ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

5年生の2学期は受験の最初の山場

 入試が近づいて5年生もあと少しで新6年という時期になると、中学受験の中だるみ、スランプに陥りがちです。それには理由があるのです。それは受験の今後を大きく左右します。今回はその5年生にスポットを当てて考えてみます。

【5年の2学期のポジション】

 多くの中学受験生は4年から準備を始めます。中には5年から塾に通う生徒もいるでしょう。塾のペースに慣れた頃に、5年の2学期を迎えます。この時期には授業の回数が増えたり、授業時間が長くなったりという物理的な変化があります。さらに授業の内容も難しくなります。まず重要な分野の学習が始まります。演習問題には4年では見られなかった入試問題も登場します。塾のカリキュラムに目を通していますか?受け取っているだけの方も多いと思います。中学受験の期間は子どもが今、何をやっているのか知るようにしてください。それと子どもの様子をよく観察して下さい。

 私の子ども達を見ていても、この時期から少し不機嫌な顔つきになります。疲れているような、覇気がないような印象です。特に女の子の方が早くその傾向が現れます。それは先に述べた変化が子どもにとって負担増となることばかりだからです。ここをうまく乗り切らないと、挫折してしまったり成績が落ち込んだりします。私の上の子どももこの時期に一度塾をやめて、しばらくして通塾日がそれまでより1日少ない塾に転塾しました。

 塾としても受験生である6年生のケアが重要になる季節なので、リソースを受験生に多く割くのは当然のことです。従って多少5年生に対するフォローが、知らず知らずの内に手薄になることも考えられます。

 このように5年生を取り巻く環境が変化してくるのが今の時期なのです。

【家庭でのフォロー】

 そこで家庭でどのようにフォローしたらいいのか考えてみましょう。まずは子どもの変化を成長の証しと素直に受けとめます。「なんでもっと真面目にやらないの?」「成績が下がるのは手を抜いているせい」などと子どもを責めてはいけません。結果には原因が必ずあるのです。中学受験コースを持つ多くの進学塾のカリキュラムは、トップ校のレベルまで対応できるように作られています。教材も同じです。トップ校でも入試問題の6割が合格ラインと言われていますから、すべてできる必要はないわけです。もちろん、学習段階で6割を目指していては、本番で6割をとることはできませんが。

 したがって学習プリントなどは全問できなくてもいいのだと認識しましょう(知識分野は100%を目指さないとだめです)。さらに中堅校となれば、通常学習で6割正解で十分な学校が多数でしょう。始めからやらないのではなく、できるところは取り組み、歯が立たないと感じる問題、時間がかかる問題は解説を読むなど近道をします。多くの生徒が苦手とする算数は特に、これが当てはまります。後半の難問に使う時間があったら、基本問題・応用問題を余計に解いた方が有効でしょう。女子校ではなおさらです。算数のレベルが男子校並みの女子校はごくわずかです。解説を読んでも理解できない問題は、今の実力では時間つぶしにしかなりませんから。

 気軽に相談できる塾ならば、自分の子どもが通常学習でどれくらいできていれば良いのか目安を教えてくれるはずです。あるいは家庭教師を依頼していれば、その先生に相談してください。家庭学習の目安がわかれば子どもの負担感も軽減されるはずです。たくさんの教材を全部やっていくのではなく、「これだけやればいい」とわかることで、安心感が生まれます。

【具体的目標を持つ】

 学習量の目安が見えたところで、入試まで1年ちょっとの段階では受験生本人の入試に対する実感はおぼろげなものでしょう。人は誰でも目標が身近で具体的であるほどがんばれます。そこで当面の具体的目標を設定しましょう。例えば通っている塾のクラス平均点に届かないことが多ければ、まず「クラス平均点を上回る」ことを目標とします。その平均が取れるようになれば、1つ上のクラス最低点を目指し、次は平均点というように、少しがんばれば届きそうな目標を立てます。

 それを段階的にクリヤーしていくと知らず知らずにクラスが上がっています。いきなり全教科が難しければ科目ごとの目標にしてもいいでしょう。150点満点中50点しか取れない苦手な算数で「毎回70点を取る」でもいいですし、「計算問題と一行問題はミスしない」でも構いません。今はできていないけれど、あと少し努力すればできることを目標として達成することで、充実感が得られます。この時期のモヤモヤも少しは晴れるというものではないでしょうか。

 子ども自身でこれらのことをやることはできません。おとなが手助けして道を引いてやる必要があります。きめ細かい指導が他から受けられればそれに従えばいいのですが、そうでなければ家庭で補ってやりましょう。難しい5年の最後の時期を乗り切れば、最後の1年がずっと楽になるはずです。

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