ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

子育てアウトソーシング時代の中学受験勉強

■習い事はプロに教わるのが当たり前

筆者が日本は豊かになったと感じることがあります。子どもの習い事です。かつては良家の子女の嗜みだったお稽古事が、現代ではほとんどの子どもが幼稚園の頃からなんらかの習い事をしています。音楽やバレエなどの芸術系は昔から先生について習うということが多かったのですが、水泳や鉄棒なども専門家に習うようになっています。

体操も本格的な器械体操はプロに教えてもらう必要がありますが、逆上がりや逆立ち、でんぐり返しなどは家庭で練習したものです。泳ぎもかつてはスイミングスクールへ行くのではなく、親子で市民プールなどで最初の手ほどきをしていました。

今のお母さんがたに話を聞くと、習い事=スクールという発想になっています。どうせ習うならしっかりした技術を身につけて欲しいという親心だということは理解できます。

しかし、小さい内は技術よりも親子で触れ合う体験が子どもにとって楽しいものなのに、専門家がきっちり技術を教えてくれる場になってしまっています。

■受験勉強もアウトソーシング

さて、習い事がそうですから勉強はどうでしょう。家勉(家庭学習)で応用自在を解いて中学受験していた家庭も多かった70年代と比較したら、現在ではほとんどが進学塾に通っています。「本には塾は必要ありません」という私立小学校に通っている生徒でさえ大部分が塾通いしているのです。

すでに習い事ですべてをスクール任せにしていた親御さんは、進学塾に入っても全て塾におまかせというスタイルが出来上がってしまっています。余談になりますが、ある有名幼稚園の園長先生が最近の保護者の中には「子どもが幼稚園に入ったら子育てはほとんど終わりです」という考えの人が増えていると嘆いているそうです。

つまり、幼稚園以降は園や学校が子育てをしてくれる、全ておまかせできるという認識なのだそうです。塾選びにしても、「仲の良いママ友に誘われたから」とか「近所のみんなが行っているから」といった理由で決めてしまったりします。

インターネットを駆使して情報を探すような保護者には少ないかもしれませんが、教育のアウトソーシングはかなり進んでいるのです。

■中学受験も塾任せ

さて、アウトソーシングが進むと何が起こるでしょうか。「お金を払って子どもを預けているのだから、対価に見合う結果を出すのが当然だ」という考えです。こうしたことを主張するのは父親に多く見られます。会社で成果主義が取り入れられているので、塾に対しても成果を求めるわけです。

ところが、子どもはマシーンではないので、インプットしたら必ず期待値以上のアウトプットが保証されてはいません。塾がコントロールできるパラメータ(要素)は限られています。

そしてその多くは家庭に依存しているのです。例えばある生徒の家では難しい算数問題集を与えてやらせていますが、実は基礎学力で単位の換算や時刻と時間の概念がしっかりと身についていなかった例があります。この場合、応用レベルの算数を学習するよりも基礎を復習した方が良いのです。けれども塾で勧められた問題集を子どもに与えてしまっています。他にも有名中学へ子どもを進学させた兄嫁が、その子が使った問題集を勧めるのでやらせているという家庭もありました。

アウトソーシングが染み付いてしまうと、主体的に考えてわが子に向いているのか、いないのかを考えずに鵜呑みしてしまうことが起こりうるわけです。

■受験の主体は受験生とその家庭

過去の記事でも度々書いていますが、塾は利用するものです。言われるままにコースを取ったり、教材を買うのではなく、子どもがちゃんと消化できているのか、難易度は合っているのかなど、しっかり確認しながら受験勉強に取り組んで行くようにしましょう。

そのためにも、塾から配布されるテストの個人データをしっかり分析して、場合によっては先生に相談して、早め早めに対処できるようにお願いします。

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