ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

普通の学習と中学受験勉強の違い

このところ中学受験しない小学校高学年の生徒との接点が増えてきました。今の公立小学校に通っていて、中学受験しないで高校入試に目標を置いている生徒の勉強はどんなものか分かってきました。

自分の子どもを含めて中学受験をする生徒の学習内容とのギャップに正直驚いています。しかし、そのために中学入試に合格する勉強の特質のようなものも見えてきました。今回はその点について書いてみたいと思います。

■中学受験勉強は明確なゴールがある

公立小学校のカリキュラムは学習指導要領に基づき、小中高の6・3・3制における初等教育で必要な知識とその応用力の養成が目的です。ですから教科書は基礎・基本の事項から作られています。最近は公立小学校でも全国学力調査を意識してか、練習問題を宿題として与える学校が増えています。けれどもそれは中学入試では出題されることのない基本問題が中心です。

一方で入試というのは志願者を選抜する目的がありますから、小学校のテストのように学習内容の理解度確認のために、満点が狙えるようなものではありません。合格最低点は満点よりずっと低く50%から高くても70%程度でしょう。

スポーツの技能と同じように、あるテクニックができる人とできない人を振り分けるという側面がどうしても出てきてしまいます。典型的な出題パターンに対応できるかどうかは、この中学受験生としての基本技能が備わっているかどうかにあたります。

■中学受験ではスピードが必要

小学校の練習問題は家庭で解くことが多いので、時間をかけても提出できればあまり問題にされません。中にはプリントを終えるのにかかった時間を書かせ、スピードを意識させる先生もいます。できるまで何度もやり直させるというのは私立小学校では見られますが、普通はそこまでしないでしょう。

入学試験には試験時間が設定されているので、ある程度の処理スピードが必要です。ですから「パパとママの勉強部屋 プロ家庭教師からの必勝アドバイス」にあるように、計算でも暗記が必要となります。例えば平方数を4,9,16,25,36,49,64,81,100,121,144…と記憶するなど。

それと算数では、どの解法で解くかをじっくり考えて解ければよしとするのではなく、問題を読んだら解法のパターンがパッと浮かぶ演習量も必要になってきます。

■学習内容が格段に難しい

改めて公立小学校の生徒向けの学習内容を見ると、中学入試問題の落差の大きさに頭がくらくらします。それほど中学入試問題は難しいのです。ですから中学入試レベルの問題で偏差値50、真ん中の成績というのは平凡なものではありません。スポーツで言えば運動会で競うのと、県大会で競うくらいの差があるからです。

学習指導要領のカリキュラムでは中学受験で必要な重要単元の学習が6年まで出てこなかったりするため、小4くらいから先取りしなくてはなりません。まだ幼さの残る生徒では難しく感じる内容も多々含まれています。始めから多くを期待しすぎると子どもに不必要なプレッシャーを与えることになってしまいます。

■学習するかしないかは生徒次第

公立小学校では、クラスにいる生徒のばらつきが塾よりも大きく、先生はいかに全員を引っ張っていくかに注力します。遅れている生徒にもパワーを割かなくてはなりません。

進学塾では「教材とカリキュラムには絶対の自信があるから、後は生徒が付いてきてください」というスタンスのところがほとんどです。家庭学習をやるかやらないかは生徒次第。授業について来られるかどうかも生徒次第。あるトップレベルの塾の算数授業を見学しましたが、「おい、ついて来られているか?目が泳いでいるやつがいるぞ。このレベルの問題でつまずいていたらダメだぞ」と講師が言っていました。

だからと言ってその後に詳しい解説はありません。基本問題だからできて当然という雰囲気。「◯◯君、できたか?」「はい、○○です」「正解!」「これくらいの時間で◯◯君はできています。できる子がいるということは、みんなもそうなれるということです」

私は内心「生徒はしんどいだろうな」と思いました。

■親の関わり方が大きい

公立小学校の学習では、宿題をちゃんとやっているかどうかフォローしておけば、親のすることはあまりありません。

ところが進学塾の課題では、塾と子ども任せにしていると消化不良のまま積み残しができたり、長時間学習しているのに成績が上がらなかったりということが起こります。よほど面倒見の良い塾でない限り、一人一人の学習定着度をこまめにチェックすることは期待できません。あくまでカリキュラムの確認テストや月例のテストの結果で判断されます。どうしてそのような結果になったのかは、後からでしかわかりません。

予習復習がきっちりできているか、問題のレベルが子どもに合っているのかは、親が子どもをよく観察する必要があります。

また筆者の感覚では志望校選択のアドバイスも以前ほど細かくないというか、家庭のいうことをそのまま聞く塾が増えているように感じます。受けたい学校を受けさせるような。そうでなくても志望校選択には親が関わらざるを得ないのですが。この親の関与の度合いが大きいということが、意外と知られていないようです。保護者で中学入試経験者はまだそれほど多くないので、どうしても高校受験と比べてしまうからでしょうか。

したがって子どもが塾から山のようにプリントを持って帰って来ても、読むのはお知らせとテストの結果。教材はあまり見られません。子どもが「どんな単元を学習しているのか」「理解できていそうか」「好きな単元なのかキライな単元なのか」「前回よりも伸びているのか」など注意して、問題を感じたら塾に働きかけてアドバイスを受けるようにしたいもの。

塾に入れたら任せしっぱなしではいけません。個々の生徒に目を配るというのは塾の先生にとっても大変なのです。「あの子は最近〜だな」とは思っていても、なかなかアクションを起こしにくい。そんな時に家庭からヘルプがあれば、動いてくれるはずです。

中学受験をするということは、小学生にとっては大変なことがお分かりいただけたと思います。家族の協力があって成り立つものなので、お子さんの様子を常によく観察して、励ましながら入試まで向かっていって頂きたいと願います。

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