第5回 - 太陽と気温の勉強 -
安達めぐみ講師(鉄人会レギュラープロ家庭教師)
6月から7月は、一年で最も日長が長い時期ですね。午後六時を過ぎても明るいので驚かされるときもあります。日本(関東)ですと、夏至の前後には、昼の長さ(日長)が14時間にもなります。今年の夏至は、6月21日です。
小学生理科では、太陽の動き(透明半球での太陽の道すじ)とともに、太陽高度、気温、地温、温度の測り方(百葉箱の使い方、ぼう温度計の読み方)を勉強します。
更には、水温(海水の温度)、天気、降水量、湿度を総合して勉強することもあります。
ここでは、折れ線グラフ、透明半球や太陽と地球の位置関係図といった立体的な図を読むことが、最も大切な基礎になります。折れ線グラフでは、横軸(時間毎か、日毎か、月毎かを判断します)と縦軸(温度(℃)と太陽の南中高度(°)が左と右に分かれて表されることもあります)を判断します。
代表的なグラフは、
- 1)気温、地温、太陽高度の1日の変化と、
- 2)気温、地温、太陽の南中高度の1年の変化のグラフです。
これらのグラフでは、グラフごとにピークが異なることの意味を考察する必要があります。1)では、最高値が、太陽高度は12時(太陽の南中時)、地温では13時頃、気温では14時頃と異なること、2)では、最高値は、太陽の南中高度が6月(正確には夏至の日)、地温が7月、気温が8月、水温が8月以降となることが特徴で、温度と太陽高度のピークにずれがある理由と値を問われる問題が頻出です。
それは、太陽光がまず地面を暖め、その熱が空気に伝わって空気を暖める現象によるものです。更に、水は熱が伝わりにくい性質があるため(熱伝導性が低い物質である)、水温は上がりにくく下がりにくいという現象も加わる可能性もあります。
応用問題では、
- 1)グラフの変わりに表で値が与えられ考察すること、
- 2)天文分野と合わせて、春分、夏至、秋分、冬至の太陽と地球の位置や現象について問われること、例えば、地軸の傾き(23.4°:に、さん、しで覚えやすい)、緯度(高緯度と低緯度、北半球と南半球の季節と時刻の違いなど)による太陽高度の違いなど、
- 3)化学分野と合わせて、温度計測、水の性質、実験方法(実験器具の名称と操作)、
- 4)天気の分野と合わせて、気候帯ごとの気温と降水量の変化(グラフ)が問われること、などが考えられます。
計算は多くないものの、図表から値を正確に読んで総合考察することを確認していきます。