ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

一度はやっておきたい過去問分析

早いもので4月も下旬となり、ゴールデンウィークが近づいてきました。しかし、中学受験生がいるお宅では、連休だからと言って遊びに行くわけにも行きません。学校の授業や宿題がないこの期間に、苦手分野の復習をするなど時間を有効に活用したいもの。そこで、普段は忙しいお父さんが家にいるのであれば、この機会にご両親そろって志望校の過去問分析をしてはいかがでしょうか。

先日5年生のある生徒さんの保護者から、昨年の志望校説明会で入手した過去問を渡されて、算数の対策を立ててほしいとご依頼を受けました。そこでその学校の算数の入試問題で、どのような分野が多く出題されているのか、傾向を分析してみたのです。すると次のようなことがわかりました。

出題分野回数
割合8
食塩水の濃度6
速さの応用6
規則性と数列4
三角形の角度4
立体の体積4
円の周と面積3
公倍数と公約数3
その他文章題3
速さの公式3

過去3年分の第1回と第2回の入試問題から、出題回数が多い順に並べたものです。

この学校の場合は、「割合」「食塩水の濃度」「速さの応用問題」は、毎回出されています。だとすれば、この分野の問題は落とせません。したがって重点的に学習すべき課題だということがわかります。

進学塾のテキストには幅広い分野が取り上げられています。それは、出題分野に違いのあるどの学校にも対応できるように作られているからです。ところが、多くの学校では上のように頻出分野というものがあるので、早めに志望校を決めて対策することが、受験勉強の負担を減らし、効率的にすることにつながるのです。

出題傾向の分析には出題分野だけに限ったものではなく、問題の難易度がどうかという視点もあります。問題にA,B,Cの3ランクをつけておくと役に立つと思います。一行問題で出題された基本レベルならA、小問に分かれた応用問題ならB、出題のラストの大問や、最後から1問前の難しい発展問題ならCとします。

合格するために、入試で6割取ることを目標とするならば、C問題は手を付けない選択もあります。C問題としてよく出される分野なら学習を後回しにしたり、逆に他の受験生に差をつけるために、ここで点を取れるようにしたりする戦略もありえます。

算数だけでなく他の教科でも同じこと。理科・社会でも必ず頻出分野があるはずです。以前入試問題を分析した学校では、幕末の開国に関する問題が必ず出されていました。理社で全分野を暗記するのは大変ですが、頻出分野に絞って覚えれば大きな取りこぼしはないはずです。

国語についても、長文の長さや問題文の難易度が、お子さんの読書能力と釣り合いがとれているのか、出典の分野やテーマに特徴があるのか注目します。あまり読む力がないのに、難しく長文を読ませる学校は無いていません。また、読書用の本を買う際に、志望校に合った作品を選ぶのは理にかなっています。

孫子の兵法にも『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』という言葉がある通り、志望校の入試問題を知ることは、合格するために必要なことです。この後に、敵を知らないで戦ったら負けると続くのですが、中学入試でも同じです。第一志望校だけでなく、併願校を選ぶ際には、先の頻出分野で重複が多い学校を選ぶべきです。受験生の勉強の負担がそれだけ軽くなるからです。

志望校についての情報収集は塾任せにせずご家庭でも独自になさることをお勧めします。その上で塾に、「志望校はこれこれなのですが、入試問題の出題傾向を教えてください」と頼むのです。そうすれば、塾からの回答がよく分かるに違いありません。連休でお休みの父親を巻き込んで、志望校選びと入試問題分析をしてはいかがでしょうか。

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