ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

子どもの言語力の差は家庭環境の影響大

みなさんお気づきだと思いますが、子どもの話というのは起承転結がはっきりしなくて、何が言いたいのかよくわからなかったりします。そこで思わず先回りして結論を言ってしまったりしていませんか?

ところが多くのお子さんと接していると、中にはしっかりした会話ができ、大人と話しているかのような印象を与える生徒がいます。幼児の中にも3歳児なのにとてもしっかりしたお話ができるお子さんもいるのです。こうした生徒を見ていると、実は保護者の方、特にお母さんの話し方もしっかりしていることが多いのです。

話し方は親子で似るもの。起承転結がはっきりしていて、言いたいことがストレートに伝わってく人もあれば、具体的なエピソードから始まって、この話の行き先はどこだろうと思いながら聞いていると、言いたいことはそこだったのかと解る人もあります。中には最後まで聞いても何がなんだかわからない人も。

国語や算数の文章題の理解が出来ていない子が、思ったよりも多く見られます。国語を得意にしたかったら、読書の前に家庭での会話に注意を向けた方が良いのではないかと思うのです。

話は変わりますが、子どもの作文ってダラダラとやたら一文が長くて読みにくいものが多く見られます。「。」までの中に文が二つある重文どころかいくつもある超複文とでもいうような文体です。「。」を五百円玉と考えてたくさん貯金のできる作文をしようという指導もあるくらいです。

それと同じで会話において、いくつも言いたいことを入れ込まずに、きちんと区切りながら話せば良いのです。会話は作文と違ってリズムで話すから、そんなことは面倒と思われるかも知れません。けれどもリズムに任せて話していると、お子さんの話し方もそのようになってしまいます。また日常会話は省略形がとても多いものです。主語と述語がなくても親子なら通じてしまいますので、どんどん省略してしまいがち。きちんと話したら他人行儀で居心地が悪くなってしまうことは承知しています。そこをわかった上で、できるだけコアの部分はしっかりした話し方をして頂きたいのです。

また、子どもだから解らないと思わず、どんどん大人の使う言い回しや言葉を使ってください。知らない言葉があれば聞いてきます。すかさず説明してやりましょう。

「やっぱり社長だったら、この事故の責任を負わなくてはね」
「『責任を負わなくては』って何?責任を追いかけるの?」
「そうじゃないよ。責任を引き受けることだよ」
「なーんだそうなの」

こうした会話を家庭で多くしている生徒は、ちょっと大人びて生意気な感じも受けますが、大人に対しても言いたいことをしっかり伝えることができます。

もう一つ心がけていると良いと思うのは、論理をしっかりさせることです。論理と言っても難しいことではありません。子どもに何かをして欲しい時、してほしくない時にはその理由もセットで伝えます。また何か意見を言うとき、感想を述べるときにはその理由を一緒に話します。

つまりは、意見と理由、原因と結果のように論理が解るように話すのです。これはいずれ文章読解の力へとつながっていきます。

また、「こんなことがあったの」とエピソードを話す場合には、時系列を追って区切りながら話しましょう。特に男の子のお子さんに対してです。男性と女性の違いだと思いますが、女性はその状況を再現するかのようにお話しするのが得意です。女性同士では十分に理解できると思います。

ところが男性は結論を知りたいものなのです。先の見えない話をずっと聞いているのは緊張感が必要です。それが持続できないと途中からは上の空になってしまいます。そこで4コマ漫画のように起承転結でストーリーを話して聞かせると、とても解りやすいと思います。

女の子は仲間内で大人びた会話をたくさんするので、そこから色々学ぶことも多いのです。しかし男の子同士が話していても、会話のスキルがあまり高くないものですから、言語能力の向上には期待できません。

少子化で兄弟姉妹も少ないため、第一子の場合は家庭で保護者の方がどう話しかけるかで言語能力の発達が違ってきます。ぜひ話し方について少し注意を払っていただけたらと願います。

パパとママの勉強部屋
中学受験の模試について
中学受験塾の分析とアドバイス
必勝アドバイス
SAPIX マンスリーテスト 組分けテスト算数予想問題 日能研 実力判定テスト 算数予想問題 早稲田アカデミー・四谷大塚 公開組分けテスト算数予想問題
中学受験鉄人会 資料請求
中学受験鉄人会 公式Facebook はじめました。
中学受験鉄人会への喜びの声 学校別攻略法:現役スーパープロ家庭教師による中学校別攻略法 中学受験鉄人会家庭教師募集

twinavi

Twitterの総合ナビゲーションサイト
»詳しくはこちらをクリック