ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

国語が好きになる

 国語の勉強法がよく分からないという話を聞きます。このサイトにも「イメージ力を鍛えると国語の成績は飛躍的に上がる!」というプロのアドバイスがあり、とても参考になります。

 さいわいにして我が家の子供たちは国語が得意でしたので、そういう悩みはありませんでした。どうして国語が苦手にならなかったのか考えてみました。そしてその働きかけの中からいくつか実例をご紹介します。

【週末は図書館へ】

 国語の成績と語彙(ごい)・漢字の力は比例するそうです。そして読書量の多い子供は、語彙が豊富で漢字の知識も多いという調査結果があります。本が好きだったこともあり、幼児から低学年までは毎週末には区立図書館へ通っていました。

 当初は5冊、後には10冊まで借りられるようになりましたので、子供たちが選ぶ本はどんな本でもダメだしはせず、借りてきました。その中に親が面白いと思う本も入れて。すると全部の本を読んでしまいました。

 書店で買うとなると、児童書は安くはないので、つい「その本よりも、こっちの本にしたら?」などと口を出してしまいがちです。図書館ならばその心配はありません。大いに利用なさってはいかがでしょうか。

【繰り返し読む】

 子供というのは同じ本でも繰り返して読むものです。「この間も読んでたでしょ。別の本にしたら。」と水を差さずに、好きなだけ読ませてやりましょう。繰り返し読む内に内容理解が深まります。

【しりとり遊びをよくする】

 外出での退屈しのぎに、しりとりは欠かせませんでした。その際に、同じ文字が続くように返したり、子供の語いが少ない音(「り、る」など)を要求したりして、語彙力を鍛えます。さらに「2文字、3文字のことばはダメ」などとより難しくします。

 これに慣れると、「るすばんでんわ」「ルッコラ」「ルールブック」「るりかけす」「りょうり」「りょこう」「リュックサック」などとすぐに言えるようになります。

【なぞなぞ遊びをする】

 同じく、なぞなぞは頭の回転を速くするのに役立ちます。始めは一般的なものを出し合いますが、その内オリジナルのなぞなぞが登場します。

 子供のなぞなぞが今一つだと思っても、黙って答えてやります。降参すると喜んで、もっと違うなぞなぞを考案しようとします。

【20の扉】

 これもお出かけの際に有効です。出題者が思い浮かべた物について、20の質問をして出題者の「はい」「いいえ」だけを聞いて、推理により当てる遊びです。絞り込みができるようなカテゴリが異なる質問ができれば当てることができるので、推理力を養えるのではないでしょうか。

 例えば正解が「キリン」だったとします。

  • Q1.それは生き物ですか?→「はい」
  • Q2.それは「馬ですか?」→「いいえ」
  • Q3.それは「犬ですか?」→「いいえ」

 このように種類を列挙する質問の仕方はまずいですね。良い質問の仕方は

  • Q2.それは「水中にいるものですか?」→「いいえ」
  • Q3.それは「動物ですか?」→「はい」
  • Q4.それは「人より大きいですか?」→「はい」

 というように、たくさんの集合を描いて共通部分を絞り込むようにするのです。論理的な力もつくと思います。

【カルタ遊び】

 最近の子供はあまりカルタで遊ばないのでしょうか。親も一緒に遊んでやらないとメンバーが足らず、面白くないでしょう。ことわざや俳句のカルタを使うと一石二鳥です。

 できれば幼児の内から遊んでおくと、なおいいと思います。言葉のセンスが育つ気がします。

【百人一首】

 「小学生で覚えても何の役に立つんだ」と思われるかも知れません。たしかにそうなのですが、これも言葉のセンスを養うのではないかと感じています。特に「やまとことば」の。中学、高校と学年が上がるにつれ漢語が増えるので、逆に「やまとことば」へ親しむことが大切だと思います。小学生の方が早く覚えられます。

 いずれ中学・高校で古典を学習するわけで、その際に百人一首を覚えていると古文アレルギーにならずにすみます。また意味も理解しやすくなるようです。

【単語で話しかけさせない】

 日常生活で子供が「お母さん、カップ。」と言ってカップを取ってもらおうとしたら、「お母さんはカップじゃありません。」と答えます。すると「お母さんの意地悪。カップを取ってください。」と、文章で話すようになります。これは効果がありました。

 うっかり親が単語で話しかけようものなら、みごとに逆襲されます。それだけ話す言葉に意識がいくようになるので良いことだと思います。

【漢字検定】

 小学校で希望者は申し込むことができ、受検も学校でできるので、ずっと受けています。3級まで取ると国語の漢字で困ることはほとんどありません。学習も漢字検定用の問題集を使えば、学年に関係なく段階的に学習することが可能です。

【テレビは決まった番組を】

 1日3時間以上テレビを見ている子では、国語に限らず学習到達度で良い結果を取る子の割合が少ないという調査結果があります。テレビに時間が取られて、家庭学習や読書の時間が少なくなるからと考えれば納得の行く結果です。

 どうしても見たい番組をあらかじめセレクトしておき、それ以外の時間にはだらだら見ないようにしています。最近のデジタルテレビなら番組表で視聴予約ができますから、それで見たい番組を予約しておけば簡単に実行できます。

【日記を書かせる】

 わが家では幼児期に日記を書かせていました。もちろん小学校でも有効です。書き言葉は話し言葉と異なるので、たくさん書く機会を持てば、より上手な文章が書けるようになります。

 しかし、小学生ともなると書いた日記を読ませてくれなくなります。そこで、一番下の子どもとは、ノートに伝言を書いて交換日記のようにしました。「学校であったことや、お父さんに伝えたいことを書いておいてね。」と言いながら小さなノートを渡して、それを読んだ感想や質問などを書いてやりとりします。

 普段帰りが遅く子どもと接する時間が短いので、コミュニケーションをとるのにも役立ちました。週末に「ノートにあった○○はどうなったの?」と続きを話すこともできますし。

 先日見たNHKの脳についての番組では、子供にとって家族との会話による刺激は、脳の発達にとても良いと伝えていました。

 簡単にできることが多く、すでに同じようなことを実践されているご家庭が多いことでしょう。一つだけでもヒントになることが見つけていただけたら、幸(さいわい)です。

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