ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

私立中学に何を求める

■学力に人間力が必要とされる

先月「 2020年大学入試改革と中学入試への影響」という記事を書きました。みなさんのお子さんが大学入試を受験する時には、新制度に移行しています。そして現在は教育改革が進行していますが、それ以上のペースで社会が大きく曲がり角を曲がっているように感じています。だから、これから中学受験しようとする保護者の方々のご苦労は、さぞかし大変だとお察しします。

これまでは社会に出る際に困らないようわが子に学歴を付けさせたいという人が多かったと思います。しかし、今後はどれほど学歴が役に立つのか保証がありません。すでに子育て世代のボリュームゾーンでは学歴神話が崩壊しています。良い大学を出て一流企業に勤めても不祥事で会社が傾いてしまう不確実な時代だからです。また、近い将来半数の仕事が人工知能&ロボットに取って代わられると言われています。しかし、これも半数の職種というのは理解が違うと思います。あらゆる職業で半数くらいの人手が人工知能とロボットに置き換わるというのが実際に近い状況だと思います。技術の進歩というのは手放しで素晴らしいと喜んでしまいがちですが、効率化するということは、人手が要らなくなるということなので、一概に歓迎すべきことかどうかはわかりません。

そんな中で、2016年の順天堂大学医学部の一般入試小論文試験が注目を集めました。それはとても風変わりな問題です。「キングス・クロス駅の写真です。あなたの感じるところを800字以内で述べなさい」という課題に1枚の写真が添えられていました。薄暗い照明の地下鉄でトンネルのような階段を登るコートを着た一人の男と手すりに繋がれた2つの赤い風船が写った写真です。正解のある問題をひたすら解いてきた受験生にとって、場合によっては思考停止してしまうかも知れない、なんとも言えない奥深い問題です。この問題については解説記事が東洋経済オンラインにありますので、そちらを参照なさってください。

この記事の筆者小林 公夫氏は最後にこう結んでいます。

『このシチュエーションは例にすぎないが、こういった類の小論文には、親からどのような家庭教育を受けたのかを看破する仕掛けがあると言える。単に択一式の勉強ができるだけでは通りにくい、まさに学生の「人間力」を問う方向に、医学部入試全体がシフトしてきているのだ。』

従来型の知識と知力に加えてか、あるいはそちらの比重を少し下げて、人間力を見る方向へシフトし始めたということなのかもしれません。医学部という受験のトップレベルで起こったことは、やがて次第に他の学部の入試にも波及していきます。したがって、今後はこうした傾向が中学入試でも顕著になっていくと思われます。

少し考えてみれば、計算はコンピュータや計算機でやるし、漢字は自動変換によって「書く」から「選ぶ」に変わってきているのだから、必要とされる能力が今までと変わることは当然だと言えます。漢字学習は、文章を書く時に選べるようになるための基礎として学ぶのだとしたら、今の小学校の漢字教育を大きく変えて、書けなくて構わないから小学校で常用漢字まで学んでもいいはずです。

しかしながら、小学校教育のやり方はすぐには21世紀型に変わりません。その境目にいる今の子ども達はこれから苦労するのではないかという心配があります。そこで、少しでも今できることをしておきたいと思うのが親心。何をどうしたら良いでしょうか。

■21世紀型家庭教育

一つは、新しい学力観を重視している学習塾に通わせることです。低学年から中学受験の前倒しのようなカリキュラムではなく、思考力や表現力を養うプログラムが用意されているところ。あるいは、進学塾とは異なるパズル系の塾や、サイエンス実験系の塾なども選択肢になります。試行錯誤をしてよく考える、あるいは実験を通して観察眼を養うのです。

二つ目はソクラテスメソッド(対話による学習)で教えてくれる塾や家庭教師に学ぶことです。集団を前にした講義形式ではなく、絶えず繰り出される鋭い質問に生徒が答えながら学んでいく方法です。

三つ目は、家庭教育の中で21世紀に必要な資質を磨くことです。私が小学生と一緒に勉強していて楽しいと思うことがあります。それは、こちらが問を投げかけると、自分の考えをしっかりと返してくる子とのやり取りです。一緒に解答を作り上げていく感じがするからです。

議論しながら解決策を探るという力は、大人にとっても重要なものです。普段から親子で疑問に思った事柄を、すぐに調べてしまわずに会話によって深掘りしていくのはとても良いことだと思います。

「あなたはどう思うの?」「それはなぜ?」と思いつきを口にするだけでなく、一歩突っ込んだ質問を受けることで、立ち止まって考える習慣をつけさせたいものです。「こんな風にも考えられるんじゃない?」と子どもが気づかない視点を提示するのも良いですね。

余談になりますが、テレビで内容についてつぶやきを同時に表示する番組があります。あそこに表示される意見のほとんどが、既に検討されたであろう浅はかなものばかり。今の若い人達はポケベルの昔からLINEの現在まで、思いついたことをすぐに発信することに慣れてしまっているのです。一旦飲み込んで咀嚼してから吐き出すということがないので、議論が深まりません。自分の中で発言する前に推敲し検討することが大切です。それが家庭でできたら素敵ですね。考える習慣を子どもに持たせてやりたいものです。

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