鉄人の一通入魂

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2008.03.07配信
絶対に役立つ中学受験専門プロ家庭教師からの必勝アドバイス!
『要注意です!国語で随筆分の出題が増えました。』

本年度入試のひとつの特徴としまして、「国語で『随筆文』の出題が増えた」ことが挙げられます。これまでも出題されてきた『随筆文』ですが、出題頻度が上がることには十分に注意が必要です。その大きな理由は「随筆が苦手」な生徒さんが多いことにあります。お父様・お母様からご覧になられると、その苦手意識を不思議に思われるかもしれません。難解な説明文のように、「文意を把握することが難しい」のでもなく、また物語文のように、「心情のジェットコースター」を追いかける必要もない。むしろ読みやすく分かりやすいのではないか、との印象もお持ちではないでしょうか。しかし、実際は随筆文になると苦戦する生徒さんが多くおられるのです。

その原因は、「明確な文意が見つけづらい」からでしょう。それは生徒さんの読解「技術」とは別のところにも原因があるのかもしれません。確かに随筆文では、内容によって「気持ち」が中心の場合は物語文の読解要素が、「意見」が中心になると説明文の読解要素が必要になります。しかし、技術について目を向ける前に、まず「随筆そのものが、小学生にとっては必ずしも分かりやすいものではない」といった認識を持つことが必要です。

「体験」と「意見」から成り立つ随筆ですが、筆者が見聞きした「体験」と主張すべき「意見」とを結ぶ「筆者の視点」は決して容易に理解できるものではありません。というのも、その背景に「筆者の社会全般に対する視点」が大きく存在するからです。登場人物が生徒さんと同年代である物語文や、先生の講義を聞くようなスタンスで構えられる説明文とは異なり、随筆文の場合には「大人の視点」を、完全とまでは行かないまでも理解をすることが前提になってしまいます。12年の歳月だけでそうした「大人の視点」を感じることは、ほぼ不可能と言えます。

それではどうすればよいのか。「大人の視点」を意識するのではなく、まずは「幅広い視点」を持つ習慣をつけることで、視点は成長します。普段の生活から、「見たままだけに受け止める」だけでなく「違った見方」にまで広がりを持つことが第一に必要です。

そこで、今回は1冊の本をご紹介したいと思います。お父様・お母様方は一世を風靡した「バザールでござーる」や「ポリンキー」のCMを覚えていらっしゃいますでしょうか。それらのCMは、「佐藤雅彦」というメディアクリエイターが手がけたものです。あの『だんご3兄弟』も、佐藤氏が作詞・プロデュースしたものです。広告代理店の電通を退社後、現在は慶應義塾大学教授、東京藝術大学大学院映像研究科教授として活躍されている佐藤氏ですが、同氏による『毎月新聞』が、今回ご紹介する本となります。同書は、佐藤氏が毎日新聞で4年にわたり連載した月1回のコラムを一冊に集めたものです。そのテーマはいずれもユニークで、また挿絵でとても可愛らしい(“ござーる”をイメージ下さい)キャラクターが現れ、読むにあたって取り組みやすいものになっています。ただし、その視点は一貫して鋭く、例えば『じゃないですか禁止令』といったテーマでは、語尾に「…じゃないですか」とつける流行の言い回しに対して、その問題点を厳しく論じ、そうした言葉の蔓延が「無意識に大切なものを損なっている」と強く訴えています。また『つめこみ教育に僕も一票』では、一般に否定的にとらわれがちな「つめこみ教育」について、相対する「制約のない自由」への反発を挙げたうえで、学ぶことの楽しさにと相容れるものとして、それを擁護しています。その題材として、佐藤氏が学生時代に出会った対照的なふたりの教師のエピソードを挙げているのですが、それが極めてリアリティのある内容で「こんな先生たしかにいた」と共感できるものです。つめこみ教育を擁護する、ともすれば「ひねくれた見方」とも思われる視点において、佐藤氏はリアリティのあるエピソードと分かりやすい論法で、読む側にスムーズに納得できるものとしているのです。こうした「視野の広さ」と、「伝える力」の両方が随所で満喫できる点で、本書は「随筆文はわかりづらくて面白くない」という先入観を払拭する力を十分に持った入門書のようなものとも言えます。

「新聞」というくらいですから頁の端にはマンガが載せられています。このマンガも味わい深いものになっていますので、まずはそこから初めてもよいかもしれません。活用方法は様々です。全般に最初から生徒さんが読むには少し難しい表現もあるかもしれませんが、まずは生徒さんに一読を促され、必要に応じてお父様・お母様が救いの手を差し伸べて、意味を租借されるといったかたちがよいでしょう。未知の文章の世界へと冒険することも、読解力を高めるうえでは必要です。また、本年度入試の特徴のひとつとして、出典ジャンルが多様化したことが挙げられます。あまり触れたことのない文章・視点に触れることは今後の大きなプラスにもなります。

年度の変わり目になり、塾のカリキュラムの変わる最中で、現状を打破することが第一、と考えられている時期ではないかと思われます。なかなか時間的な余裕もなく、「読書」に割く時間があれば別のことに…と思われるかもしれません。確かに、今はしっかりカリキュラムに従って基礎固めをすべき時期ではあります。そんな時こそ、気分転換の意味も込めて、『毎月新聞』に目を向けられてはいかがでしょうか。随筆文への抵抗が強くある場合にはなおさらです。そうした抵抗の払拭は思いのほか時間がかかります。今の時期から取り掛かることをお薦めします。 『毎月新聞』は、「読書!」と肩肘張って取り組むような内容ではありません。楽な気持ちで、「新しい独特の世界をのぞいてみる」の感覚で、ぜひ一度ご覧になってください。

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