中学入試の面接と合否
2012年度の入学試験の先陣を切って私立小学校入試が行われました。学力の定まっていてない小学校入試では面接が合否に占める比重は大きいと言われています。ではこれから行われる中学入試ではどうなのでしょうか。
■ 入試で面接のある中学校は多い?少ない?
入学試験を受験生が受けやすいシステムに変えて、志願者を集める競争が行われるようになったために、面接を行わない学校が増えてきました。特に男子校では数少なくなって来ました。しかしながら伝統のある学校や大学附属中学、共学校などでは面接が残っているケースが多く見られます。面接の有無で志望校を変更する必要はありませんが、お子さんの志望校に面接があるかどうかは意識しておいた方が良いでしょう。
■ 面接と合否の関係
ごく一部の学校では面接の合否に占める比重も小さくないということがありますが、一般的には学力試験を補うものと考えて良いでしょう。入学後に校則を破って学校に迷惑をかけるような生徒であるかどうかチェックするのが主な役割です。また合否線上に同点で複数の生徒がいる場合に、どの生徒を合格とするかの決め手に使われることもあります。
過去に公立高校の入試で、茶髪を理由にした志願者の選別が問題になったことを見てもわかるように、服装や態度が極端な場合に私学ではより厳しく見られることは想像に難くありません。どんなに学力があっても不合格となる場合があることは知っておいてください。
■ 面接対策は必要か?
さてお子さんの志望校に面接があった場合に特別な対策は必要でしょうか。特別な対策は不要と言いたいところですが、まったく何もなしで面接に臨むのは冒険だと思います。もちろんお子さんも保護者も人前で話すことに慣れているから大丈夫とおっしゃるなら別です。
志望校に面接がある場合には、どのような形態で行われるのかによって、事前準備が変わってきます。
- ・受験生のみ個人
- ・受験生のみグループ
- ・受験生と保護者同時
- ・受験生と保護者別
いずれの場合も志望動機についてはしっかり答えられるようにしましょう。保護者の面接も行われるならば親子ですり合わせをしておくようにします。一言一句同じにする必要はありませんが、家庭の方針に合致していると理解してもらえる程度には近づけたいもの。入学願書に記入した内容は保護者と受験生が面接前に確認できるように、コピーを残しておくべきです。
また受験生は初対面の大人から質問されて答えなくてはならないので、想定問答集のようなもので練習をしておくと良いでしょう。合否への影響が大きくはないとしても、しどろもどろになることは避けたいです。
グループ面接の練習はそうそうできるものではありません。通っている進学塾で模擬面接を実施してくれれば助かります。そうでなければ家族が他の受験生の代わりをしてシミュレーションすることぐらいでしょうか。
特別な対策が不要としても、面接における常識は守りましょう。入退室の仕方や挨拶をきちんとすること。保護者が子どもの代わりに答えたり遮ったりしないなどです。
宗教を教育に取り入れている学校では、その宗教についてどう考えるかを必ず聞かれると思って答えを準備しておきましょう。受験生は立派な答えをする必要はありませんが、子どもらしく超自然的なものに対する気持ちがお話できれば良いと思います。
服装は「お受験」と呼ばれる小学校入試と異なり、紺で統一する必要はないでしょう。「入学試験」という場に相応しいものであれば何でもよいのです。特別派手な色使いやキャラクターものは避けると言った気遣いはした方が望ましいですが。最近の小学生の女子の中には、中高生に近いファッションを着こなす生徒がいます。けれども入学試験はファッションをアピールする場ではないので、そこはよく話して納得させましょう。
面接当日の注意点ではありませんが、ひとつ気をつけておきたいことがあります。出願の日時によって面接の時間が決まってしまう学校です。筆者はその点をよく知らずに出願が遅れ、入試当日に学力試験の後で面接までの長い時間子どもを待たせることになってしまいました。
入学試験が連続するさなかだったので、できるだけ早く終えて帰宅させるべきだったと後悔しました。こうした情報が募集要項にない場合は、前年の受験生や進学塾などから教えてもらえるといいですね。 面接の練習をしておきたいという方は、大きな書店には中学入試の面接に関連した本があるでしょうし、DVDなどで面接練習することも可能です。備えあれば憂いなしです。