ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

低学年で種まきを

 最近は学力低下の不安から、低学年での塾通いが増えている。読売新聞とNTTレゾナントの2006年11月の調査によると回答者のうち248人の家庭で子供が学習塾に通っていた。年齢別に割合を見ると、

保育所・幼稚園児     13%
小学生低学年(1〜3年) 20%
小学生高学年(4〜6年) 35%
中学生          69%

となっている。5人に1人が学習塾へ通っているわけだが、大都市部に限ればもっと高い割合になるだろう。教科書が薄くなり学校での学習内容が不足しているのではないかという不安はもっともだが、低学年から受験勉強と称して知識やテクニックを詰め込むのはどうかと思う。以前のコラムでも書いたのだが、勉強グセをつけることは「子どもにとって一生の財産」になるので、勉強嫌いにしてしまってはいけない。勉強することが楽しいと感じられるようにすべきだろう。

【学習に興味を持たせる種まきをする】

 子どもというのは幼ければ幼いほど「具体的」なものに興味を惹かれる。抽象的な話しでは乗ってこない。これはイメージする力が未成熟だからだ。高学年になっても算数はもとより、社会でも行ったことのない土地や大昔の時代はピンとこなくて興味が持てない。そこで将来その単元を学習する際にペグ(杭、手がかり)となる知識をインプットしておくようにしたい。それは日常生活で親子の会話から始まる。あらゆる機会をとらえてペグを打っておくといいだろう。例えばこれから暑くなる時期に冷たい飲み物を入れたコップに水滴がつく。それを元に親子でこんなやりとりをしてみては。

親「コップが汗かいてるね」
子「汗?汗じゃないよー。」
親「水の粒が汗みたいだから、そう例えて言うんだよ。」(国語の表現)
親「ところで、どうしてコップの周りに水がつくんだろ?」
子「コップがぬれてたんじゃないの?」
親「じゃ、乾いたコップに氷とジュースを入れてみようか」(実験の面白さ)
子「あっ、やっぱり水のつぶがつく!」

 ここで正解までたどり着かなくても良いと思う。知識として教え込むよりも、自然現象の不思議さに気づかせたり、試行錯誤して検証したりが重要なのだ。このような経験が、「物質の三態」を学ぶときに生きてくる。まず授業への集中力が違ってくる。知っている現象なのでしっかり聴くことができるのだ。わが家では受験期になってもこれをやっている。てこの力学で栓抜きの支点・力点・作用点が出てきたら、栓抜きを引っ張り出してやってみせる。酸とアルカリではアルミ箔が溶けるところを実際にやって見せた。泡が出て小さくなっていく様はおとなが見ても興味深い。算数では単位の単元でものさしや重量計で実際に測ったり、展開図は実際に切って組み立ててみたり。とにかく子どもがイメージできないようなら、なるべく実物やビジュアルなものの助けを借りることだ。

 ある家庭では旅行の際に必ず地図帳を持ってでかけるようにしていると聞いた。列車の窓から見えた山や湖を地図で確認すれば、具体的なイメージで地名を覚えることができるだろうし、地図から地形を思い浮かべることもできるようになる。自家用車で旅行に行くなら道路地図を利用してもいいだろう。できれば縮尺は50万分の1とか100万分の1とか大きい方が地形を把握しやすいのではないだろうか。カーナビでも表示の縮尺を変えてより広い範囲を見る方がいいだろう。旅行に出かけなくてもGoogle Mapを利用する手段もある。地図表示と航空写真を切り替えると、とても良い地理教材になると思う。

 また博物館や科学館へもどんどん出かけて欲しい。都市部であれば企業が運営する博物館もあるはずだ。たくさんの実物に触れておけば、後に必ず役に立つのだから。

【種を大きく育てる】

 このような経験は時間に余裕のある幼児や低学年にたっぷりしておくとよい。色々なことに興味を持つ「地頭(ジアタマ)の良い」子どもに育つだろう。塾や家庭教師の先生がなぜ雑談をするかと言えば、雑談を通して学習内容に興味を持ってもらおうとする意図がある。実体験と本の知識が合体すると生きた学力になる。PISAや新しい全国学力調査のような学習内容のリテラシーを高めるのに役立つだろう。それがこれからの大学入試に取り入れられるであろう「考える問題」へとつながっていく。

 「考える問題箱」というサイトがあるので参照されたい。新しい大学入試問題を考えるサイトだ。特にこの中で「田丸」と書いてある田丸先生の問題が、記述式で考え方を見る問題として作られた例である。

 高等教育機関ではIT化の時代に知識だけの人間ではなく、知識を用いて創造性を発揮できる人間を養成しようと考えていて、それに相応しい入試をしなくてはという問題意識を持った先生が増えているそうだ。中学入試問題も知識やテクニックだけでなく、その応用力が求められる。地頭の良い子に育てば、睡眠時間を削ってまで机にかじりついて勉強する必要はなくなるのではないか。低学年・中学年でしっかり種まきをしておきたいものだ。

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