ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

お子さんの10年後を考えて志望校を選ぼう

 早いところでは、もうすぐ中学入試が始まります。受験生のみなさんは必死に勉強していることでしょう。この時期の過ごし方は以前に書いた次の記事を参照して頂きたいと思います。
●中学受験、今が正念場

■ 不況下の雇用情勢

 今回はテレビや新聞等でも盛んに伝えられている100年に1度の経済危機や雇用不安と中学受験の関係について考えてみたいと思います。というのは中学受験は大学進学へのスタートであり、子どもの将来を決める重大事だからです。

 昨年の雇用は売り手市場で人手不足でした。製造業は物を作りたくても原料が手に入らない状況が続いていました。それが今年の夏を過ぎて一転して急速に冷え込んでしまったのです。大学卒の新卒採用も厳しくなると言われています。それはとくに不況の影響がひどい不動産や外資系金融関係の業種で内定取り消しが出ているからです。

 けれども内需関連の業種はそこまで雇用を絞るとは考えられません。バブル崩壊の後の就職氷河期に採用を手控えた悪い影響が今出ているからです。社員の年齢構成がいびつになって、後々人材が不足するなど不具合が生じています。採用数を減らすことはあっても新卒を全く採らないということはないはず。

 新卒学生が就職を希望する人気企業というのは、その時々の経済情勢を反映します。しかし10年、20年経ってみたら、その人気が続いているというのは近年では希(まれ)です。

例えばある調査によると大学生の就職志望企業ベスト10は次の通り。

  1. みずほフィナンシャルグループ
  2. 全日本空輸
  3. 三菱東京UFJ銀行
  4. トヨタ自動車
  5. 日立製作所
  6. 電通
  7. JR東海
  8. JTB
  9. 博報堂
  10. 松下電器産業

 10年前には人気のあったNTTやソニーが入っていません。このように10年先を見通すのは難しいものですが、今人気があるというだけで選ぶことの怖さも教えてくれます。

■ プロフェッショナルが求められる時代

 学校もこれと同じだと思うのです。今の人気ある学校が高校卒業する6年後どうなっているのか、あるいはその頃の大学入試戦線がどう変化しているのか分かりません。それなのに、まったく将来を意識することなく偏差値だけで学校を選んでも良いのでしょうか。

 企業に勤める非正規社員の割合が高まっています。派遣法の見直しが叫ばれていますが、終身雇用の時代に後戻りすることはないでしょう。すると何が起こるのでしょうか。いえ既に起きているのでしょうか。

日本の企業はグローバル化を進め、終身雇用により社員みんなで一丸となって業績を上げるという道を捨て、成果を出した社員にはポストや研鑽の場を与え、そうでなければ報われない人事制度を取り入れています。

 また、当たり前のことを当たり前にやりとげることは成果として認められずに、「誰でもできる仕事」としてアウトソーシング、つまり別の会社に安いコストで丸投げするようになっています。○○ホールディングスと呼ばれる持ち株会社に代表されるように、本社機能以外はどんどん社外へ出して行っています。製造業の設計開発といった重要な仕事さえ、中国やインドへアウトソーシングしているのです。

 するとどうなるでしょうか。本社として事業をマネージングする部門、商品やサービスを企画立案する部門、知財・法務・財務といった専門性の高い部門、アウトソーシングしている業務をコントロールする部門に人材を集中し、他の仕事は分社化や業務委託する構造に変化してきています。

 今の子どもたちが社会で就職する時代にはプロフェッショナルが求められるようになっているでしょう。名のある大学を出たから就職は安泰かというとそうではなく、その上で何ができるかが問われるのです。

 また高等教育の制度も、法科大学院と教職大学院に代表される専門職大学院が数多く設置され、これまで大学で終えていた高等教育を大学院まで受ける学生が増加しています。これは就職をより有利にしたいという、高まる専門職志向を受けてのことだと思います。

■ 学校の将来性

 上に述べたように、単に有名大学を出れば就職はOKという時代は過ぎ去りました。ですから中高一貫校も大学合格実績が高ければそれで良いと言っていられません。大学でしっかり勉強するだけの力を生徒に身につけさせることができるかどうかが問われるのです。

 たくさんの問題を正確に速く解けたら良いのではなく、複眼的なものの見方ができるような教育が必要です。本に書いてあることを理解しまとめたら終わりではなく、自分はどのように考えるのかをきちんと表現できることが求められます。ディベートの授業や研究論文を書かせる学校が増えているのはその現れでしょう。

 ディベートはもちろんのこと、論文やレポートは「どんな切り口(視点)」で問いを立てるのか、自分の問題意識はどこにあるのかをはっきりさせなくてはなりません。志望校がこうした教育を取り入れているかどうかを確かめてみましょう。

 一方で、勉強ができることだけがプロフェッショナルへの道かと言うとそうではありません。革新的なアイディアを出して、現状をブレークスルーする人は優等生でない人が多いからです。その代わりそういう人は、強烈な個性を持っています。案外こういう人は大学附属の中高一貫校で受験勉強とは無関係に、好きなことに打ち込みそれをやりつづけたりしています。

 勉強も一つの才能と考えれば、それを含めて何か自分の得意なものに集中して向かい合うことをゆるす環境という側面も学校にはあるのだと思います。個性的なお子さんに枠をはめようとする学校は合わないでしょう。

 中学進学というのは偏差値の良い学校に受かればハッピーというものではありません。大学進学は当然ですが、社会人としての将来も考えなくてはなりません。その際には今の世の中や経済状況がどうなっているかを知り、さらに数年後あるいは10年後に思いをはせて、お子さんに合った学校を選択してあげたいものです。

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