やっぱり基本は勉強すること・させること
ここでは再三にわたって「親の役割」について書いてきました。これまでの記事と重複する部分がありますが、自分の子どもの受験を何度か経験し塾の先生や読者の話などを聞いて思うのは、やはり「勉強する習慣」が大事だということです。何年生でも、いつの段階でも、まず本人が勉強しなくては始まりません。低学年では家庭での学習習慣をつけることに時間を使えますが、受験生となっては四の五の言わず、とにかく勉強することが第一です。
【子どもは勉強がきらい】
子どもは勉強が好きでしょうか?ほとんどの子は「ノー」と言うでしょう。なぜでしょうか。おそらく「やらされ感」があるからです。自分から好きでやるのなら構わないのです。「やらなくてはいけないもの」「おとなから押しつけられるもの」と思うから余計に嫌になるのです。でも中学受験するのなら、小学校の授業でおこなう勉強だけでは明らかに不足です。塾に行っても行かなくても、この不足分をどこかで補わなくてはなりません
【成績が上がらないのは勉強不足だから】
塾のテストや模試のテストで成績が上がらないのはどうしてでしょうか。それは勉強不足だからです。中には「こんなに勉強しているのに、なぜ成績が上がらないの?」と悩む方もあるかも知れません。その場合はおそらく、「時間だけはかけているけれども必要な勉強をしていない」のだと思います。「机に向かっている時間=勉強時間」だと思っていませんか?
多くの子どもは時間つぶしの天才です。嫌いなことなら時間が過ぎるのを待つことなど朝飯前です。問題に向かっていても分からなければ時間はどんどん過ぎていきます。20分〜30分はあっという間です。1問にそんな時間をかけていたら1時間でプリント1枚できません。宿題が終わらない原因はこんなところにあるのです。
【親がペースメーカーになる】
塾や家庭教師の先生はそんな風に放っておいてはくれません。なんとかこの状況を解決する糸口をさがしてくれるでしょう。問題は一人で家庭学習する時なのです。家庭で自習する時間が圧倒的に長いわけですから。時間を無駄にしていないかどうか誰かがチェックする必要があるのです。
何も問題を教える必要はありません。公文式の教室では「スラスラ鉛筆が動いているかどうかで、その段階をマスターできたかどうか判断する」ということを聞いたことがあります(全ての先生がそうかは知りませんよ)。公文式のプリントは「その子にちょうど」の課題を楽々できるようにして、次に進む仕組みになっているからです。
子どもを自分の部屋に押し込まず、リビングやダイニングで勉強させてください。そうして鉛筆が長い時間止まっているようなら、行き詰まっているサインです。解説を見て解き直すようにうながすなどの働きかけをしましょう。あるいは先の問題へ進むようにアドバイスし、全部終わったらテキストを見ながらできなかった部分をやらせてもいいでしょう。
このように補助してやれば同じ1時間でも勉強の効率はずっと高くなります。
【サイクルが大事】
結局のところ勉強は、予習→問題練習→確かめ→復習→問題練習→確かめ…とサイクルを回して行き、学力を底上げしていくものです。サイクルのどこかが不十分でも学力は上がらないのです。(これはISOなどの国際的な改善の仕組みと同じ方法)やるべきことをやれば成績が上がるという場合の「やるべきこと」はこのサイクルを回すことです。そして小学生では一人でこれを回すのは難しいので、塾や家庭教師などの専門家と親が補完してやるわけです。
【課題のチェック】
先ほど述べた勉強のはかどり具合と同じくらい大切なことがあります。専門家(塾や家庭教師)が立てた計画をきちんとこなしているかチェックしなくてはなりません。具体的に言うと「宿題」をちゃんとやっているかどうかです。それ以前に「宿題」をきちんと把握しているかを気にしないといけません。できれば、そのような課題をつけるノートがあるといいでしょう。日付入りの手帳レベルで十分です。次回までにやることを記入しておきます。塾に行っていれば塾で記入してきます。家に戻ったら手帳を見ます。きちんと書いてあればOKです。家庭学習の際にはそれを見て学習します。次回までにそこまでやったか本人にチェックさせます。始めは親がチェックしてもいいでしょう。できれば自分で管理できるようにし向けたいのですが。
できた項目には○をつけて、「よくできたね」とまず誉めます。×の項目があっても、そこはこらえて先にできたところをほめます。そして「次はもう一つ○が増えるといいね」と付け足せば良いのです。 このチェックが自分一人でできるようになれば、学習の基本的習慣が身についたと言えるでしょう。それに伴い成績も上向いてくるはずです。直ちに点数に表れなくても、これまで空白だった問題に手がつけられるようになるなど、変化がでてきます。その段階でもほめましょう。歯が立たなかった問題に挑戦できるようになってすごいと。
地道な勉強ができるようになれば、必ず成果が現れます。そしてこの自学自習の習慣は中学入学後も活きてきます。中学の授業で「予習→授業で確認→復習」のサイクルを回すことができれば、中学入学後の学習塾は不要になるでしょう。大学受験までの勉強の基本ができあがります。
【まとめ】
このように家庭学習において、「やるべきことを、正しいやり方で、きちんとやる」ことができるようにすれば、成績は上向くものです。そしてそれには子どもだけで取り組むのは難しいので、親が手助けしてやりましょう。正しい学習習慣は子どもにとって一生の財産です。