攻略!早稲田中の国語

第1回 平成15年度から17年度の問題より:
段落構成・穴埋め問題

貝塚講師(中学受験鉄人会スーパープロ家庭教師)

 

 今回より、「早稲田中の国語対策」を本欄で連載致します。早稲田中ではこれまで、百字超の記述問題や、高校生でも解けないような語句問題が出題されることはなく、問題はスタンダードな出題型式と言えるものでした。それでも、出題される文章は長文が多く、また説明文が随筆的な要素を含んでいることもあり、独自対策が不要とは決して言えません。また、この数年で同校の記述問題は以前よりも増加しており、今後もその傾向が強まらないとは言えません。より精密に独自対策が必要となって来ています。

 そこでこの欄では、まず平成15年度から17年度の過去問題を題材にして『段落構成・穴埋め問題』『記号選択・漢字語句問題』『抜き出し問題』『記述問題』と、問題型式別の対策方法を挙げ、そのうえで『早稲田中の物語文』『早稲田中の説明文』とジャンル別対策へ進む中で基礎力を構築させたところで『過去3年間の1・2回の徹底分析』に進むことで、実践対策まで対応して行きます。

 まず今回の『段落構成・穴埋め問題』についてですが、これは単純に「得点しやすい問題群」として挙げたものではありません。「平成19年度・第1回」の問題構成を見ると、以下の通りとなっています。

  • 2大問出題:設問数13題
  • 「条件記述」2問、「書き抜き」4問、他は「漢字書き取り」と「選択肢」の問題
  • 推定配点(「声の教育社」版による):【60点満点】条件記述:5点×2問、書き抜き:5点×2問、4点×2問、記号選択問題:各4点、他漢字・語句:2もしくは3点

 上記の推定配点によりますと、「条件記述」「書き抜き」で60点満点中28点を占めることになります。必ずしも記述が得点しづらいものではありませんが、やはり対応のしづらさから考えますと、これまでの合格平均点が35〜45点であるだけに、60−28=32点の中でどれだけ確実に得点するかが、必須条件となります。  つまりは今回取り上げます『段落構成・穴埋め問題・記号選択』は、「より短時間で解き、より確実に得点することが不可欠」な単元となります。

(1)『段落構成について』

 まずは段落構成ですが、設問のパターンとしては、「平成16年度第2回」の大問第2問・問2のように、「文章をふたつに分けた場合、二段目はどこからか」といった標準的なかたちや、「平成15年度第1回」の大問2問・問2のように「『破滅の道』とありますが、その結果を最もよく示す段落を選び、番号で答えなさい」といった、段落をピックアップする問題も出されています。そうした構成そのものを問う問題はなくとも、「段落構成」は文章読解では不可欠な要素です。特に説明文では、構成を理解できれば文意も把握しやすくなることは鉄則ですので、普段より注意が必要です。

【対策方法】

 

 基本的な対策方法は、他校対策と大きく変わりはありません。つまり

  1. 先に問題を見て、段落関連の出題がないか確認、あれば「段落分け」を意識しながら読むこと。
  2. 「次に」「ところで」といった転換の接続詞には絶対に注意。 といったことを改めて出来ているか確認をしましょう。特に(1)については、問題を解き進めるスピードにも関わってきますので、慣れることが必要です。

 そのうえで、早稲田中対策として特に気をつけるべきことは、「まぎらわしい違いに絶対に惑わされないこと」です。

 例えば先述しました「平成16年度第2回・大問2門・問2」では、確実な判断材料として「では次に…」といった語句が出て来ます。ただし、その先にまた「次に…」と類似する語句が現れます。この場合、後の「次に…」はそれまでの流れに含まれる「小分け」の内容になることが、注意深く読むことで見えてきます。また「平成15年度第1回・大問2問・問2」では、第4段落と第5段落で迷わされます。そこでポイントとなることは設問の「結果」という言葉です。内容であれば第4段落の方がより詳しく書かれています。しかし、その結果は第5段落に書かれています。いずれの例をとっても、限られた時間で間違いなく対応するには、より注意深く問題に臨む習慣がなければならなくなります。

(2)『穴埋め問題』

 出題数の多さで言えば、この「穴埋め問題」の量が早稲田中の特徴のひとつと言えるかもしれません。またその出題パターンも、

  1. 接続詞や副詞の選択:「しかし、また」などの接続詞と、「まばらに」「はなはだしく」「のんびりと」などの副詞が出されます。
  2. 語句やことわざ・慣用句の選択:「ガラス細工(平成16年度第2回・大問2問・問2)」や「寄らば大樹の陰(平成17年度第1回・大問2問・問5)」などの出題です
  3. 空文補充

【対策方法】

 上記のうち、(1)(2)については、ある程度対策方法は確立されています。「文を読みながら設問該当部にあたったら問題を見て埋めてゆく」かたちです。時間配分の点からも、一度読み通してからまた戻っていてはロスが大きくなりますので注意しましょう。

 問題は(3)です。
 この空文補充型問題は早稲田中の特徴のひとつであり、かつ上記(1)(2)のようにスピードを重視して「読みながら解くかたち」で対応できる問題ではありません。

 具体的に「平成15年度第1回・大問2問」を見てみましょう。内容は早稲田らしい随筆的要素の多く含まれた説明文です。「穴埋め問題」は問4と問6で出題されています。

問4:登場人物の台詞の穴埋めです。娘が父親に対して発した言葉で   「見て!パパ、[ A ]」のAに入る選択肢として、
   ア・牛の絵よ  イ・神様の絵よ  ウ・先史時代の壁画よ      エ・パパの探していた壁画よ

からの選択となります。

 ここで、直感として「ア」が近いと見る生徒さんが多いと思われますが、どこの塾でも直感で解くことは禁止されているはずで、そこには必ず「確かな根拠」が必要になります。
 ところが、この「根拠」が本問では近くで見つけることは出来ません。
まず、「娘に考古学の知識がない」という前提から「ウ」を消すことまでは進めますが、その後は、文全体を最後まで読み、父が壁画を探していないことを確かめて「エ」を消し、最終段落にある「動物の本質をとらえた」の表現を見つけて、「ア」に至ります。

問6:ピカソの言葉として、
   ア・われわれは何も進歩していない
   イ・われわれが学ぶものはない
   ウ・われわれとアルタミラがめざすものは違う
   エ・われわれとアルタミラがめざすものは同じだ

からの選択になります。

 明らかに「ウ」と「エ」は相反する内容ですから、どちらかが消えます。直前に「現代のわれわれと同じではないか」の文言がありますので、「ウ」を消去、そこから「ア」「イ」「エ」は同じグループでの識別となり、「学ぶことは前提」のため「イ」を消し、「めざすもの」が明確に示されていないため「ア」を選ぶ結果となります。

 両問を見てみても、「穴埋めは読みながら解き、少しでも短時間で」といった鉄則は当てはまりません。まず何を埋めなければならないか、読んだその場ですぐに対応出来るものなのかの区別が必要です。特に選択肢問題であれば、読みながらの対応は避けて、文全体を確実に読み通してから「文意に沿って解く」べきとなります。

以上、今回の内容をまとめますと、

 段落構成の問題では、接続詞などの基本要素に注意しながら、問題をよく読み、紛らわしい区別に注意すること。
 穴埋め問題は、読みながら解く接続詞などの語句関連と、文意全体から内容を問う問題を確実に区別し、後者に関しては、より広い範囲で文章を見渡すこと。

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