ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

わが子にあった学校を探す

【模試結果に一喜一憂するのはやめよう!】

 9月に入り来年度入試に臨む受験生対象に、四谷大塚の合不合模試と全国中学入試センター模試の合格判定模試が始まった。これに首都圏模試センター統一模試を加えた3大模試を受験した生徒は結果を受け取って色々考えている頃だろう。この時期に高い合否判定が出ていれば一安心できるが、そうでなかったら偏差値表と首っ引きで他の志望校を探し始めたりするに違いない。もう少し安全圏の学校はないかしらと。

 しかしちょっと冷静になっていただきたい。以前「中学入試の偏差値に関する迷信」という記事を書いた。そこで偏差値についての誤解について述べた。つまり模試結果というのは、「模試と同じ問題が出て、同じ受験生が同じ志望校を、模試の日に受験した場合の合否」に過ぎないということ。新聞の世論調査を思い浮かべて欲しい。内閣支持率が毎月発表されているが、新聞によって10%程度の開きがあるのは毎度のことだ。これも同じ質問で同じ母集団に行えばほとんど同一の結果が得られるはずだ。でも異なる結果が出てくるのは、質問も違えば調査方法と母集団も異なるからだ。

 入試も同じで、実際には各学校の問題は千差万別の違いがある。また受験生も直前まで志望校を変更する。さらに入試までの100日で実力も変動するし、当時のコンディションも異なる。あくまで条件を揃えて乱暴に輪切りにした結果が、模試の合否判定というわけだ。だから80%ラインを超えていても安心はできないし、20%ラインだからと言って可能性がないわけでもない。

 まだ模試も始まったばかり慌てて志望校をガラッと変える必要はない。

【そうは言っても安心したい】

 とは言うものの、入試日縛りの併願パターンを組んで模試を受けたが、今のままでは安全圏の学校がない受験生もいるだろう。だから安心できる学校を探したいと考えるのは当然だ。では、第3志望、第4志望の学校をどのように選んだら良いだろうか。それにはお子さんの将来を大学入試までではなく、その先の社会人になるまで延長して考えると良い。6年後ではなく10年後を見すえる。

 その時にどのような人材が社会や企業から求められるのか。今IT社会だからパソコンのスキルが必要だというのは短絡的だ。10年前にはソフトウェアクライシスが叫ばれて、ソフトウェア技術者が大量に不足すると言われた。しかし現実はクライシス=危機と言うほどには深刻化していない。それはソフトウェアの生産性が上がり、当時よりも少ない人手でソフトウェアが開発できる仕組みができたのだ。加えてオフショア開発と呼ばれる海外への外注化というのも広まっている。このように10年も経てば大きく世の中が変わる。現在もてはやされている産業や業界がこのまま続くとは限らないのだ。

 そこで、この先必要となる素養は何かを考え、それに合った教育を実施している学校を探すといいだろう。筆者は、近い将来にホワイトカラーでも単純な仕事はコンピュータに置き換わったり、オフショアへ出て行ってしまうと考える。

 したがって、これからの社会を担う人材は例えば以下の素養が求められるだろう。

  • ■予想外のことに対処できる「リスク対応力
  • ■前例にないことを考えられる「発想力」
  • ■自分の考えを人に理解しやすく伝えられる「プレゼンテーション能力」
  • ■事実を踏まえて「論理的な考えを展開する力」
  • ■人間関係を滑らかにする「コミュニケーション能力」

 これらをすべて兼ね備えることができたらスーパーマンだが、複数の素養は持たなければならないだろう。お気づきだろうが、既にこうした素養を伸ばすための取り組みを始めている中高一貫校は少なくない。

 以下にいくつか例を挙げる。

  • ■東京女子学院の徹底した英語教育。教科書はCambridge English for Schools:Cambridge University Pressを使用し、英語教授法を専門的に研究してきた外国人教員が、単独で英語のみを使って、生徒たちを指導。つまり日本に居ながらにして留学状態を作り出している。効果は英語のみに留まらずに自分で学習する姿勢が身につく。
  • ■女子校である白梅学園清修ではセルフ・ラーニング・タイムというものがある。放課後に3つの教室に分かれて、「個人で勉強する」「先生に質問する」「フリートーキング」のどれかの教室に行く。もちろん途中で移動もできる。
  • ■品川女子学院の生徒がポッカなど企業と組んでオリジナル商品の開発と営業を実践。
  • ■目黒学院では「キャリアデザイン能力の育成」を掲げたカリキュラム。
  • ■共栄学園中学校では、8〜10人がチームを組んで、さらにラーニングアドバイザーが各チームに1人付いて行われる「最先端学習」がある。体験に基づく課題の発見から発表までを時間をかけて行う。

 興味深い取り組みをしている学校があるということが、お分かりいただけたであろう。こうした姿勢を示している学校は、必ずしも難易度の高いところばかりではない。しかしこうした学校は将来きっと伸びていくに違いない。ただし、中には表面的にこうした学校を真似している学校もある。形だけの学校を見抜く目を持たなくてはならない。そのポイントは「徹底しているかどうか」にある。ユニークな授業が短期間だけだったり、一部の学生対象だけだったりしないかを見て欲しい。全学生が一度は体験する規模で行われているか、その取り組みに必要なリソース(人、物、お金)がかけられているかどうかをチェックするのだ。最初に取り上げた東京女子学院のように、教師は全員外国人で日本語禁止という潔さがあれば信用できるわけだ。

 このように何かひとつ、光るものがあれば安全圏の学校選びも面白くなるに違いない。お子さんに合ったプラスアルファを見つけて欲しい。

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