ーAll About受験ガイド高橋公英さんー
わが子を合格に導くヒントとテクニック

中学受験、マネージメントは親がする。

中学受験が一般化して、子どもの教育に関心のある家庭では中学受験を視野に入れるようになってきました。ただ親御さん自身が中学受験の経験者であることは少ないため、まだまだどうやって中学入試に向かって行ったら良いか悩んでいるご家庭も多いでしょう。

■ 中学受験は、地区大会を勝ち抜いた選手による県大会・全国大会のようなもの

中学受験はスポーツに例えると、次のような具合になります。受験生達は地区大会を勝ち抜いた選手で、中学入試は県大会や全国大会です。地区(学校)でトップレベルの成績だったとしても、同レベルの選手が競うので地区のような成績は収められません。県大会で中堅ということは十分にすごいことなのです。確かにどの選手(受験生)も目標は全国大会の決勝進出(超難関校合格)と高くかかげても構いませんが、コーチ(親)としては選手の実力を知って、達成可能な具体的目標を設定する必要があります。一足飛びに高みには上れないからです。

■ 相手は子どもだと言うこと

ところで、ご自分が子どもだった頃を思い出してみてください。中学入試しようとしているお子さんほど勉強していましたか?また勉強の内容もこんなに難しかったですか?スポーツの比喩を続けると、練習量も練習の質も一般人とは異なるレベルのトレーニングをしているのです。ですが10歳前後でようやく論理的な考え方ができるようになり始めたばかりで、まだまだ内面的には幼いのです。特に男子がそうです。一方で思春期が早く始まるようになっているため受験生となる小6では既に親に反発をし始める子がいます。こちらは女子に多いですね。

私は親も発達心理学やコーチングについて学んでおいた方が良いのではないかと考えています。特に中学受験する場合は。相手が子どもですから、長期の目標よりも目先で楽をすることを考えがちです。それを強い言葉で叱りつけて無理矢理従わせるのではなく、うまく誘導して自分からやっているような気にさせることが大事です。

記憶の心理学で分っていることは「気乗りしないことは記憶に残りにくい」です。つまりやる気がない子どもの尻を叩いて勉強させても身に付かないということ。自発的なモチベーションにもとづいたり、楽しいと感じている時は記憶に定着しやすいことが知られています。他人の子どもなら平気なのに、自分の子どもだとつい叱りたくなってしまうところを、ぐっと堪えて気持ちよく勉強に向かわせましょう。

■ 志望校選びを子ども任せにしないこと

時々、「学校見学に行って子どもがとても気に入ったので、そこに志望校を決めました」とおっしゃる方がいます。

前述した通り12歳はまだ幼い子どもです。学校を気に入ると言っても、校舎が新しいとか制服が可愛いとか深い意味があることは少ないのです。ですから、親の眼鏡にかなう学校の中から選ばせるようにしましょう。「この学校なら通わせてもいい」と思える学校をリストアップして、最終決断は子どもがしたように思わせることができたらいいですね。

「○○中学はいいわよ。ここにしない」と露骨に進めるのではなく、「○○中学は〜が素敵ね」とさり気なく良い点をアピール。押し付けはしないけれど親が気に入っているという雰囲気を伝えられれば成功です。

■ 勉強を塾任せ・子ども任せにしないこと

「塾にやっているし、塾も任せてくださいと言っているから、親は何もしていません」というご家庭もよく見かけます。塾の言葉を鵜呑みにしてはなりません。面倒見の良い中小の塾や教室長がちゃんとしていて、本当に面倒見の良い場合は別です。でもそんなケースはあまり多くはないのです。塾も企業ですから効率を上げようとします。成績上位の生徒は実績作りに欠かせないので、しっかりフォローしなくてはなりません。優秀な講師を割当てて合格実績を作るように努めます。

中堅レベルの生徒が、実は一番のお客さんなので生徒数も多く集まっています。この層がやめていかないようにしなくてはなりません。けれども生徒もクラスも多くなるので、優秀な講師ばかりそろえることはできません。口では「任せてください」と言うものの実際には手が回らないことも多いのです。

こんな時によく起きるのが「うるさい客の要望はよく聞く」です。おとなしく塾に従ってくれる生徒は良いお客なので、フォローしなくて済みます。うるさい生徒はマイナス情報を広められる恐れがるので、きっちり対応しなくてはなりません。そこで「うるさい客の要望はよく聞く」ようになりがちです。

成績下位の生徒の扱いは二通りです。塾全体のレベルを上げるためにボトムアップしようとする所と、「付いて来られないなら、どうぞおやめになってください」というところです。後者の方が塾としては楽ですね。合格実績の足を引っ張られることもなく、人手も欠けずに済みますから。というわけで、お子さんの教科の内容まで見るかどうかはともかく、少なくとも塾での学習がうまく行っているのかどうかは、親がつかんでおく必要があります。

  • ・塾の課題をきちんとやっているか
  • ・消化不良になっていないか
  • ・実力が付いているか
  • ・机に向かっているだけになっていないか

プリントやテキストを始める前に親が確認し、本人に開始時刻を書かせましょう。終わったら終了時刻も書かせます。こうすればどれだけの時間をかけて課題をこなしているかがわかります。時間がかかり過ぎならば、消化不良か勉強していないかのどちらかです。高校受験と違って中学受験は50%は親の受験です。入試合格というゴールに向かって進むプロジェクトです。プロジェクトには予想外の障害がつきもの。そこにマネージメントが必要な理由があります。親がしっかりマネージメントをしてやりましょう。もし親の手に余るなら専門家の手を借りることです。

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