中学入試合格実績に見る各塾の特徴

 このコーナーでは、大手塾が発表した合格実績をまとめた結果から「数字から見ることができる塾の特徴」を分析いたします。

2010.03.19
2010年度中学入試 合格実績に見る各塾の特徴

3月に入り、各塾の入試分析報告会が催されるなど、本年度の受験も総括の時期に入りました。 そこで今回は、大手塾が発表した合格実績をまとめた結果から、「数字から見ることができる塾の特徴」を分析することとします。

まず今回の分析の要素となる数値のデータ元については以下の通りとなります。

  • ・塾の合格実績:各塾のHPで発表された数値。2010年2月末時点の結果による。
  • ・学校発表の合格者数:各学校のHPで発表された数値、森上教育研究所にて集計された結果による。
  • ・学校偏差値:昨年12月の四谷大塚・第4回合不合判定テスト80偏差値による(共学校については、 男子と女子の平均値とする)。
  • ・塾生数:サピックス、早稲田アカデミーについてはHPで公表された数値、日能研・市進学院については、読売新聞社『中学受験パーフェクトガイド2010』(編集協力・森上教育研究所)に記載の2009年度の数値をそのまま活用する。数値は以下の通り。

サピックス=4,496名、日能研=8,600名、
早稲田アカデミー=3,800名、市進学院=3,600名

また、塾の違いをより実態に合わせるために、以下のふたつの「比」を算出しました。

  • ・塾生比:塾全体に対する合格者の割合(合格者数÷塾生数×100)
  • ・ 学校比:学校発表の合格者人数に対する割合(合格者数÷学校発表の合格者数×100)

例えば同じ学校に塾Aが100名、塾Bが60名の合格実績を挙げたとして、塾Aの塾生数が8000名に対して塾Bが4000名とすると、塾生比は塾Aが100÷8000×100=1.25、塾Bが60÷4000×100=1.5となります。ただ単に合格者の絶対数で比較するのではなく、塾の規模の違いを考慮することで、塾の持つそれぞれの学校への「合格力」をより鮮明に浮かび上がらせることが目的です。

それでは以上のデータを元に、塾ごとに今年の傾向を分析して行きます。

【サピックス】
〜難関校での圧倒的な強さ。慶應系、男子上位校での優位。

「難関校を狙うのであればサピックス」の定評が、今年のデータでも裏づけされる結果となりました。
※( )内は偏差値を表します。 

開成(69)塾生比4.2学校比47.4
桜蔭(68)塾生比3.1学校比54.5

男女御三家のトップ校で、学校比が50%前後にまで届いています。合格した人数のうち半分はサピックス生ということとなり、驚異的な実績と言えるでしょう。塾生比の判断基準がわかりづらいですが、御三家に対して2.5以上の数値を出した塾は他にありません。それだけ突出した数値と言えます。

麻布(64)塾生比3.7学校比39.3
駒場東邦(64)塾生比2.9学校比47.6
武蔵(62)塾生比1.1学校比27.0
女子学院(66)塾生比2.1学校比35,9
雙葉(64)塾生比1.0学校比39.0
渋谷幕張(67)塾生比5.8学校比33.3

御三家ならびに最難関校でも、駒場東邦で50%近くにまで達するなど、学校比を見るだけでもサピックスの強さが十分うかがい知ることができます。武蔵・雙葉の塾生比が1.0前後というところにサピックスの特徴が伺えますが、それでも学校比では武蔵27.0、雙葉39.0と高い数値を挙げており、難関校ではサピックスの強さが今年も維持されました。

神奈川男子御三家でも同様の強さがうかがえます。

聖光学院(67)塾生比3.7学校比44.2
栄光学園(65)塾生比3.2学校比51.8
浅野(63)塾生比4.1学校比31.0

栄光学園でも桜蔭と同じく、半数以上がサピックス生という成果が上げられています。

その他、男子上位校でも以下の人気校でサピックスの強さが目立ちました。

海城(59)塾生比3.8学校比38.6
芝(57)塾生比3.1学校比31.5
巣鴨(55)塾生比3.2学校比45.7

最後に慶應についての結果を以下に記します。驚くべき数値となりました。
※ 慶應中等部については本稿執筆時点で合格者数が未発表でした。

   
慶應普通部(63)塾生比2.4学校比61.1
慶應湘南藤沢(65)塾生比2.0学校比40.8

あくまでも数値を集計した結果ですので、その背景・理由にまでは推測も及ばないところですが、学校比が61.1、慶應普通部に合格した生徒さんの6割がサピックス生、という状況は圧倒的でした。

【日能研】
〜満遍なく広いエリアでの高い実績。女子上位校での優位。

難関校での実績では、数値のうえではサピックスの独走に差を開けられてしまった感は否めませんが、それでも日能研の強さを物語る数値が多く見られました。  まずエリアとしては、神奈川での実績が以下の通りとなります。

フェリス(63)塾生比1.0学校比44.5
横浜雙葉(60)塾生比0.4学校比29.2
横浜共立(59)塾生比0.7学校比24.8
湘南白百合(58)塾生比0.6学校比40.5
鎌倉学園(55)塾生比1.4学校比39.3
逗子開成(55)塾生比1.6学校比34.3
神奈川大附属(54)塾生比1.8学校比42.0
桐蔭中等教育(53)塾生比1.3学校比52.0

フェリス、桐蔭中等教育の学校比で44.5、52.0という高い数値を挙げていながら、塾生比が1.0、1.3というところに、日能研の規模の大きさと、満遍なく合格者を出している特徴がうかがえます。浅野・聖光学院・栄光学園の神奈川男子御三家では学校比でサピックスに及ばない結果とはなりましたが、神奈川女子御三家をはじめとする上記の学校については、逆に学校比でサピックスを上回る結果となりました。

