ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

東大生3+2の家庭教育

2010年3月の記事で、お子さん3人が東京大学卒業された後藤さんの話を書きました。実は私の子どもは2番目の娘と次の息子が東大生です。

東大生と言っても、もちろん十人十色でみな同じわけではありません。それでも身近な5人のサンプルがありますので、そのこどもたちにどこか共通点がないか、最大公約数的なものを考えてみたいと思います。

■本が好きな子ども

後藤さんの息子さん達は読書好きだったとありました。世界児童文学全集や吉川英治全集を読破したそうです。我が家の子ども達も本好きという点では同じです。小学生の時には母親の書棚から大人の小説を読んでいました。娘が最初に手にとったのは浅田次郎の直木賞小説「鉄道員」だったと記憶しています。息子もハリーポッターシリーズを小学校中学年から読み始めました。

また図書館にも頻繁に通い、一度行くと2〜3時間とどまり静かに本を読んでいたとのこと。我が家も図書館は大好きでした。子どもたちがなかなか帰りたがらないので、家族分の冊数の本を借りて家で読むということにして帰りました。

小さい頃から図書館のような所に行くと、子供心に「静かにしていなくてはいけない場所」ということが理解できるのか、おとなしく過ごせるようになるものです。また自由に本を選べるので(買うとなると選択肢が狭まります)、子どもが手にとった本はどんなものでも借りました。この「自分の好きな本が選べる」ことが大切な気がします。

■家族の団らん

後藤家では食事時間にテレビはつけないで親子の会話の場としていました。実は我が家でも同じです。今時珍しく家族団らんのある食卓です。ただ受験勉強するようになると、普段テレビを見られないので食事時間だけテレビをつけるという、真逆のパターンになっていましたが。しかし、みなよくしゃべるのでテレビが点いていても注目度はあまり高くありません。いつ口を挟もうかと順番を狙っている状況が今でも続いています。

テレビとの付き合い方も「決まった時間に、見たい番組だけを見る」「観終わったら消す」という点では同じでした。常時テレビがついているという状態が続くと、テレビの音をうるさく感じるようで、見ている人がいなければ、誰かが消すというようになります。

■家庭学習

中学受験の勉強について後藤さんは塾任せとおっしゃっています。我が家でも普段の勉強は家で親が教えるということはしませんでした。苦手科目の苦手分野だけ、塾の課題も解らないというような時だけ、家族の誰かが自分の得意分野でアドバイスをするという形をとりました。親がつきっきりで勉強を見る時間は共働きの我が家にはありませんでした。

ただ後藤家との違いは、幼児期に簡単なプリントを始めてそれを小学生まで継続し、学習習慣をつけたことでしょうか。1日10分で済むようなものを365日ほぼ同じ時刻に毎日やっていると、習慣としてそうしないと落ち着かないようになるもの。

習慣付けされてしまえば、親は「勉強しなさい」と言う必要がありません。TOSSを始められたベテラン教師の向山先生も、子どもの学習習慣付けには2〜3年かかると言っています。

■親の手のかけ方とバランス

実は後々「自分は放任です」とおっしゃる後藤さんでも、長男の子育て時にはトイレットトレーニングを熱心に行い、しつけにも厳しくしていたそうなのです。早期教育にも関心を持ったとのこと。私の妻も過去を振り返ると最初の子にはかなり厳しかったと思います。

やはり初めての子育てというのは力が入って、熱心さのあまり厳しくなりがちなのです。親としての自分も若くて理想が高く、その上経験が浅いため子どもをよく知らないからです。政府の調査によると、今はひとりっ子家庭が結婚4年目までは約45%、10年未満でも約27%あり、2人の子どものいる家庭でも年齢が離れる傾向があって、ひとりっ子の期間が長いという傾向があります。子どものしつけに厳しい、教育に手をかける家庭が増えるのはやむを得ない状況です。

その点を自覚した上で一歩下がって、適度に手を抜くと良いと思います。後藤さんがそうすることで楽になったと言われるように、親自身が笑顔でいられない状況では、子どもに良いわけがないということです。我が家でも上の子が「どうして妹、弟たちには甘くなったの?私はもっときびしくされたのに」と文句を言いますが、妻は「親だって成長するのよ」と笑い飛ばしています。

そうは言ってもひとりっ子のご家庭では突然に兄弟が増えたりはしませんが、後藤さんがうまいアイディアを出されています。「上にお兄ちゃん、お姉ちゃんがいたら?」と想像するのだそうです。下の子だと思えば、「まだできなくても仕方がない。いずれできるようになる」と思えます。

また、上の子がいるつもりでおもちゃや本を買い与えると、必然的に精神年齢が少し高いものを選ぶようになるため「兄弟の下の子は成長が早い」状況をひとりっ子でも作り出せるそうです。

■まとめ

子どもが少ないとギチギチに固めて管理してしまいがちですが、大きな枠を設けてそこをはみ出さなければ自由にさせるという育て方が、後藤家と我が家と似ているかなと思いました。牧場で馬を放牧している感覚と思ってください。柵の外へは出られませんが、その中なら自由に走り回れます。

たくさんの知識の上にそれを使いこなす力を育てるには、はやり枠にとらわれない発想が必要です。それには子どもの頃の自由闊達さを失わずに成長することが近道だと思うのです。

東大生だから特別とか偉いとかいう訳ではありません。自分の子どもだと余計にそれがよくわかります。「世の中には自分より頭のいいやつがたくさんいる。オレなんかまだまだ」と息子が言います。社会では上を見たらきりがありません。

自分のできることをやれる子どもに育てば、それで良いのではないでしょうか。

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