親の目から見る学校説明会
学校説明会が盛んに開かれる時期になりました。今回は学校説明会で何を見てくるか、親の目からみた注目ポイントを取り上げてみたいと思います。
したがってパンフレットに書いてあって当たり前のことは省略しますので、御自分で確認なさってください。
【人】
まずは人にまつわるチェックポイントです。
校長先生をはじめとして説明に立つ先生の雰囲気、話し方をよく見てください。人柄までは短時間でつかむのは難しいかも知れませんが、それでも雰囲気はわかるはず。
何人かの先生の話を聞くことができれば、学校の方針がどの程度徹底しているかわかるはずです。
先生の年齢構成。若い先生からベテランの先生までバランスが取れているのが理想です。若い先生ばかりでも心もとないですし、ベテランばかりでも生徒が近寄り難くなってしまいます。
生徒の服装。もちろん制服の学校が多いでしょうが、着こなしが崩れすぎていないかどうかチェックしたいもの。髪の色やアクセサリーも要チェックです。
学校外での生徒の様子。以前バス通学の学校で、説明会の帰りに停留所でバスを待っていたら下校の生徒がやって来て、バスが止まったとたんにわれ先に乗り始めて、この学校の生徒はどうなっているのかと感じたことがありました。
このように学校外では生徒も地が出るものです。最寄り駅などでもよく観察しましょう。
集まる父母の持つ雰囲気が自分に合うかどうか。説明会に集まる父母の雰囲気が学校によって異なることが多いと感じます。これが説明会ではなく保護者会だったらと想像してみましょう。
御自分が違和感なく参加できるようでしたら、まずは安心できます。反対に場違いな感覚があるようなら、志望校としては再考を要します。
【ハードウェア】
次に校舎や設備などハードウェアについて考えてみましょう。
校舎等施設の維持管理状態。新築校舎の学校は人気が高いですが、古くても維持管理がしっかりしていれば、学校の経営姿勢が伝わってきます。建物にひび割れがあったり、割れた窓ガラスが放置してあったりはしないでしょうね。
清掃が行き届いているかをチェックした方がよいと言う人もありますが、男子校には清掃が行き届いていない学校もあり、清潔度で判断できない面もあります。清掃業者がきれいしにしていればOKかというと、自分の教室を自分が掃除するというのも教育の一環です。一概にきれいさ加減では決められません。
とは言うものの、清潔なのには越したことはありません。
図書室と蔵書の多さ。私の子どもが本好きということもあり、図書室は気になります。教養教育に力を入れている学校は専門書など蔵書が充実しています。
中高一貫校であれば、大学レベルの書物があってもおかしくないので、ざっと書棚を見て回り、蔵書の種類も確かめておきたいです。専任の司書がいればなおベターです。
パソコンの年式。今時はどこも情報教育には力を入れていると説明するはずです。言葉通りかどうかを設備面からもチェックしましょう。備え付けのパソコンが最新モデルとまではいかなくても、数だけ揃(そろ)えてOSが未(いま)だに無印のWindows98だったりしないでしょうか。あまり古いPCでは今のインターネット利用には支障があります。情報教育投資への姿勢もクエスチョンマークがつきます。LAN環境などがどうなっているのかを質問するのもいいでしょう。
都内の学校ですと、グラウンドが郊外にあったりします。学校から離れていると運動部に所属する場合、帰宅が遅くなったりしますから部活がどこで行われているか確かめておきましょう。
また生徒の参加の度合いも気になります。
【ソフトウェア】
教育課程や指導の仕方などソフトウェアについての気になるポイントです。
まず、大学進学実績ですが、ホームページやパンフレットで公開されていればOKです。そうでなければ説明会で聞いておきましょう。
現役と浪人の区別も重要です。推薦入学の利用者数や主な推薦による進学先も聞いておきたいもの。
学校による補習の有無や特別な受験指導があるのかどうか気になります。大学進学実績の高い学校でも、学校ではほとんど特別なことをしない学校も多く存在します。
一方、大手予備校と提携して受験情報を学内で提供するような学校も存在します。しっかり確認しましょう。
中高一貫校では系列高校へ進むわけですが、高校への進学に条件があるのかどうか、また進学しなかった(できなかった)生徒が前年にどれくらいいるのか知っておきたいです。
私立といえども、いじめが全くないとは言えません。「いじめはあるのか?」という質問をぶつけてみて、どのような答えが返ってくるのかで学校の姿勢が分かります。
配付資料に無ければ、校則はどのようなものなのかで生活指導の厳しさが分かります。細かい校則が多い学校ほど、生活指導が厳しい傾向があります。下駄履きとオートバイ通学以外はないという学校もあります。
同様にアルバイトについても学校の姿勢が表れます。許可制の所もあれば、特に制限がない学校もあります。
【学校説明会での注意】
事前の時間の確認や上履きの必要性チェック等は当然のこととして、他に注意すべきことを挙げておきます。
最近は熱心にメモを取る保護者が多く見受けられます。でもメモを取るのはほどほどにして、話し手についてよく観察して頂きたいと思います。目からの情報は後で補えないものだからです。
できればボイスレコーダーを用意しましょう。そうすればメモは帰宅してからゆっくり取ることができます。
また質問をする際は、学校HPのQ&Aにある項目は避けましょう。よく出る質問について多くの学校でHPに掲載しています。そこにない項目や不十分な点について尋ねるようにしましょう。
数校以上の説明会に参加してみると、学校の違いの見方が身に付いてきます。
本命の1〜2校に留めず、受験の可能性のある学校に一度は足を運んでおくことをお薦めします。