学校説明会に行く前にぜひ読んで欲しい!説明会の上手な利用法
■はじめに
2012年の中学入試もほぼ終息して、新6年生の授業がスタートしています。つまり2013年度入試の幕が切って落とされたわけです。新6年生はまだ志望校をきっちり決めているわけではないでしょう。真剣に悩むのは夏休み明けです。
志望校はパンフレットやホームページ、偏差値表では決められないもの。やはり一度は足を運んでおかないといけません。入学後に「こんな学校だとは思わなかった」と後悔することがないように。
実は受験生である6年生はとっても忙しい。土日の度に塾の講座やテストがあって、学校見学の時間が取りにくいです。できたら5年生の内に生徒本人の見学を済ませておきたいもの。もちろん保護者だけなら6年生でも学校見学は可能です。
説明会は例年ゴールデンウィーク過ぎから開かれることが多いのですが、新年度になったら気になる学校のホームページをチェックして、見落としがないようにしましょう。
■説明会の種類
説明会にもいくつか種類があります。まずは、規模による違い。複数の学校が集まって百貨店や展示会場などで行われる合同説明会。「私立中高進学相談会」「私学フェア」「◯◯受験相談会」というようなものです。
私学の協会が主催したり、塾が主催したりするものがありますが、内容はそれほど違いがありません。各学校のブースが設けられ、受験生の相談を受け付けます。学校パンフレットが積んであり、一度に集めることができます。制服の展示がなされていることも多いようです。
志望校が漠然としかイメージできていない場合に、まず合同説明会で候補を探すという使い方ができます。
次に各学校が催す学校説明会があります。実際に学校を見てもらって、特色をアピールし受験生に来てもらうためのイベントです。公開授業がセットになっていたり、もう少し広くクラブ活動なども見せるオープンキャンパス(オープンスクール)という形だったりします。さらには体験授業・模擬入学試験・クラブ活動体験・入試問題解説会などを実施する学校もあります。
また個別相談会という形で、一斉に説明するのではなく、個々の受験生の相談に応じる学校が増えています。見学も説明会以外の日でも電話などで予約すれば、個別に案内してくれる学校も少なくありません。こちらの方が普段の学校の姿を見ることができるかも知れません。
■学校説明会を見るポイント
学校を見る切り口はいくつかあります。1つ目は人的な面です。
先生方がどんな服装をし、話し方や応対はどうなのか。こうしたところに学校の姿勢というものが表れます。
生徒の服装は乱れていないか。ヘアスタイルやカラーはどうか。アクセサリー等をしていないか。中高一貫校の場合は中学生だけでなく、高校生についても同じチェックをしておいた方が良いでしょう。3年経つとそちらの仲間入りをするわけですから。ある有名大学附属中学に通っていた知人は「高校生になったら、腰パンで通うようになるなんて思わなかった」と言っていました。
学校内だけでなく、登下校の様子もチェックしたいもの。駅についてからら服装を整える生徒も少なくありません。また友達同士の会話というのも、学校では見えないところが見えるものです。
説明会に集まる保護者も観察しておきます。入学後に保護者会に来るとして、自分と違和感がない人達かどうか。私学の場合は、入学してみるとなんとなく保護者の雰囲気が似ていると感じることが多いものです。もし場違いな感覚がするようなら、注意したほうが良いかも知れません。
\2つ目はキャンパス。立地はどうなのか。所在地の交通の便、周辺環境を見ます。お子さんが通学することをイメージして、通学路を歩きます。夜暗くなってからどうなのかも忘れずに。
キャンパスの次は校舎。新校舎を作ると人気が出ます。しかしそれは一時的なもの。古い校舎でもきちんとメンテナンスがされていれば良いと思います。掃除については綺麗なら良いとは一概には言えません。学校の方針で掃除は生徒に任せている場合があるからです。生徒が満足するなら汚くても良いとする学校があります。特に男子校に多いのですが。生理的に我慢出来ない様なら、そうした学校は合わないでしょう。
運動施設も学校により色々です。都心の学校ではグラウンドが広くない。その代わりに部活で使える外部グラウンドがある場合もありますが、部活から帰宅する場合に郊外グラウンドから帰ることになるので、運動部志望の場合には注意しておきます。
3つ目はシラバス・カリキュラム。教育課程や指導方針など形に見えないけれども大切なポイントです。ここに学校の特色が表れていることも多いのです。
大学進学実績ですが、ホームページやパンフレットで公開されている数字が現役と浪人の区別がつくものかどうか。現役生の実績を知っておきたいもの。推薦入学の利用者数や主な推薦による進学先がわかるとなお良いですね。
学校による補習の有無や特別な受験指導があるのかどうか気になります。大学進学実績の高い学校でも、学校ではほとんど特別なことをしない学校も多く存在します。一方、大手予備校と提携して受験情報を学内で提供し補習を実施する学校も存在します。入学後に予備校に行くかどうかの判断の参考になります。
中高一貫校では系列高校へ進むわけですが、高校への進学に条件があるのかどうか、内部進学実績はどうなのかも確かめたいポイント。大学附属の場合は、同様に大学への内部進学実績も知っておきましょう。
校則によって生活指導の水準がわかるので、どのような校則があるのか知りたいところ。細かい校則が多い学校ほど、生活指導が厳しい傾向があります。男子校では下駄履きとオートバイ通学以外はないという学校もあります。アルバイトや芸能活動についても学校の姿勢が表れます。禁止・許可制・無制限など。
説明会にどのような服装で行ったら良いかというお尋ねがあります。学校という場所柄をわきまえた服装であれば、黒のスーツである必要はありません。カジュアルすぎず、かつ華美で派手な服装を避ければ良いでしょう。
子どもの同伴については、説明会で大人しくしていられれば、一緒でも構いません。ただし弟や妹など小さい子はじっとしていられないので、連れて行かない方が無難です。オープンキャンパスは子どもと一緒に見るように考えられていることが多いので、受験生同伴で大丈夫です。
体験授業は子どもに学校の雰囲気を味わってもらおうという試みです。4年生から参加できる学校も。中学受験に対する意欲を持たせるために早めに参加するのも良いかも知れません。ただし、子どもはちょっとしたことで学校を気に入ってしまうので、入学しても良いと思う学校に絞らないと、志望校決定の時に困ることになります。
新学期がスタートしたら、早めに情報を集めて、学校見学の予定をスケジュールに組むようにしましょう。
2011年度に体験授業を実施した学校を紹介しておきます。(ここに挙げた学校が全てではありません。また2012年に実施されるかどうかはご確認お願いします)
- 足立学園中学校
- 鴎友学園女子中学校
- かえつ有明中学校
- 川村中学校
- 神田女学園中学校
- 北豊島中学校
- 共栄学園中学校
- 京華女子中学校
- 恵泉女学園中学校
- 工学院大学附属中学校
- 攻玉社中学校
- 麹町学園女子中学校
- 佼成学園中学校
- 駒込中学校
- 芝浦工業大学中学校
- 実践学園中学校
- 十文字中学校
- 聖徳学園中学校
- 女子聖学院中学校
- 女子美術大学付属中学校
- 聖ドミニコ学園中学校
- 青稜中学校
- 多摩大学目黒中学校
- 帝京中学校
- 東京女子学園中学校
- 東京農業大学第一高等学校中等部
- 富士見丘中学校
- 文京学院大学女子中学校
- 村田学園小石川女子中学校
- 目黒学院中学校
- 山脇学園中学校
- 立教女学院中学校