難しくないでしょう。公立高校の倍率は私立中学に比べると低いからです(都立高校で平均約1.3倍前後)。

さてその指定校ですが、例えば都立広尾高校(H19年度)の場合を見てみましょう。

明治 (理工1)
青山学院 (文2)
立教 (文2)
学習院 (文1・経済1・理3)
日本 (経済1・生産工2・生物資源科学1・文理4・理工1)
東洋 (工1)
専修 (商1)
成蹊 (文1・経済1・法2・理工1)
東京電機 (理工1・工2・情報環境2)
工学院 (工1・情報1・グローバルエンジニアリング1)
武蔵工業 (工2・環境情報1)
共立女子 (国際文化1・文芸1)
白百合女子 (文5)
東洋英和女学院 (国際社会4・人間科学4)
跡見学園女子 (文2・マネージメント2・コミュニケーション文化1)
恵泉女学園(人文3・人間社会3)
東京家政 (文5・家政2)
その他70校あまり
全部合わせておよそ90の大学

 こうした大学へは推薦入学の道が開けています。これが都立日比谷高校のように進学指導重点校となれば、早慶上智理科大といった難関私立大学も指定校に含まれます。指定校のリストが魅力的に映れば、公立中学から公立高校という進路も「有り」ではないでしょうか。

■公立中学・公立高校進学のデメリット

 国立を含む難関大学にこだわるのでしたら、公立でも進学指導重点校か入試問題自校作成校といった集まる生徒の学力が高い高校を目指す必要があります。すると高校受験もハードになります。ですから難関大学を目指すならやはり私立中高一貫校の方が良いと思います。経済的に許されるならですが。

 最終的に公立中学でも良いと考えられるかどうかは、高校受験を肯定するかどうかになります。もともと中学受験を志向する際に、「高校受験がない」ことに最大のメリットを感じていたのなら、中学受験を考え直す必要はありません。

 少しでも良い大学へ入れたいけれども、現在の子どもの学力は思うように伸びていないというのなら、再検討する余地はあると思います。中学に入ってからぐっと学力が伸びる子どもがいるのです。その場合に中学受験してしまうと、高校でより高い学力の生徒が集まる学校を受験できる可能性が高くなります。

■それでも中学受験をするという選択

 「向こう6年間の教育費はなんとかなるし、高校受験のない思春期を過ごさせてやりたい」のなら中学受験させましょう。指定校推薦など受けずに堂々と大学入試を受験すれば良いのです。指定校推薦は自分の可能性を縛ることでもあります。また、私立中高一貫校には勉強以外にも良い点がたくさんあります。6年間付き合える友達を得ることもそのひとつでしょう。無理したり周りがするからなんとなくという理由で中学受験するのでなければ良いのです。本番の入試に迷いなく向かっていってください。

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