ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

中学に入ってからも生きる中学受験勉強

秋も深まってくると受験生にとっては残り時間が少なくなり、ラストスパートのタイミングがやってきました。必死に受験勉強に取り組んでいることでしょう。そこで、今、受験生が必死に勉強していることが、中学校へ入学した後でどのように役に立つのかというお話をしたいと思います。

■小学校の勉強と中学校の勉強の質的違い

最近、中高生学習のサポートの依頼が増えてきました。毎月のように実力テストがあり、思うようにその点数が伸びないとお悩みなのです。そこで実際にお子さんにお会いして何度か勉強にお付き合いします。その中で気づいたことがあります。気づいたと言うよりは思い出したというべきでしょうか。中学受験を終えて、中学にお子さんが入学して、中学の授業が始まり、教科書などを見れば誰でもわかることなのですが。

それは、中学受験勉強が中学での学習の基礎力をアップさせるということ。受験をせずに中学に進む場合と比べたら、とても大きなアドバンテージがあります。中学入試問題の中には、そのまま中学校の定期テストに出されても通用する問題が数多く含まれています。それを過去に解いたことがあるのとないのとでは大違い。

もともと中1プロブレムという小学校と中学の不連続による、生徒の不適応が中学校で問題になっています。そのひとつの原因が、学習内容が小学校に比べて急に難しくなるという点です。

また、あまり指摘されていませんが、私はもうひとつ理由があると考えています。それは中学での学習スタイルが、科目名で算数から数学へと変わることからも分かる通り、高校・大学と進んでも、基本的には変わらないスタイルへと変化する点です。

事実・出来事・理論と理由・根拠がセットになって語られるようになるのです。小学校の間は自明の理として、詳しい説明がされなかったことにも、理由があったとわかります。また、仮定を事実に基づき証明する手法が理系の科目で取り入れられます。つまり学問としての基礎的なスタイルに則った学習へと変化するのです。

中学受験勉強をしていた方が、このスタイルの変化について行きやすいのではないでしょうか。というのは、自明の理や直感的にある法則が適用されるとして小学生時代に解いていた問題の、理解のプロセスを省略して理由を考えることに専念できますから。

■中学校で役に立つ勉強方法

受験勉強には明日につながるものと、そうでないものがあります。できれば今から、中学校で役に立つやり方にしておきたいものです。やみくもにパターンを覚えて得という方法は、中学受験が終わるとおそらく忘れてしまうでしょう。すると、こんな問題やったことがあるとは感じるものの、解き方はきれいサッパリ忘れてしまっています。

例えば算数。◯◯算という特殊算をパターンで解けるようになりました。これが中学校へ行くと方程式の単元で、自分で方程式を立てて解く文章題として出題されます。一次方程式の解法そのものは代入法と消去法であらゆる式が解けます。肝心なのは式を立てること。問題文を読んで、等しい関係の物を見つけ出すことが大事です。中学受験勉強でパターン学習して、できていたものが解法のパターンを忘れてしまうと、自分で等式を立てることができません。中学数学の最初の関門である、文字式と正負の数をクリヤーして代数計算ができたとしても、応用問題や証明問題でつまずくおそれがあります。

理社でも同じ。全体的な視点にたって事件や現象を理解してから、問題を解くように心がけていれば、後々役に立つ知識となるでしょう。そうではなく、細かい知識を覚えることに必死だと、入試が終了したらどんどん記憶から抜けていってしまうに違いありません。

こうした間違った勉強をしている生徒は、進学塾のテキストを自宅学習する際に、解説部分を読まずに飛ばして、いきなり問題からとりかかる生徒に多く見られます。

問題を解く→できない→解答を見る

というやり方をしていますが「これって、問題の前のまとめに書いてあったよね」と指摘すると「えっ?」と初めて知ったような顔をします。授業の理解が不完全で、その不完全な知識のままに問題演習に取り掛かっているのです。

問題を解く前に、単元の基礎を再確認するというステップを最初に踏むようにしたいもの。中学生でも学校の副教材であるワーク(問題集)をいきなり学習する生徒は多いようです。ですから、まず教科書の復習から始めようよということです。正しい学習習慣を身につけないと中学高校で伸びないので、その点も今のうちに確認しておきたいですね。

■高校受験に再チャレンジという選択

中学受験勉強で中学の学習の基礎が作れるということは、仮に中学入試で思ったような結果が出せなくても、その基礎力を生かして高校入試で再チャレンジするという選択もあると思います。中学受験勉強の基礎の上に中学の学習を積み重ねて、中学でトップレベルの成績を維持することができれば、中高一貫校とは違う選択肢もあるということを知っておいて損はないでしょう。

いずれにしても、中学受験勉強は、中学高校で無駄になることはありません。受験生はあと3ヶ月と少しで入試です。体調管理に気をつけて勉強に集中してください。

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