また、千葉・埼玉でも以下の通りに高い数値を挙げています。

栄東(60)塾生比7.7学校比39.4
立教新座(60)塾生比3.1学校比26.1
埼玉栄(42)塾生比3.3学校比42.1
専修大松戸(54)塾生比2.3学校比28.8
国府台女子(53)塾生比1.7学校比31.7

上記学校は1月入試になるため、どの塾でも塾生比が2月校より大きく上がります。注目すべきは学校比で、いずれもサピックスや、千葉に強い市進学院(後記参照)を上回ります。広いエリアに教室を有し、満遍なく実績を挙げる日能研の強さがうかがわれると言えるでしょう。

その他、東京の女子上位校でも以下のような結果を挙げています。

香蘭女学校(56)塾生比0.5学校比21.6
大妻(56)塾生比1.7学校比33.7
品川女子学院(54)塾生比0.9学校比25.9
田園調布学園(54)塾生比1.5学校比34.7
富士見(53)塾生比1.1学校比30.0

上記のような近年の人気上昇が著しい学校でも、塾生比・学校比ともにサピックスを上回りました。

【早稲田アカデミー】
〜難関・上位校で大きく躍進。早稲田系での優位は譲らず。

本年度も、早稲田系での実績は堅実な強さが見られる結果となりました。

早稲田(63)塾生比3.9学校比33.6
早稲田実業(65)塾生比1.8学校比46.2
早稲田高等(61)塾生比1.6学校比44.0

特に早稲田実業ではサピックス・日能研を大きく上回るかたちとなりました。また今年新設の早稲田高等学院でも他を振り切って、50%に近づく高い成果を挙げました。

また、今年は女子御三家での躍進が光りました。

桜蔭(68)塾生比1.0学校比15.0
女子学院(66)塾生比1.7学校比24.7
雙葉(64)塾生比1.0学校比31.4

注目すべきは塾生比で、サピックスの値と比較してみると桜蔭こそ3.1には及びませんが、女子学院ではサピックスの2.1に猛追、雙葉にいたっては同じ1.0という結果になりました。雙葉では学校比でもサピックスの39.0に迫る数値となっています。

また、男子御三家の中で武蔵については、

武蔵(62)塾生比1.3学校比28.1

塾生比ではサピックスの1.1を超え、学校比では全体生徒数の多い日能研の29.8には僅かに及ばないものの、サピックスの値は上回る結果となりました。

NNなどでの志望校対策が充実してきたことにより、男女御三家クラスでもサピックスと競えるかたちに近づいてきたこと、特に雙葉・武蔵といった比較的サピックス生の塾生比が高くない学校では、早稲田アカデミーの実績がアップしていることが判ります。

早稲田アカデミー実績の本年度の特徴として、附属校での強さも目立ちました。早稲田系はもちろんのこと、立教、明治の附属校で高い数値が出ています。

立教新座(60)塾生比7.2学校比26.9
立教池袋(59)塾生比0.9学校比38.5
立教女学院(61)塾生比0.7学校比23.3
明大明治(62)塾生比2.0学校比27.0

上記4校は、近年特に人気を集めている大学附属校の中でも偏差値上位に位置する学校です。そうした学校での学校比でサピックス・日能研を上回っているところに、早稲田アカデミーの実力が発揮されていると言えます。

その他、以下の学校では塾生比に注目して下さい。

本郷(61)塾生比3.1学校比21.9
城北(53)塾生比3.6学校比22.7
吉祥女子(60)塾生比2.2学校比20.3
淑徳与野(57)塾生比3.2学校比20.2

全体の塾生数の違いから、学校比では日能研に届かない結果ではありましたが、塾生比では他を上回る結果を残しています。

【市進学院】
〜千葉・茨城地区での高い実績を堅持。

市進学院といえば千葉県・市川市から塾展開をスタートしたこともあり、千葉地区での実績にはこれまでも高い評価を得てきました。今年度も以下のような実績を残しています。

昭和秀英(58)塾生比3.1学校比29.1
江戸川取手(58)塾生比6.0学校比28.3
芝浦工大柏(56)塾生比3.0学校比36.1
千葉日大一(45)塾生比5.9学校比31.9

上記については、塾生比、学校比ともにサピックス・日能研・早稲田アカデミーを上回る結果となっています。千葉難関校の渋谷幕張・市川・東邦大東邦については以下の通りの結果となりました。

渋谷幕張(67)塾生比2.7学校比12.3
市川(62)塾生比6.9学校比18.0
東邦大東邦(61)塾生比6.8学校比20.7

渋谷教育幕張についてはサピックスの優位には及ばず、また市川・東邦大東邦でも絶対的な全体塾生数の違いもあり、学校比では20%に届かない水準になっています。ただし、注目すべきは塾生比です。渋谷幕張については、サピックスには届かないものの、日能研とはほぼ同値でした。市川ではサピックスに次ぐ値で、東邦大東邦にいたっては他を上回る結果になっています。

同じことは以下の学校でもあてはまります。

専修大松戸(54)塾生比3.1学校比16.1
国府台女子(53)塾生比2.8学校比21.1
江戸川女子(49)塾生比2.6学校比47.7
 

学校比では、千葉にも多くの教室を有し、全体塾生数でも圧倒的な日能研にはどうしても及びませんが、それでも塾生比では確実に他を上回っています。
 また、県立千葉の結果は以下の通りになります(県立のため偏差値は表示しません)。

県立千葉塾生比0.7学校比30.0

もとより県立のレベルが非常に高い千葉で、合格者数80名という少ない枠での厳しい競争の中、塾生比・学校比ともにトップの値となりました。

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