ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

受験勉強と習い事の両立

 今のこどもは受験勉強以外にも様々な活動、広い意味で何らかの習い事をしていると思います。以下に主なものを列挙してみます。

  • ・ピアノ、バイオリン、電子オルガン、ギター、ボーカル、お琴、三味線などの音楽系
  • ・バレエ、日本舞踊、ジャズダンス、ヒップホップなどのダンス系
  • ・スイミング、野球、サッカーなどのスポーツ系
  • ・英会話、珠算、書道、絵画、公文式などの教養系

 小学生の多くのこども達は、習い事を4、5年生でやめてしまうケースが多く見受けられます。その理由の第一は、塾に週3日から4日通わなくてはなりませんので、習い事の曜日との調整がつかないということが挙げられます。

 第二に、仮に通うことができたとしても、練習時間が取れずに挫折してやめてしまうということもあります。

 幼児期から続けていますと、この年齢になるとある程度のレベルに達しているはずです。やめてしまうのは惜しい気もします。しかし受験勉強を考えると続けるのは困難に思えます。一体どうしたらよいのでしょうか。

 わが家でも娘達はピアノを3〜4歳から始めていましたので、5年生の段階ではモーツァルトのピアノ協奏曲まで来ていました。どんな楽器でも、このくらいの段階になると1日練習を休むと、その分だけ指が動かなくなります。

 また、息子の方は小学校で野球部に所属していたので中学や高校に比べると少ないですが、土日に対外試合にでかけることが多くありました。

 結局のところ娘も息子も5年までは続け、6年は休む道を選びました。しかしピアノは休んでいる間も家で弾き続けていました。本人は勉強のストレスをピアノで発散するという意味を感じていたようです。息子の方は中学の部活で野球を再開しました。

【いつまで続けるか】

 「いつまで続けられるか」ではなく、各ご家庭で「いつまで続けるか」を決めないといけないでしょう。進学塾に通っている場合は遅くとも5年までには習い事はやめるようにと指導されるに違いないからです。

 週3回の通塾に予習復習を入れると6日が費やされます。これに隔週でテストが入れば1週間が埋まってしまいます(毎週テストのところもあります)。さらに家庭教師をつければ、習い事の時間はほとんど取れません。

 先に挙げた中で最も整理しやすいのが「教養系」の習い事でしょう。英会話や公文は中学入学後に、それに代わるものがあります。書道や珠算ならば、空いている日だけ通うこともできます。

 習い事の中でも特に家庭ではできないもの、あるいはレッスンの回数が多いものは継続が難しいと思います。スポーツ系やダンス系の一部がそうですし、週に2〜3度ある教養系もそうです。

 中断してしまった場合に中学入学で再開できるかというと、そうとは限りません。一度冷めてしまった習い事に対する気持ちを元に戻せず、そのままになってしまうケースの方が多いように思えます。続けていれば一生の趣味にできたものを失ってしまうのは残念です。

 いつまで続けるかは、当たり前のことですがCASE-BY-CASEです。習い事の種類、お子さんの性質、志望校の難易度、学習環境(学校、塾、家庭教師)、家庭環境など様々な要因が関係してきます。

 ご家庭での対応としては

  • ・一応塾や家庭教師に相談してみる
  •  習い事に対する気持ち(例「大人になっても続けさせたいものだ。」)をし かり塾や家庭教師の先生に伝えてみます。真剣に話をすれば、「通常は5年でや めることを勧めますが、5年生の終わりまで様子を見てみましょう。」などと対 応してもらえます。

     逆に全く取り合ってもらえず、とりつく島もないという対応しかしてもらえなければ、その先生は信頼できないと言っていいと思います。

  • ・こどもの意志を確かめる
  •  強い気持ちがあれば、志望校を絞って両立することは不可能ではありません。数は少ないけれど成功した例があります。お子さん自身が希望して始めたことであるなら、大変でも勉強もおろそかにしないという強い気持ちがあるのかどうか確かめます。

     真剣だということが分かれば、覚悟を決めて両立可能な方向を親子で考えます。例えば、2教科入試の学校を選んだり、志望校を考え直すといったお子さんの負担を減らす対応です。

【受験が人生の最終目的ではない】

 中学入試が近づいてきますと、どうしても生活の全てが受験へと向かってしまいます。しかし人生は入試の先にも続いています。おこさんの将来を考えて、習い事を続けさせるかどうか決めることを望みます。豊かな人生を送ることが最終目的なはずです。

 「5年生になったから」と機械的に習い事をやめさせるのではなく、様子を見ながら続けていき、どうしてもこどもに負担がかかっていると感じるようになってから中断しても遅くはありません。

 結局は受験勉強と習い事の時間の「バランス」の問題です。入試が迫ってきたら受験勉強に比重を移すのは当然のこと。そのバランスを上手く舵取りして、入試後の再開も含めて習い事と両立できるように工夫していただきたいと思います。

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